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幕末の京都で
道具屋“とびきり屋”を営む
真之介とその妻ゆず
文久3年 幕末の物騒な世の京
恩義がありお世話になっている
道具屋枡屋の主人喜右衛門から
意味ありげな「茶碗と扇子」を
夜市で競りに出すことを頼まれる
蓋の内側に「割符」のある茶碗は、
吉田屋の粋な女主人に150両という
破格の高値で落とされた
幕末ならではの秘密と謎が隠された
その「割符」の意味と
女主人の正体が徐々に明かされる
幕末の動乱の中
真之介とゆずが
道具を愛し店を守り
商人としてしたたかに生きる姿を
応援したくなる
“とびきり屋”に嫁いだゆずは
もとは老舗の道具屋のお嬢さん
その店の奉公人の番頭が真之介
そんな出会いと馴れ初めが
サイドストーリーで語られる
ゆずは決して威張ったり高飛車ではなく
いつも真之介を頼りにしてるけど
実は、ゆずの目利きと度胸と機転で
ピンチを切り抜けたり
チャンスをものにしたりしている
なんだかいい夫婦だなぁ
それに楽しいのは
この“とびきり屋”には、
幕末に名を残した志士たちが訪れる
横柄でわがままな芹沢鴨
陽気で天真爛漫な坂本龍馬
命を狙われている桂小五郎
桂を助けようとする幾松
戦う志士たちではなくて
どこか生活感のある
普段の様子をみているようで
身近に感じて楽しくなる
幕末だけど
ほんわか幸せ感じる
好きなタイプの小説
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幕末の京都を舞台にして道具屋『とびきり屋』を営む真之介、ゆずの若夫婦。
二人は京都でも名代の道具商『からふね屋』の愛娘と番頭だった。
熱意と度胸で店を切り盛りしていく真之介を確かな目利きの眼力でゆずがサポートする。
いろんな道具にまつわる物語に幕末の志士が絡んでいく展開は楽しく読めました。
一話ごとに二人が失敗と成功を繰り返しながら力を合わせて成長していく姿にはあったかな夫婦愛を感じていいなぁ~と思う。
『ええ女房や』と真之介がつぶやけば『旦那さんが、ええさかいやし』とゆずが切り返す。とてもお似合いの若夫婦の姿にはにんまりとして思わずほっこり。
ゆずのキャラクターがとってもいいですね。
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このシリーズ好きです。
山本さんにしては柔らかい文体かな?
この本を読むと、いい道具にこだわりたくなります。
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時は幕末。
新撰組が京の町を闊歩し、坂本さんや桂さんが新しい国を作ろうと東奔西走している。
そんな中、「とびきり屋」という骨董屋の若夫婦は自分たちの目を信じ、「お金の匂いがする」ええもんを探す。
二人のなれそめも収録されています。
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読みやすく数時間で読み終えてしまいますが、内容的には楽しめる本です。
とびきり屋のおかみさんが、神社でお願い事をするときに、「過去形」~でありがとうございました。とするところが気に入りました。
丁度、今読んでいる「山崎拓巳」さんの本にも同じような事が書かれていたので。
結構人生のコツを書いてくれていたりもします。
そして内容も暖かくて読んで楽しい本です。
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内容(「BOOK」データベースより)
幕末の京都で道具屋「とびきり屋」を営む若夫婦・真之介とゆず。わけありの道具を「見立て」、癖のある人々を「目利き」しながら、ふたりは少しずつ成長してゆく―。動乱の京都を舞台に、「道具」と夫婦愛を描いた佳品六篇を収録。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
山本 兼一
1956年、京都市生まれ。同志社大学文学部美学及び芸術学専攻卒業。99年「弾正の鷹」(同タイトルの短篇集に収録)で小説NON短編時代小説賞を受賞。2004年「火天の城」で松本清張賞を受賞、同作は第一三二回直木賞候補作にもなった。2009年『利休にたずねよ』で第一四〇回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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読後感の良い温かい時代小説だった。幕末の京都にある古道具屋が舞台の作品で、幕末の有名人も出てくるがあくまでも脇役。経営者である夫婦のやりとりが微笑ましい。
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初めての山本兼一作品。あえて評判の高かった受賞作を避けて・・・京都で道具屋を営む若夫婦が、道具によって人間を、腕を磨いていくなかで、幕末という設定柄歴史上の人物をうまく登場させて、確かにこういう話はあったかもしれない。とうまい演出で、気楽に楽しめる娯楽小説。他の方の感想にあるように、偶然ながらこの作品を先に手に取ったのは正解だったみたい。次は受賞作を読んでみよう。
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「千両花嫁」、見立て屋さんの続編。幕末の不穏な世情のなかで、ほんわかしながら京商人のしたたかさを感じさせてくれる短編集でした。これの続編もまたありそうかな??
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山本兼一さんは、『利休にたずねよ』があまりに良かったので記憶に残った作家だ。それで本書も読んでみようと思った。ところが読み始めるや、これが同じ作家の作品なのかと、驚いてしまった。軽いのだ。『利休にたずねよ』で得たものと同じものを求めるなら、読んではいけない作品だったと後悔した。物語は、幕末の京都で道具屋「とびきり屋」を営む若夫婦が、なにかわけある道具を見立てることになり、目利きしながら、少しずつ成長してゆく姿を描いている。道具を扱う商売を通して、夫婦愛を描いてみせる佳品ではある。(六篇収録)ただ、繰り返してしまうが、『利休にたずねよ』と同じ味わいを求めるなら、本書は読まないほうがいい。
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この作者さんのプロフも知らず、みかけたタイトルで手にとった。幕末の京都で道具屋を営む新婚夫婦の連作(実はシリーズ2冊目らしい)。幕末の有名人がぽちぽち登場するが、あえて名前を出さずに「○○藩のお侍」程度にしてもらったらもっとリアルに感じられたかも。
「一番ええもんひとつだけ買う」「道具を十点買ったら、いちばんよい道具をひとつだけ取り分けて残しておき、ほかの九つを売って利益を上げるようにする」というあたりは何やら他の趣味にもあてはまるような。勉強になります。
もうちょっとのんびりした時代の話だと安心して読めるんだけど、シリーズが続くと歴史の転換点に近づいていくので色々心配。
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「とびきり屋見立て帖」シリーズ2冊目。幕末の京都で道具屋を営む若夫婦。ほのぼのととしていて、道具への薀蓄もあり楽しめるんだが、各話のエピソードは短編の為もあり、やや弱い。芹沢や竜馬も時代の説明に過ぎず、存在感は薄い。まぁ、しっとりした夫婦愛がメインで嫌味のなさが持ち味、わりと好きなシリーズです。
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京都の道具屋の夫婦のものがたり
道具の見立ての話をきちんと書いている
コトは好評かできるし、なにより夫婦の
ありようが最高です
最後のとびきり屋なれそめ物語は
いいですねぇ
この本はシリーズ第2作のようなので
最初の話を借りてこなきゃ!
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やわらかなほのぼのとした夫婦愛が心ひかれる。
歴史上の人物を絡めながら物語を進めていく作者は流石。
「神様にお願いするときはかなえてくれてありがとう」
まさに、これはよかった。
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前作よりも読みやすく感じた。
茶壺の結びなど茶道に関する話が
多くありまたさらに興味惹かれた。
今回も桂や新選組などの偉人の面々も
現れ、またまた面白い展開に…
次作も読むぞー!