紙の本
恋愛小説に擬態したホラー
2021/10/14 20:51
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
こぉわっ……
おとぎ話のような語り口で
それが恋と気づく前から落ちるまで
瑞々しく丁寧に紡がれていく物語のラストは
それはそれは恐ろしい男と女の相違でした。
恋愛小説に擬態したホラーでしたよ。
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請われてする結婚は幸せだけど、
相手の情熱がなくなってしまったらただの同居人。
そんなときにするっと中に入ってきて、さらっと外に出されたら、
誰だって心が動いてしまうと思う。
読んでいて怖くなってしまった。
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2010 4/2購入
4/4読了
「話をきいてくれない夫」って江国さんの作品によく出てくるような気がする。実際こういう旦那さん多そう。
無自覚の絶望が根底にあるような話。
オチをどう解釈すればいいのか少々悩んだ。
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こわい。ほんとうにこわい。
ひろちゃんが切れる場面はフラッシュバックしたし、
ていうかそういうことじゃなく、
ラストの数ページがこわい。
ジョーンズさんの最後の言葉がこわい。
なんでこんなにおそれるかって、
畢竟自分を美弥子さんに重ねてる部分があるからじゃなかろうかと思ったが、
いやそういう考え方はずるい。フェアじゃない。
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ある一人の主婦が、『外の世界に出てしまった』物語。
「きちんとする」ことが好きな人。
だから、毎日家事もご近所付き合いもきちんとする。
旦那さんとの日々の会話もきちんとする。
そして、今までとは全く違う世界を見せてくれる、
そんな素敵な人が現れたら、「きちんと」好きになる。
「不倫」とか「浮気」とか、そういう言葉がそぐわないのは、
おとぎ話的なやわらかい語り口の影響も手伝って、
『外の世界に出てしまった』のを私も認めてしまったからなのだと思う。
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「王様のブランチ」で新刊情報を知りました。
でもすでに図書館の予約数は250越え…なので、買ってしまうかもしれません。
久しぶりに読みたいと思った江國作品。「間宮兄弟」以来かな?もしかして。
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美弥子さんの透明で無邪気な感じが最初心地よく、最後のほうには少し危うげでもあり頼もしくもあって変わっていく様子が興味深かったです。
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2010年4月13日読了。
王様のブランチで紹介されていておもしろそう!と思い購入。
江國さんの作品は東京タワーしか読んだことがなかったのですが、
すごくおもしろかったです。
美弥子さんがジョーンズさんに惹かれていく姿。
すごく残酷だなーって思いました。
最後のジョーンズさんの言葉に、
ふたりの気持ちは少なくとも最初のときよりもかわってる。
そう思いました。
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翻訳みたいな文体が良くない。
そのうえ、内容もいまいち。
神様のボートあたりがピークだったなぁ。
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最後の一文。
震えました。思わずコワい!と叫びました。
もちろんそれこそが人間の感情の真実だ、としても。
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美弥子さんは専業主婦。友達のジョーンズさんとフィールドワークをするうちに、自分が世界の外へ出てしまったことに気付く。
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”どこから、彼に恋に落ちたというのだろうか。”
主人公、美也子さんは
夫浩さんと二人暮らし。
比較的裕福な家庭で
自分らしい生活を過ごしていた。
たくさんの来客が集う家に、
一人の男性が心を染めていく。
ジョーンズさんとのフィールドワークが
彼女を変えていく。
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江國さんの作品で、読み終わったときにぞっとしたのは初めて。
やわらかな、まあるい筆致で描かれる現実。
ですます体の文章が、まるで絵本か童話を読んでいるような様相を呈するので、よりリアリティが際立つ。
桐野夏生さんが人間の負の部分をぐさりとえぐりだすのに対し、江國さんは美しい筆致でそれをえぐりだすから怖い。大人の童話とでもいうところかな。救いのない結末に思われるけれど、それでも江國さんの文章は非常に魅力的で、その空気の中に漂っていられる心地よさもあるから不思議。
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美弥子はなんでもきちんとすることが好きな専業主婦。夫に従順で、家事も完璧にこなし、ご近所つきあいも全てきちんとしています。そんな彼女はアメリカ人の大学教授ジョーンズさんと出会い、不倫の道へ足を踏み入れます。普通の不倫物語ですが、世界の内側にいた美弥子さんが、外へ出ていくまでの心理がよく描けてます。ラストはちょっと衝撃的?
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新聞広告欄の見出し「人妻は物を感じちゃいけないなんて法があるかしら」に魅かれて?読む。ずうっと積読だった本を二日がかりで読了。たぶんその気になれば二時間くらいで読んでしまえるかな。
著者特有の生活臭のあまりない女性、美弥子さんの恋。
恋愛の始まりから終わり(終わってはいない?)まで。自分にもその感覚がよみがえってくるような(ーたとえば、ジョーンズさんが一人鮨屋さんで握りを食べているとき、ふとここに美弥子さんが居たらいいのにと思う感覚ー)気持ちは懐かしいような甘酸っぱいような・・・でももう卒業したかなという寂しい気持ちも湧いてきたり。
美弥子さんの心の持ちよう、恋する気持ちの変化によって美弥子さんの慈しんで大事にしてきたお家がよそよそしくみえたり受け入れてくれるような気がしたりという感覚的なこのの表現の仕方はさすがによくわかってみえるんだなあ。
ジョーンズさんが美弥子さんに「罪悪感というのは、自意識に過ぎないんですよ」と言うが、確かに。
というわけで、ジョ-ンズさんと美弥子さんの恋する過程に共感めいた気持ちをそこかしこに感じるわたしでした★★