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子供のとき「最後の事件」を読んで、ホームズが宿敵モリアティ教授もろともライヘンバッハの滝壺に落ちる下りを読んだときの衝撃たるや、凄まじかった。ウルトラマンがゼットンに負けたときよりも、千代の富士が引退したときよりも衝撃だった。当時ロンドンの人々が喪服を来て歩き、ホームズの死を悲しんだというのもわかる。しかし、解説を読み、『シャーロック・ホームズの帰還』で見事復活を遂げることを知ると、私は狂喜乱舞した。もちろん、矢も盾もたまらず『〜帰還』を買い求めたのは言うまでもない。
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「シャーロック・ホームズには兄ちゃんがいて、英国政府の重要な仕事をしているらしい」というのをどこかで読んで(例によってどこだったかは忘れた)、ふと興味を引かれたので、当該本を読んでみた。
ホームズ物の2冊目の短編集とのこと。
読み始めてみると、あれ、オレってホームズ物をまともに読むのは初めてかも、と思い当たる(児童文学とかでしか読んだことがなかったかも)。
大人向けの(?)ホームズの人となりが描写されているが、事件に関わっていない時はほとんど引き篭もりであるとか、その割に拳闘を能くするとか、カン高い声でまくしたてるとか、時にはコカインなんか嗜んじゃったりするとか、これまで抱いていた一本調子なホームズ像には、若干の軌道修正が必要になった。ワトスン君との隠微な関係(?)なんかにも想像が行かないではいられません(笑)。
舞台も翻訳も古っぽくて大時代的(それもそのはず、発表は1890年代。この新潮文庫版も昭和28年発行、平成25年6月現在で113刷)なんだけど、その推理のロジックや解決の満足感なんかはほぼ色あせていないように感じる。例の「モリアティ教授との最後の闘い」なんかもこの短編集でのできごとだったし、意外に面白く読めた。
ところでシャーロックの兄ちゃんはマイクロフトといって、推論力はシャーロックより上で、行動力は下で、体がデカイ(というより肥満)らしいデス。
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『シャーロック・ホームズの冒険』が初の短編集ということもあるせいか、「まだらの紐」、「赤毛連盟」といった名作群を設えているのに対し、ここではその流れで冒頭に収められている「白銀号事件」がそのエッセンスを受け継ぐのみであって残りは特に可もなく不可もない。
これはドイルがシャーロック・ホームズシリーズに嫌気がさしていた証左であろう。
そしてもはや本格物ではない「最後の事件」でホームズを葬り去ろうとしたのだが…。
内容はともかく、本作はそんな作者の苦悩が窺われて興味深い。
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海軍条約文書事件の朝食シーンは思わずニヤッとさかてしまう。ホームズの遊び心がよい。
最後の事件は、、、なんとも言えない気持ちになる。
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『黄いろい顔』が優しい話でほっこり。愛に溢れてて心温まりました。
『株式仲買店員』は展開が予想外すぎてどんどん読み進めてしまった。パイクロフトさん...勝手に名前使われて本当にただの被害者。
ホームズ兄の登場する『ギリシャ語通訳』ではなんだかホームズが二人いるみたいでワクワクしました。
『最後の事件』ホームズがワトスンへどんな事があったのか話してるだけなのに、ドアの前にモリアティ教授が立ってたと聞いた瞬間ドキリと私も怖くなった。モリアティ教授がどんどん迫ってくるスリルさもあり、結末が有名で先を読み進めたいような読みたくないようななんとも言えない葛藤に苛まらながら読みました。こんなピンチに頼るのが兄マイクロフトなのがまた人間らしくて...。こんなにも有名な話なのに最後が呆気なさすぎて、それがまたホームズらしくてかっこよかった...。
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ドイルがシャーロックホームズシリーズを終わらせに行ってるだけあり、他の作品より少し雑な印象を受けた。というのも、株式仲買店員ではトリックが赤髪組合とかなり類似している。他にも背中の曲がった男では被害者が実はかなりの悪人で、読者が犯人に肩入れするような構成となっていたが、そのシナリオとしては緋色の研究にも似通っている。
マスグレーヴ家の儀式を高評価している人をたびたび見かけるが、トリックというほどのトリックもなく「え?ホームズの推理云々以前に儀式の記述通りに色々試せばよかったんじゃない?」という話だし、犯人があっけなく共犯者に殺されてしまうが、殺された理由も不当すぎるというか動機としてあまりしっくりこないものだった。
ただ、ギリシャ語通訳ではシリーズ通して有能なキーキャラクターのマイクロフト・ホームズが現れるのでその点は要チェックとも言える本。ギリシャ語通訳自体はかなり面白かった。ハラハラ感や物語のオチの部分が凄まじい。ソフィ・クラティデスは劇中で大した活躍やインパクトを残さなかったが結末で一気にキャラの色を濃くした。アイリーン・アドラーやヴァイオレット・ハンターのように一筋縄ではいかないような腕っ節の強い魅力的な女性だった。
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「最後の事件」に登場するモリアーティ教授を興味を持って「シャーロック・ホームズ」シリーズを読み始めたので、読めて幸せでした。
どんな事件であっても、冷静にある種飄々と推理を進めるホームズが、対モリアーティ教授となった時のピンチ感にハラハラしました。
「最後の事件」に限らず、どの短編も30ページほどで短いのですが、論理的な説明や不可解な出来事がみっっっちり詰まっています。オススメです。
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シャーロック・ホームズの思い出
は、読みたい短編が入っていたので、購入しました。
「最後の事件」
今まで読んだことがなくて、読みたいなと思っていました。
ただ、すべて飛ばして読むのもな、と思い、最初のお話から順番に読んでいきました。
この本の中で、心に残っている話も、何本かあります。
「白銀号事件」
名馬の奇怪なる失踪と、その調教師が惨殺された事件。
「マスグレーヴ家の儀式」
ホームズが学生時代の同級生の依頼で調べることになる失踪事件。
「入院患者」
この話は人が亡くならないミステリー。
そして、
「最後の事件」
ご存じの通り、シャーロック。ホームズ最後の事件。
短編集なので、思った以上にゆっくりと読み進めてしまい、すべて読み切るのに、大分時間がかかってしまいました。
が、そうすると心に残る話と残らない話が出てきます。
残る話は、映像になって脳の中で思い出されます。
自分の好みの話は、やっぱり心に残りますね。
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ホームズ界でも話題の「最後の事件」、
ちゃんと読んだことはなかったので
この短編集で諸々の事件の後、初めて読んだが
騒がれるのも納得の内容だった…
「え、嘘…!」と衝撃で検索をかけて
コナン・ドイルの思惑や悩みだったり
その後の展開について先に知ることに。
流石に寂しかったので少し安心。笑
でも綺麗な終わりだったし
これで物語が終わったとしても
違和感は無かったんじゃないかなあ、とも。
某反逆のアニメ然り
ストーリーの終焉以上に
キャラクターの最期が一番心にくるので
復活を望んだ心理も酷く理解出来るモヤモヤ…笑
あまりに衝撃だった「最後の事件」を除けば
「グロリア・スコット号の事件」が一番好き。
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シリーズ初読作品。かの有名な宿敵モリアーティ教授が登場するが、具体的な事件の詳細等がほとんど記されないとは。宿敵との対決というと、どうも金田一少年vs地獄の傀儡師みたいな派手な事件を想像していたので拍子抜けだった。あっさりライヘンバッハの滝に消えてしまうが、『帰還』を先に読んでいるので安心して読了。まっさらな状態で読みたかったが、コナン君からホームズに入ったので無理か。
『マスグレーヴ家の儀式』や『入院患者』、『ギリシャ語通訳』、『海軍条約文書事件』など面白い短編ばかりだった。
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個人的には『白銀号事件』が一番好き。
それ以外は正直あまり楽しめなかったが、探偵小説の基礎を築いたという点で歴史的価値はとても高いんだろうなと感じる。
〈収録作〉
白銀号事件
黄いろい顔
株式仲買店員
グロリア・スコット号事件
マスグレーヴ家の儀式
背の曲がった男
入院患者
ギリシャ語通訳
海軍条約文書事件
最後の事件
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名作揃いで探偵の初仕事や、兄が出てきたりや、有名な最後の事件など盛り沢山。個人的には海軍条約文章事件が好き。
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ホームズにお兄さんいたの!
しかもホームズより凄い?
でも、行動力は無いのね…
「最後の事件」のモリアティとホームズの知恵比べはもっと見たかったですね。
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ホームズが探偵になるきっかけとなる事件となった「グロリア・スコット号」やホームズとモリアーティ教授のライヘンバッハの滝での最終決戦など10編からなる短編集。どの作品も面白く楽しむことができたが、ホームズの推理が外れた「黄いろい顔」や最初にも書いたが、ホームズの探偵を始めるときっかけとなった「グロリア・スコット号」そして中でも有名な「モリアーティの破滅が約束されるのであれば、僕は公共の利益のためにホームズ自身が破滅することも喜んで受け入れよう」というかっこいいセリフを聞くことができてよかった。
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シリーズ順によんでいるのですがこれまでで1番シャーロックホームズのキャラクターの魅力とワトソンとの仲良し具合が感じられた一冊でした。
ホームズかわいい。
19世紀なのでもちろんDNA鑑定などなく、それゆえ推理の自由度が高かったり、植民地など当時の歴史的背景が色濃く反映されているところが現代人にとってはプラスで面白い。
児童文庫で読んだときは多分カットされてたホームズの社会不適合者っぷりにはまってしまいました。