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週刊文春連載コラムの単行本化。さすが福岡ハカセ、個々のピースは短いながらもストーリーがあって読ませます。また部分が幾重にも重なり、全体として一つの作品に結実しているさまは『世界は分けてもわからない』を地でいく感じ。うまいなあ。
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『生物と無生物のあいだ』に続き、面白かった。
コラーゲン含有食品に肌もち効果はない、
と言い切るところや、癌細胞や絵のくだりなど、
キャッチーで記憶に残るフレーズ、今風な言い回しが多い。
良し悪し好き嫌いは人によりけるタイプの著者だと思うが、
私は結構好き。
前書と比べると、だいぶ茶目っ気のある描きっぷりだった。
この点では、前書の方が好印象ではあったが、これはこれで。
章が細かに分けられており、自由に描かれている。
特に結論云々拘らず、言いたいことを言って、完結している。
本書一貫してキーワードとなっている「動的平衡」については、
wikiにうまいこと書いてあったので抜粋。
「ミクロに見ると常に変化しているがマクロに見ると変化しない状態である」
人の体も日々変化しているけど、見た目変わらないでしょ。
これについても、様々な分野に応用して見解が述べられていた。
その中には、目からウロコなものも。
ひとつ教訓みたいなものもあった。
「ヒトは見たいと望むものしか見ない」
とある仮説に基づいて検証した結果、客観的に見ればそうでなくても、
その仮説にかすっていれば、立証されたように感じてしまう、
という解釈を持った。
要は、思い込みは危険、ということ。
仕事する上で、注意するよう再三言われたが、なかなか難しい。
文中にこんな引用もあった。
常識とは十八歳までに身につけた
偏見のコレクションのことをいう
(アインシュタイン)
集めたコレクションは時々解放してやらねば。
どんどん頭固くなりそう。
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その青の鮮やかさに感動したとき科学が始まった
帯に一目惚れ。
ルリボシカミキリについての生体や魅力を存分に書いた一冊かと
思いきや、中身はエッセイのよう。
逆にルリボシカミキリについての記述はあまりないので、
タイトルで身構えていた分、気軽に読めた。
科学という根底はあるが、題材も多岐に渡り、自分には持たない
視点からの内容が面白かった。
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いま読んでる、にしたけど、積読本に近い状態。この人は、あれこれ批判されてるけど(個人的には、メディアに出ないほうがいいんじゃないかと思う)、知性と感性のバランスがちょうど良い文章を書く。とくに、風景(顕微鏡レベルのものも含めて)の描写が素晴らしい。見たことのないものが、目の前に立ち上がってくるようなかんじ。もったいなくて、少しずつ丁寧に読みたい…と言っている間に積読本。早く読まなくちゃね。
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分子生物学者のエッセイ集。
ダイレクトに生物学の話というよりは、日々のよしなしごとから連想される話題が多く、これまで読んだ『動的平衡』、『生物と無生物のあいだ』よりちょっと日常的な色が多いところが特徴。
これまでの著作とかぶる内容も多いが、ノックアウトマウスのその後の研究成果だったり、少し視点を違えたりとどれも興味深い。ひとつのテーマで概ね3ページ程度のものが多く、内容的には浅いのが残念だが、そういう書き物なのでそこはしょうがない。他の本を読もう。
それにしても、著者自身も裏テーマと言っている教育に関する洞察、向き合い方が秀逸。一番心に響いたのは(文言は厳密ではないが)”教科書的に事実を伝えてもしょうがない。なぜそうなったのか、どんな議論があったのか、自分がおもしろいと思ったこと、感動したことを伝えることが大事”というものである。全くそのとおりだ。
著者の文章から、このことがにじみ出しているのがまた素晴らしい。
きっと授業もおもしろいんだろうなぁ。
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◆迷っているキミの視野をひろげる本◆
希求と探求のこころをもって、世の中の不思議さを問い続ける66のコラム。
生命のありようや行動はDNAのなせるわざ、「機能性食品」は「気のせい食品」などと、生物学者の言葉は、読むほどに私をはなれて、生命体としての自分を刺激する。
そして、忘れがちな「心のゆとり」がいつの間にか芽生えていることに気づきます。
おすすめします。
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「フェルメールでさえ作りえなかった青の由来を、つまりこの世界のありようを、ただ記述したかったのだ」
キャッチコピーに惹かれて購入
ただDNAとかRNAとかDNAの末端問題とかそういうのがさらっと出てきたので物理の私にとっては「…?」な部分もちらほら
けど全体的に話がおもしろい!
文章も文学的で読みやすかった
ただしカミキリムシの本ではない
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私は生物学的なことは分かりません。ネットで福岡伸一批判は多々あれど、やっぱり先生の文章は素敵です。欲しい度5
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あの「生物と無生物のあいだ」で
つまづいてしまった方でも
この本ならば余裕で読めるかも…?
ただし、ひとつだけ条件があります。
ノーベル賞に一番近い作家の
最新作を未読の方は全巻読むまで
避けたほうが賢明です。
規模は大きくはありませんが、
若干のネタバレがあります。
他のところは
彼の人間的な側面、
いわば花粉に弱いという
ちょっとかわいそうな一面を
垣間見ることができます。
しかもお医者さんでグサリといわれ
ショックを受けてしまってるハカセが
ほほえましくもあります。
そんなに考えなくても読める
ベストセラー書よりもずーっと
読みやすい本です。
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引き続き大好きな変態先生の本。
相変わらず文章はとても読みあたりよくロマンチックな表現。
こんなに的確に生命の不思議さと面白さを伝えたサイエンスコミュニケーターがいただろうか。
コラムをまとめたものなので福岡ハカセの日常もたくさん垣間見れて、変態の着眼点に萌えた。
実はその場で福岡さんにサインしてもらった宝物の本なのです。
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「生物と無生物のあいだ」の福岡伸一先生のエッセイ集。
週刊誌の連載コラムという性格上、「生物と~」より読みやすい。
福岡先生の指導者としての日常や昆虫少年がそのまま大人になって
研究者になったような好奇心旺盛な性格が本文より伺える。
難しいと敬遠されがちな内容でも、わかりやすく、
読み手の関心を誘うように書く文章力に驚かされる。
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分子生物学者のエッセイ。まるで小説家のような文体。的確でわかりやすい、そしてユーモアに溢れている。言葉が輝いているのだ。惚れ惚れしながら福岡ハカセのエッセイを読み耽ったのである。
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自分には無い視点で世界を捉えられていて、読後、少しだけ世界が違って見えるような気がした。
単なる部分が集まると情報を持ってエネルギーを持つ例としてインテルのあの「タラリラン♪」っていう曲を例に出したり、ハチミツが腐らない理由は浸透圧にある、など、生物学者らしい視点と、分かりやすい例えで、馴染みのない分野の情報も分かりやすく読めてとても面白かった。
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(「BOOK」データベースより)
朽ちかけた木の襞に、ルリボシカミキリがすっとのっていた。嘘だと思えた。しかしその青は息がとまるほど美しかった。しかも見る角度によって青はさざ波のように淡く濃く変化する。それは福岡ハカセがハカセになるまえの、まぎれもないセンス・オブ・ワンダーの瞬間だった。
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直球の科学エッセイ。「動的平衡」の連呼は連載だからしょうがないか。
執筆、出演が多すぎて研究を辞めないよう願う。