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塩野七生の十字軍シリーズの序章。
19世紀の歴史作家フランソワ・ミショーの文章に、版画家ギュスターヴ・ドレが描いた十字軍の挿絵を集めた版画集。
ただし本書の解説文はミショーではなく、塩野七生。
塩野七生が『ローマ人の物語』シリーズ、次いで『ローマ亡き後の地中海世界』に次いで描く『十字軍物語』シリーズの序章。
そのため序文には、作者による『十字軍物語』全体の構成が説明されています。
これまでにも『神曲』や『失楽園』の挿絵を描いてきたドレの版画により、十字軍の戦いが視覚的にも楽しめるうえ、物語全体のあらすじが判ります。
十字軍の歴史を学ぶうえで、最良の入門書でしょう。
ニン、トン♪
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全部で8回にも及んだ十字軍。これは、3巻ある塩野七生の『十字軍物語』の序幕。表紙にもあるように、この巻は全編をG・ドレの挿絵を用いて構成されている。ドレは『ドン・キホーテ』や、『失楽園』などで知られるが、ここでもなかなかの迫力と、あたかも見てきたかのような描写力だ。予告編としては、随分と贅沢なもの。
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十字軍の概要を1時間もかからず把握出来る。しかし19世紀後半の画家ギュスターヴドレの画力には衝撃を受ける。まるで当時その場で描いたかのようなリアリティには目を見張る。十字軍により興味が湧いた。
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ギュスターヴ・ドレの絵に地図と解説(絵の示す状況に関する解説)がつけられた本。
十字軍の歴史、良く分からない…から手に取ったのだが、イメージをふくらますのには丁度良かった。
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約200年に渡る十字軍遠征の世界観が、ギュスターヴ・ドレの絵と塩野七海の解説で分かる。キリスト教側での視点での絵になってしまうが、ギュスターヴ・ドレの作品の多さは圧巻。でもダンテの神曲のほうが迫力あったかな。
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塩野七生氏はこの本を先に読んで(見て?)から本文の3巻を読むように勧めている。
オペラの序曲のように。
だが、ヨーロッパ史、特に十字軍について基本的な常識(?)がない者にとって、この本だけではあまりピンとこないだろう。
やはりぼくのように、先ず第1巻の「第一次十字軍」を読んだ後のほうが正解じゃないだろうか。
既に読んで得た細かい知識を持って、これから起こる未知の流れから十字軍の全体像を掴むには最適であろう。
地図と挿絵と短い説明文で見開きページが構成されているが、地図はあまりにも大雑把で繰り返しが多く、ある程度はしょって説明文をもう少し長くしたほうが良かったのじゃないだろうか。
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読書録「絵で見る十字軍物語」4
著者 塩野七生
絵 ギュスターヴ・ドレ
出版 新潮社
p120より引用
“ 国家の弱体化は、外的要因よりもずっと
高い割合で、内的な要因によるものである。
言い換えれば、国内の混迷が国全体の力を弱
めるのだ。”
古代ローマや中世ヨーロッパに関する多く
の著作を持つ著者による、長年に渡る宗教対
立を描いた一冊。
聖地巡礼に関わるいざこざから始まり歴史
に残る大きな戦まで、地図と美しい絵を使い
描かれています。
上記の引用は、ビザンチン帝国皇帝が親族
に殺されたエピソードについて書かれた項で
の一節。
味方同士で諍いあっていると、敵に横っ面を
叩かれることになってしまうので、いかに
味方同士で争わないかが大切なようですね。
日々の気持ちの平安を求めるであろう宗教
によって、諍いが起こってしまうのはなんと
も複雑なものです。
平和を唱えながらも、やたらと暴力的な言動
を繰り返す人が現代にもいるようですが、こ
ういう歴史をいつまでも繰り返さないために
も、よく考えて行動したいものですね。
ーーーーー
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ギュスターヴ・ドレの挿絵による十字軍の全史。世界の二大宗教の激突が約200ページにわたり描写され、最後は1571年のレパントの海戦で幕を閉じる。本書の位置付けは序曲とのこと、詳細は、第一幕へ。
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あまり馴染みのない十字軍だが、ギュスターヴ・ドレの挿絵により概略を楽しめる。
地図を多めに掲載されているので、地理感が分かってよい。
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これは著作のプロローグ。素晴らしく精巧な100枚に及ぶ版画について簡単に解説を加えるだけのシンプルな構成なのであるが、約200年におよぶ十字軍の遠征を時空を越えて一足飛びで把握することができる。ここで興味をそそられたならば、本編を読まざるを得ない一気通貫の流れに乗ったも同然だろう。
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11世紀半ば、聖地エレサレムをイスラム教徒の手から取り返そうと
ヨーロッパのキリスト教徒たちが行軍を開始した。
これが、有名な『十字軍』である。
キリスト教もイスラム教も、
自分たちの信じる神以外の神は認めないとする共通点があった。
だからこれは、お互いの神を旗印に掲げた、宗教戦争だったのだ。
「神がそれをのぞんでおられる」という言葉をかわきりに、主に民衆が集結した「第一次十字軍」が始まり、武装した騎士団を中心とした第2次、第3次、第4次と何年かごとに、十字軍の遠征は続く。その間の数多いエピソードや英雄伝、文化の交流など、十字軍の果たした役割は大きいようだ。
また、宗教に没頭する人々のエネルギーもすごい。
一つのことを一途に思う民衆の力は計り知れないものだと感心する一方で恐ろしくも思った。
1571年の「レパントの海戦」でこの宗教戦争が終結するが、
最初から500年もの歳月をかけているのだから…。
著者はこの本を筆頭に、十字軍の歴史を物語る三部作を書いている。
十字軍に興味があっても、全部読み通すのは、なかなか根気がいるなと思っていたところ、この本1冊で十分に十字軍の世界を楽しめた。
まず、その構成。
ページを開くと、左側にギュスターヴ・ドレの版画絵。
右側の上部に、遠征地図。下部に一話完結のエピソードとなっている。
絵本のようなわかりやすい構図がずっと、、
8ページから204ページまで続いていくのだ。
ギュスターヴ・ドレの名前を私はここで初めて知ったのだが、
彼はその独特な技法で「聖書」や「神曲」「ドン・キホーテ」の押し絵画家として成功し、19世紀のビジュアル・アーティストになったという。
その版画絵を見ているだけでも、十分に十字軍の状況が伝わってくる。
物語の残酷さや政治・宗教がらみの胡散臭さも感じられ、
ひょっとすると、『十字軍物語』は読まなかったかもしれないが、
ドレの版画絵はとても魅力的だった。とても美しい歴史絵本だと思う。
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タイトルに偽りはないが、さすがに薄すぎる。以降のシリーズのはしりとして全体観を示すために、ギュスターヴ・ドレの連作に簡単な解説を書いて並べた本。ではあるが、十字軍遠征に対する約200年の総評があるわけではなく、絵の1枚1枚に、ごくごく短い、状況の説明がついてるだけ。本というか画集?最終的な評価はシリーズを読み終えてからするべきだろうが、現時点では単品で買って見る必要はないだろう一冊。
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ローマ法皇がエルサレム奪還したらみんな
天国に行けると扇動し食糧を奪い殺戮を繰り返し
てゆく第一回十字軍。
その後約200年に渡たる一神教を信仰する
キリスト教VSイスラム教が争いが
野蛮な西ヨーロッパの人達の狂気と
内紛ばかりのイスラム世界が
ドレの絵を通して知れました。
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この本で唯一の写真であるフリードリッヒの彫像が最も心に残った。
血を流さずに十字軍の目的を果たしたために、同胞から蔑まれた第六次十字軍指揮官。彫像はキリスト教徒の手によって無惨に傷付けられている。
現代的な価値観では最良の成果を出した人物が、こんな評価を受けたとは。
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元々はこちらが出版されてから十字軍物語が出たようですが、物語を見てから読むことになりました。でも、筋を把握してからドレの絵で見るのも楽しかったです。ドレの描いた十字軍の挿絵はたくさんあるらしいのでもっと見たかったです。