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紙の本
雨宮処凛さんはきわめてプロフェッショナルな方
2010/08/30 17:55
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:喜八 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2006年頃から始まった「貧乏人の反乱」「労働/生存運動」「プレカリアート運動」は労働の改善と生存だけを求めているのではない。
これら一連の運動──労働組合の立ち上げ・サウンドデモ・裁判・路上での鍋会等々──は「文化運動」である。
これが『反撃カルチャー』著者・雨宮処凛さんの主張です。
プレカリアート運動の考察、「だめ連」の先駆性、メディアアクティビストたちの挑戦、麻生邸見学ツアー不当逮捕事件、サウンドデモ、年越し派遣村、若者たちの内なる新自由主義、宮下公園ナイキ化計画、「自由と生存の家」、フラッシュモブ、インディーズメーデー、レイブ、ゴス、秋葉原事件、『フリーターズフリー』、「女性と貧困ネットワーク」、フェミニズム、ロスジェネ世代の「ホームレス」体験、「キャバクラユニオン」など生存に関わる事象を cool に熱く語り続けてゆく雨宮処凛さん。
終章は社会学者・入江公康さんと雨宮処凛さんの対談です。
以前から強く感じていたのですが、書き手としての雨宮処凛さんはきわめてプロフェッショナルな方なのですね。
雨宮さんが「手抜き」に類した仕事をしているのを、私(喜八)は一度も見たことがありません。
「いい加減」「ちゃらんぽらん」といった役柄を自ら演じているように見える雨宮処凛さんですが、その実はひとつひとつの仕事に常に全力を尽くす「プロ」なのです。
本人による自己申告と実態の乖離《かいり》がこれほど大きい方はあまりいないのではないか、とも思います…。
高度なパフォーマンスを実践し続けるプロフェッショナルでありながら、雨宮処凛さんはなぜか「強者の罠」としての「新自由主義」に陥ることがありません。
弱い人(今たまたま弱っている人)やダメな人(自分をダメだと思い込まされている人)にも理解と共感の目を向ける雨宮処凛さん。
個人的には『反撃カルチャー』の中でも、雨宮処凛さんと栗田隆子《くりたりゅうこ》さん(「フリーターズフリー」出資者兼組合員)の対談を興味深く拝読しました。
その内容については「ぜひ読んでください」としか言いようがないのですが(栗田さんはいちおう「顔見知り」ではあるので、なんだか解説が書きにくい…)。
中学生の頃、女子生徒から凄絶な苛めを受けた体験から、女性との付き合いが苦手だという雨宮処凛さんが次のような発言をするのに心打たれました(218頁)。
《取材の後、栗田さんと近くで飲んだ。私《雨宮》にとって数年ぶりの「女二人飲み」は、とっても楽しい時間だった》
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