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2011年「このミステリーがすごい!」第2位の作品。貧しい家庭に生まれた耳の聞こえない娘イヴ。家庭内暴力をふるう父親と、ほとんど反抗しない母親。母親とイヴが教会で出会った、神を信じないフラン。その時から、彼女たちは運命に対して立ち向かうようになる。
この作品は、ミステリーという範疇を超えて、人生を考えさせられる作品
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耳の不自由な少女が主人公です。人間の中にあるどうしようもない悪と道徳のお話です。全ての始まりは恐れなんだよね、逃げるな目を逸らすなってことなんだよね。キリスト教の原罪を題材にした作品はたくさんあるけど、これはなかなか面白かったな。
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女達の共感と連帯の話。血のつながらない女達の強い連帯は、氷の家を思い出す。そして名作ドラマ、Band of gold も。耳の聞こえない少女の凛とした強さは、エレナのために、にも近い。一人一人は弱くても連帯する事で強くなる…虐げられた人間の底力が圧倒的。
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すさんだ、恵まれない状況の中で生きていく女性たちの物語。
世の中は常に非情で不公平であるけれど・・・。
イヴとチャーリーが出会い、愛し合うようになる箇所はもちろん、そこかしこに現れる心情の描写が素晴らしい。書きとめておきたくなる文がたくさんあった。
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生まれつき聾者の少女とその母親、ナチスの迫害にあったキャンディストアーの店主が救いようのない困難の中で、強さを宣言する物語。単純なストーリーだが、構成や描写が素晴らしく、読み応えのある小説となっている。ただし、同じ作者の「神は銃弾」と同様、好きな味の小説ではなく、★は4とした。
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これは最高。最近の中ではダントツ面白い。
翻訳もの慣れしていない人には多少とっつき難いかもしれないが是非読んで欲しい1冊。
クラリッサ、イブ、フランの3人の女性を中心とした人生ドラマ。
もの暗く、絶望的な暮らしの中に見え隠れする希望の光がいじらしい。
ミステリ的要素は少なく、心情の機微を楽しむ作品。ぐっとくる場面にいくつも遭遇できる。
設定は全く異なるが、デニス・ルヘインの『運命の日』の雰囲気を思い出した。確かあれも舞台はブロンクスだったような。
■このミス2011海外2位
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私の評価基準
☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
☆☆ 普通 時間があれば
☆ つまらない もしくは趣味が合わない
2011.2.21読了
原題がWOMANとある様に、少し前のブロンクスで、育て、守り、成長し、そして、戦って生き抜いて行く女性たちを描いた作品。
女性の本当のハードボイルドは、こういう事だ。
北上次郎氏の評を借りれば、凛々しいヒロインを力強く描いている小説です。
男性のハードボイルドのヒーローは、どこかグダグダな所があって、弱点がたくさん有るもんですが、この女性たちは、酒も煙草もやるし、とんでもないハンディキャップを背負わされているが、凛として、どこまでも強いし、優しい。というか、女性には、あれぐらいのハンディキャップがなければ、ハードボイルドが成り立たないのでしょう。
とても、いい小説でした。元のタイトルも、そのものズバリで素晴らしいですが、邦題も、意味を含んでいて、なかなかいいです。でも、サスペンスと誤解するかな。
しかし、ボストンテランの作品は、神は銃弾でもそうだったのですが、修飾過多で、翻訳の影響かもしれませんが、入り込みにくいんです。特に、この小説のようなものでは、すごくジャマに感じられます。そういうのは、ここぞと云う時だけにしておいて欲しかった。
あの監督辺りで、映画化されることを楽しみにしています。
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2010年の「このミス」第2位。いわゆるミステリではないと思いますがストーリーを読み進めたくなる作品。
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ボストン・テランだけど、このミスだけど、
ミステリーじゃないんだと思う。
とある女性たちの物語。
自分を産んだ女性、育てた女性、自分が守りたい女性。
そして纏わりつく男たち・・・。
どうしようもない連鎖の物語。
読み終えたら、「神は銃弾」を読みたくなった。
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僕の中でのボストン・テランは、詩的表現が凄すぎて、結局どんなストーリーだったっけ?みたいな感じでしたが、本書は読み易くって、若干の拍子抜けだったかも。
わりとタンタンと進んで行きますが、後でグイグイ来て、徐々に詩的表現がでて来て、最後の方は満足感ありました。
しかし、果たしてこれがミステリーなんだろうか。ある人に言わせれば「ミステリーとは、自分探しの旅」らしいので、そうであるならば、これは間違いなくミステリーだろうね。
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「神は銃弾」が有名なボストン・テラン。
こちらも、やや作風は違うようですが~このミスなどでも評価が高い作品。
鋭い描写で完成度高いですが~
辛い話なので、ちょっと一時中断…
他の本を読んで一息入れてから読了しました。
イブ・レオーネは生まれつき耳が聞こえない。
母のクラリッサは美しかったが、夫ロメインに虐待され、イブのこともクラリッサが悪いとされて、夫婦関係は悪化。
ロメインは麻薬密売の隠れ蓑に娘を利用する有様。
娘を学校に行かせたいと悩んでいたクラリッサは、手話を使っていた知的な女性フランを見かけ、勇気を出して声を掛ける。
聾唖者の学校を両親が経営していたために手話が出来るフラン。伯父が遺したキャンディストアを経営する自立した女性。
じつはナチスに聾者の恋人を殺され、自らも手術を受けさせられたという凄惨な過去があった‥
イブはカメラを貰い、写真家としての才能を次第に開花させていきます。
父が刑務所に入ったために、聾学校ではいじめられますが‥
最低というか危険な男共が複数出てくるために、女と子供の運命は恐ろしい試練にさらされ、絶望と怒りがこちらにもずしっと迫ってきます。
何をされるかと怖がっているとそれが起きてしまうんですが、そこで決して負けはしない女たち。
イブにはチャーリーという優しい恋人も出来ます。
混血のチャーリーは黒人のドーア夫妻が里親となって育ててくれ、さらに引き取ったミミという女の子を妹として可愛がっていました。
ところがミミの父親ロペスというのがまた・‥
フランに守られたように、ミミを守ろうとするイブ。
みんなを守ろうと父の家に出向く幼いミミの勇気。ロペスには甘い母親が孫のミミはこんな所に来てはいけないと返してきます。
近づかないように裁判所命令をとるが、それでも‥
痛切な愛と烈しい勇気の物語。
すごい迫力でしたー!
著者はサウスブロンクスのイタリア系一家に生まれ育つ。1999年作家デビュー。本書は第四長篇。
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ボストン・テラン著【音もなく少女は】読了。貧困層でうまれた耳の聞こえない少女が、カメラを触媒に世界と繋がっていく物語。エンディングシーンを始め、ストリー展開は映画を見ているような気にさせられた。ただ、いかんせん外国人作家だけに作品に引き込まれて読み進むのに時間を要した。
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翻訳小説は苦手です。作家のクセを翻訳家が見えなくしてしまい、物語として理解は出来ても、奥深い場所までの到達が難しいから。
でも何年ぶりにか楽しめた海外小説になりました。
最初はありがちな展開に始まり、マイノリティを抱え不条理さを前面に生き抜く少女「イヴ」。そして女性自身を強く描く場合に必ず登場する、低脳低堕落な男性「ロメイン」。ありがちだなと読み進めてみる。
暗くて行き場の無い混沌とした世界を見るが、クラリッサからフラン。そしてイヴへ引き継がれる女性の力強さが、小さくも消えることの無い光として道筋を描き、海外小説アレルギーぎみの私を引き込みました。
たぶん世の中が変ろうとも、この女性が持つ光は消えることは無い。だから沢山の書物の題材として使われるのだと思う。
我々男性はこの部分で女性に惹かれ、この本を称えるに値すると感じるのだと思う。
正直、続けて読んだ八日目の蝉よりおもしろかった!
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ミステリーは娯楽として読みたい私には不向きな一冊だった。荒唐無稽でも、ドンデン返しだけがとりえでも楽しければいい。なので、本作のようなテーマが重くて後味が悪いのはちょっと。。。筆力があって描写も現実味があるので評価が高いのは納得。昔でいえば本格に対する社会派みたいな感じか。
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