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西條さん得意の時代人情もの最新刊。設定は
小悪党ばかりが集って暮らす長屋。その小悪党達は
裏の稼業を知られない為に、日常と表の稼業に
勤しみ、結果周囲からは善人の集まり...「善人長屋」
と呼ばれる皮肉な事に...w。
その長屋にひょんなキッカケと勘違いから新たな
住人となった根っからの善人「加助」が次々と
やっかい事を持ち込んでくる...。
というなかなか面白く鉄板的な設定。
なんだが、読んでいて意外と熱くならない。むー。
なんでだろ?長屋住人達のピカレスク的な活躍を
期待していたのですが、思った程派手じゃないから?
でも時代ものだしね...。と自分を言い聞かせて読んで
いました。こういったものは長編の方が、
思い入れ出来ていいのかも?
最後の書き下ろしの連作2編はストーリーを
締めくくるに相応しいド人情なほっこり感を
与えてくれます。加助の異常なまでの
お人好しっぷりの謎もきっちり証して大円団。
この展開で一冊にしても良かったのにねー。
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質屋千鳥屋が差配をつとめる、千七長屋に暮らすのは、実は、泥棒、スリ、情報屋、美人局など、裏稼業を持つ
悪党ばかり。なのに、表稼業をこつこつと地道にこなす姿から、皮肉なことに、世間からは、善人長屋と呼ばれ
ている。
この善人長屋に、ちょっとした行き違いで、堅気の錠前屋の加助が暮らすことになる。人が良くて、真っ直ぐで
、お人好し。困っている人のことをほうっておけない加助は、次々と問題を持ち込んでくる。裏の顔を持つ人々
だけど、人の情に熱く、困っている人がいれば、助けてやりたいと思う江戸っ子気質。加助の純粋な思いにも押
され、力をあわせ、ただし、裏稼業のプロ技を発揮して問題を解決していく。悪が悪を倒していく物語。
善人長屋に暮らす人たちの群像劇。
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西條さんらしい?期待通りの人情物でホワッとさせていただきました!
続でお縫いちゃんと分さんのこれからもあるといいな。
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この長屋、ただものじゃない! “真面目で気のいい人ばかり”と噂の「善人長 屋」。しかし陰に回れば、大家も店子も裏稼業の凄腕揃い。そんな悪党の巣に、根っ からの善人、加助が迷い込んだ。人助けが生き甲斐で、他人の面倒を買って出る底な しのお人好し……。加助が持ち込む厄介ごとで長屋はいつも大騒動、しぶしぶ店子た ちは闇の稼業で鳴らした腕を揮う!
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表題作のほか「泥棒簪」 「抜けずの刀」 「嘘つき紅」 「源平蛍」 「犀の子守歌」 「冬の蝉」 「夜叉坊主の代之吉」 「野州屋の蔵」
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九つの「千七(せんしち)長屋」の面々が関わる連作物語である。
千七長屋は、善人長屋というふたつ名を持つほど、善人と評判の高い面々が住まっている。が、実際のところは表の善人ぶりからは想いもつかない裏稼業にも精を出しているのだった。そんなところへ、ちょっとした手違いから紛う方なき善人の加助が店子に加わり、彼が持ち込む善人ゆえの厄介ごとに長屋の連中が巻き込まれるのである。
裏稼業で悪事を働いているとはいっても、長屋の面々はみな味わい深い人柄で、差配の千鳥屋儀右衛門を芯にした結束の固さは見ていて気持ちがいい。江戸の風物と共に、人情と小気味よい謎解きが愉しめる一冊である。
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「善人長屋」という評判の長屋。実は差配も店子も裏稼業を持った小悪党なのだが、そこにお人好しの加助が流れ着く。火事で女房と子どもを亡くしたという加助が持ち込む「人助け」の騒動に、長屋じゅうが巻きこまれて・・・・。
「善人」と「悪人」なんて、すっきり割り切れるものではない。義憤に駆られて「人助け」に手を貸す差配の娘・お縫の気性は好ましいが、その先まで考えて慎重になる親の気持ちがよくわかる。自分たちがいる間はなんとでもする覚悟はあっても、その先は? 事件は解決しても、人はその後も生き続けるのだ。
収録作品
善人長屋
泥棒簪
抜けずの刀
嘘つき紅
源平蛍
犀の子守歌
冬の蝉
夜叉坊主の代之吉
野州屋の蔵
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短編9編。とくに最後の2編が最高。マンネリ化しない程度に続けていっていただきたいんですが、ゴメスシリーズもお願いします。
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「はむはたる」に続き、江戸の世話物人情物と知り楽しみに読みました。大家をはじめ、実は裏稼業を持つものばかりが集まる長屋。本業がバレてしまわないように注意深く身を慎んだ結果「善人長屋」なんていう皮肉な通り名で呼ばれることに。
そこへ一人のお人良しが紛れ込んでしまってさあ大変。本物の善人が次から次に厄介ごとを持ち込んできて…。
おもしろかったー!短編連作ですが、ひとつひとつのお話の純粋な痛快さももちろん、最後のお話で語られるその善人の正体。この西條奈加さんて方の、登場人物の掘り下げ方がとても好きなんですが、今回も期待を裏切られませんでした。
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「善人長屋」「泥棒簪」「抜けずの刀」「嘘つき紅」「源平蛍」「犀の子守唄」「冬の蟬」「夜叉坊主の代之吉」「野州屋の蔵」の9編を収録。
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いやぁ、西條さんの人情もの時代小説はいいですね!ゴメスシリーズのような派手さはないけど、ほっこり和めてちょっと泣ける、いい塩梅の短編集だと思います。長屋の住人みなキャラが立ってていいですが、私は特に文さんが好き^^あの兄弟の苦労話とか、お縫ちゃんとのその後なんかも読んでみたいです。
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小悪党ばかりが集まった長屋についた名が「善人長屋」。
そこにひとりの「善人」が住み始める。しかしこの善人、次々に厄介ごとを持ち込んでくる。
連作。いろんな騒動がおもしろすぎた。ラスト2編は秀逸です。
縫は文さんとさっさと一緒になればいい。かわいかった。
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善人ばかりが住むという千七長屋、通称善人長屋の面々は、実は揃いも揃って悪党ばかり。悪事に手を染める分、善行を行うというわけだが、そんなところへ正真正銘の善人が間違って越してきた……。
よくあるネタと言えばよくあるが、時代劇ではちょっと見ない話。出ている面々も面白いが、一冊しか話がないので全員が大活躍というわけにはいかない。
でも、この人の話は相変わらずレベルが高いと思う。
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小悪党たちのみが住まう長屋は、裏の顔を持つうしろめたさから行った善行がもとで善人長屋と呼ばれている。そこに一人の本当の善人が紛れ込んだ為に起こるトラブルを小悪党たちが裏の家業をつかって解決する数々の人情物語。なんだかんだで人の善い悪人たちが振り回されてながらも善行を行う姿が楽しかったです。そして最後の結末への持っていき方。ほろ苦いながらも、希望の見える展開が素晴らしかったです。
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また西條さんを読んでしまいました。
おもしろかったです。
すっかり私、勧善懲悪モノが楽しくなる年頃なのかなとか思ったり。
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さっぱりと奥深い人情が沁みる話。長屋のそれぞれの住人が得意分野の力を合わせて善行(?)を働く。最後、親子3人が再び一緒に暮らせるようになるかと思いきや、そうはならない展開が予想外だったけれど、安易なハッピーエンディングにならないからこそ、良い余韻が残ったと思う。
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善人ばっかりだ、って言われてるこの長屋の、
裏家業持ちの皆さんが、悪を懲らしめる物語。
なような。
どんな人達が出て来るのか、楽しく読みました。
だけど、思った以上にちょっとほろ苦い読後感。
これからの長屋の活躍も期待したくなりました。
でも、ゴメスの続きも読みたいなあ。