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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
カミラやジェシカが登場する短編が1本ずつ、猫とダリアンのお話、そして紅の読姫&教授にヒューイとダリアンが遭遇するお話と、断章が3本という構成になっている。これまでに登場した人物たちが再登場する話の割合が多いことと、時間軸に関するストーリーが多いことが特徴だと思う。つまり、未来の出来事や過去の歴史が現在と関わってくるようなストーリー。
短編集なので、基本的に一話ずつ完結していくわけだが、ダリアン以外の読姫が本編に登場したことによって、全体としての物語も少しずつ前に進んでいる気がする。
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ラジエルのカラーイラストとは珍しい…かわいいな。内容は安定した面白さ。こういうラノベって貴重だけど……アニメ向きとは思えないなあ。
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ちゃっかりとレギュラーの女性が増えて、女性キャラが増えすぎのハーレム状態になるんじゃないかという心配が…
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第二次世界大戦前くらいの時代を背景に、幻書というファンタジー
を入れたものと思っていたが。
今回の最終話でビミョーなことに。
ラジエルという名があやしいよなぁ。
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ダンタリアンの書架1を手に取ったのが今年の9月。
途中に様々な本を挟みつつ、ようやく5巻までを読了しました。
ライトノベルに限らず、本好きの人に好まれるファンタジーであると思います。
5巻は今までとは少し違ったタッチで書かれていて、良いスパイスでした。
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“ジェシカは、ぐ、と頬を引き攣らせ、
「私だって渡り鳥なんか食べないわよ。シロクマじゃないんだから」
黒衣の少女が、ハッ、と嘲るように息を吐いた。
「渡り鳥をバリバリ喰う女はみんな口ではそう言うのです。さすがに馬のしっぽみたいな髪型だけのことはあるのです」
「そんな女がどこにいるのよ!?てか、髪型は関係ないでしょう!」
「悪いけど……本当に少し静かにしてくれないか、二人とも」
ジェシカが肩を怒らせて黒衣の少女に詰め寄っていると、ベンチに横たわっていた青年が、疲れたような声でぼそりと呟いた。
「蒸気機関の修理を手伝っていたせいで、寝不足なんだ。少し休ませてもらえるとありがたい」
「あ……ご、ごめんなさい」
ジェシカが、ばつの悪そうな表情を浮かべて謝罪した。
狭い船内のあちこちには、青年と同じように仮眠中の船員たちの姿がある。
彼らは皆、ぐったりとした表情で、疲れ果てた身体を休めているようだった。
「ふん」
黒衣の少女は、ふて腐れたような態度で、読みかけの本に視線を戻す。ヒューイと呼ばれた青年は、そんな彼女をちらりと見上げ、
「ダリアンも、他人の食習慣を一方的に非難するのはよくないと思うよ。互いの文化の違いは尊重しないとね」
「食生活ってなんなんですか!?」
ジェシカが悲鳴のような声を上げた。”[P.134]
心配したダリアンが怒ってヒューイの足蹴りまくるとこ可愛い。
ダリアンとラジエルが睨み合ってるとこのイラスト顔可愛い。
“「幻書に関わるということは、人々の剥き出しの欲望と直接向き合うということです。ですが、あなたはその前に、自分自身と向き合うべきですね」
くつくつと笑い続ける白衣の男の背後に、小柄な人影が浮かび上がる。
緑色の髪と白い肌。鮮血の色に似た深紅の衣装。
そして鍵穴を刻んだ金属の眼帯が、彼女の左目を覆っている——
「きみは……!?」
紅衣の少女に目を奪われて、ヒューイは凍りついたように動けない。
教授の口元から、不意に笑みが消えた。
彼は、空洞のような虚ろな瞳でヒューイを見る。
「あなたの存在意義はなんです、ディスワード卿?あなたはなぜ、彼女と共にいるのですか、黒の読姫の鍵守よ——?」
突き放すような教授の問いかけに、ヒューイはなにも答えない。
紅衣の少女はそんなヒューイに、めずらしい生き物を見るような視線をしばらく向けていた。が、やがてそれにも飽きたのか、右の下瞼に指を当て、あかんべえ、と嘲るように舌を出す。
そして二人は、そのまま闇の中に姿を消した。
薄暗い坑道に取り残されて、ヒューイは一人立ち尽くす。
固く握りしめた彼の右手が、ぎしり、と低い音で軋んだ。”[P.247]
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第5巻を読破。
ひさしぶりに読んでみました。
っていうか、5巻は途中まで読んでいたみたいですね。
短編集ですから好きな順番で読めるというのはいいですね。
さて、今回は以前登場した女の子キャラが再登場しています。
カミラは……ちょいちょい出ていたっけ?
でもジェシカ嬢がまさかの再登場でびっくりしましたが(^-^;)
まあ出てきそうな感じはしていたからなあ、あのとき。
それにしても航海日誌もまた幻書になってしまうとか……すごいな、幻書。
いや、船長がすごいのか?
幻書を生みだしてしまうくらいですからね。
最後の「つながりの書」では紅の読姫とその鍵守も登場。
この二人組は幻書を作り出すことが使命、のようで。
あれ?
そういえばヒューイの先輩もこの子たちに幻稿を渡した、よね?
冒頭、ヒューイが飛行機を操縦していて「お」と思いました。
今までは車とか汽車とか船とかでしたからね。
この「つながりの書」のラスト方面は、本当に作者さんの手腕にやられました。
ほんと、すごいな……と。
ひさしぶりに読んだけれどやっぱりおもしろいですね。
既刊分は全部買ってあるので、時間を見つけては読もうっと。
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【収録作品】第一話 「時刻表」/断章一 「水辺の花」/第二話 「猫と読姫」/断章二 「愚者の書」/第三話 「航海日誌」/断章三 「観測者」/第四話 「つながりの書」