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オスカー・ワイルドとキャンドルライト殺人事件 みんなのレビュー

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みんなのレビュー6件

みんなの評価3.6

評価内訳

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6 件中 1 件~ 6 件を表示

紙の本

オスカー・ワイルドのファンもミステリー好きも納得

2010/08/28 09:53

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たそがれシオセンベイ - この投稿者のレビュー一覧を見る

1889年、ロンドン市街に建つある建物の一室で、喉を掻(か)き切られた美少年の惨殺死体が発見される。少年は全裸で仰向けに横たえられた状態で、胸の上で両腕を交差させていた。少年の周りを囲む火のついたキャンドル、部屋には蜜香の匂いが充満していた。
この死体を発見したのは、‘時代の寵児(ちょうじ)’オスカー・ワイルド(詩人、作家、劇作家、作家‐代表作…「幸福な王子」)。少年と知り合いであったワイルドは、友人であるコナン・ドイルの協力を得て、相棒ロバート・シェラードとともに真相究明に乗り出す。ワイルドの周辺に現れる怪しげな人影、なぜか捜査に消極的な刑事、相棒ロバート・シェラードを惑わす女、美少年を中心に怪しげな男たちが集う奇妙なクラブ…

巻末の訳者あとがきを読むと、「本書はイギリスで2007年に発売されるや、たちまち大評判となった、本格ミステリ作品」と記されています。
しかし、この作品ただのミステリ作品と違います。最大の魅力は、絢爛(けんらん)と暗黒が渦巻く世紀末のロンドンを舞台に、名探偵として活躍するオスカー・ワイルドの姿を、ワイルドの残した作品、言動(言葉)からその人物像を造形して‘ワイルドはこんな男だった’と思わせる作者の見事な筆致にあります。ミステリ作品として楽しめるのはもちろん、ワイルドや世紀末文学が好きな読者の期待も裏切ることはありません。

絢爛(けんらん‐きらびやかで美しい)な表の顔と、暗黒(暗い希望のもてない状態)の裏の顔を併せ持つ世紀末のロンドン。ここに萌芽(ほうが‐芽ばえ)する、新しい形の文学、新しい形の恋、新しい形の友情、そして背徳の愛…

コナン・ドイルとオスカー・ワイルドが実際に友人であったという事実に基づき、ドイルに重要な役割を演じさせる物語構成もお見事、ホームズ好きをもうならせる仕掛けが施されています。

いやぁ、久々に‘質が良くて読み応えのある’作品を読みました。訳者のあとがきによると、著者のジャイルズ・ブランドレスはこの作品で成功し、ワイルドを探偵とする作品をシリーズ化し、現在まで3作上梓しているとのこと。読んでみたい!続けて邦訳されることを切に願う作家の登場です。

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紙の本

19世紀末のロンドンを扱うと、それだけで雰囲気が出てしまうんです。そういう意味では、設定が巧い。でも、主人公設定の陳腐なこと、H・G・ウエルズが活躍する『時の地図』には遠く及びません。いや、『時の地図』が面白すぎるのかもしれませんけど・・・

2011/01/20 20:48

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

長いんですが好きなタイトルです。特に〈オスカー・ワイルド〉を持ってきたあたりは、19世紀に郷愁を感じる人間にはピッタリではないでしょうか。別にその時代の生まれではありませんが、私は好きです。ただし、あくまでそれは欧米のお話。日本の、特に明治時代なんて全く魅力を感じません。戦争を汚職に明け暮れる、それこそ今の中国や北朝鮮と少しも変わるところがないし・・・

繰り返しますが、19世紀末のロンドン、というのは対岸から見れば実に魅力的なわけです。名物の霧さえもが、現在より濃密に思えます。ガス灯がともり馬車が行き来する霧の町、そこにあるのはまさに世紀末の退廃、貧しい少年たちと酒に溺れる男たち、そして連続殺人が起きる街、傍で見ている分にはなんともいえない人間臭さが溢れている・・・

だから、フェリクス・J・パルマ『時の地図』なんていう素晴らしい小説も生まれるわけです。もう読者の勝手な思い込みの世界ではあります。そこで起きたのが、美少年殺し。美少年といえばまさに〈オスカー・ワイルド〉の世界、とはこれまた、ワイルド作品を全く読んだことのない私の思い込みではあります。その物語について、カバー折り返しには
          *
1889年、ロンドンのとある建物の一室で、周
囲をキャンドルに囲まれ、喉を掻き切られた、
美少年の惨殺死体が発見される。第1発見者
は、「時代の寵児」オスカー・ワイルド。少年
と知り合いであったワイルドは、コナン・ドイ
ルの協力を得て、友人であるロバート・シェラ
ードとともに真相究明に乗り出す。するとワイル
ドの周辺には怪しげな人影が出没し始め、や
がて奇妙なクラブの存在が浮かび上がる……絢
爛と暗黒が渦巻く世紀末のロンドンを舞台に繰
り広げられる、華麗なるミステリ。
          *
とあります。事件の謎を解く探偵役は詩人・作家でもあるオスカー・ワイルドで、助手の役を勤めるのは、ワイルドと同じ作家で、友人でもあるロバート・シェラードで、この物語の語り手でもあります。そしてその捜査に協力するのが医者で作家でもあるアーサー・コナン・ドイルとなります。『時の地図』ではH・G・ウエルズが重要な役を行いますが、ドイルといいウエルズといい、実にいい登場人物ではありませんか。

ただし、小説の面白さという点では、残念ですがこの作品、『時の地図』に遠く及びません。いや、『時の地図』のほうが面白すぎるといっていいかもしれない。特に人間の動きの小説的な自然さでは、正直『時の地図』に遠く及びません。それはブックカバーにも言えて、装訂者 長澤均+建山豊(papier colle)の仕事は、影山徹+ハヤカワ・デザインの仕事にセンスで全く及びません。

影山徹といえば、国書刊行会が出す探偵小説全集のカバー画を多く手がけています。リアリスティックでドキュメントタッチのカバーがこの小説に本当にあっているのか、どうも昔読んだスティーブン・ナイト『切り裂きジャック最終結論』を連想してしまう。フィクションにはフィクションに相応しい装いがあるんじゃないでしょうか。もっと面白くなってもおかしくないのに・・・

最後に味気ない目次を写しておきましょう。

ロバート・シェラードによる未発表の思い出の記より

1 一八八九年八月三十一日
2 一八八九年九月一日
3 カウリ―・ストリート二十三番地
4 ストランド街のシンプソンズ
5 ロンドン警視庁のフレイザー
6 一八八九年九月二日
7 一八八九年九月三日
8 ザ・カースルの秘密
9 窓際のキャンドル
10 一八八九年十月十六日
11 ヴェロニカ・サザーランド
12 一八八九年十月十六日~十一月五日
13 一八八九年十一月六日~一八九〇年一月二日
14 ビリー・ウッド
15 一八九〇年一月三日
16 「追伸を見たまえ」
17 一八九〇年一月二十五日
18 「どこに血がある?」
19 一八九〇年一月二十七日
20 アシュフォード駅
21 一八九〇年一月二十七日~二十八日
22 春のパリ
23 一八九〇年一月二十九日
24 一八九〇年一月二十九日~三十日
25 「祝祭日と誘惑」
26 エンドゲーム
27 事件の終わり
28 追伸

略伝 署名なし
謝辞 G・B
ロンドンとワイルドとドイルと 河内恵子

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2011/01/15 19:55

投稿元:ブクログ

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2011/05/23 20:57

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2010/07/29 09:43

投稿元:ブクログ

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2017/11/03 10:14

投稿元:ブクログ

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