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神道司令後、国家機関としての地位を失った神社神道ではあるが、神社本庁の活動を追っていくと、国家と天皇を主要主題として掲げている事がみえ、天皇崇敬の強化を目指していることが分かる。
国家神道は大別して形成期(祭政一致)、確立期(大教宣布の詔)、浸透期(教育勅語)、ファシズム期があるが、徐々に段階を上げて、江戸末期のバラバラたった国民を天皇や国体思想を用いて統御するはずが、時間を掛けて育った下からの圧力が強くなり、コントロールし切れず戦争へ突入していく。
この歴史を踏まえると皇室祭祀は未だ続いているし、神社本庁の本義も第二次世界大戦下と変わっていない、下火にはなっているが、絶えず涵養されている国体思想、天皇崇拝というのは危険じゃないかと筆者は述べている。筆者の言う通り、先の大戦を省みるならば、天皇崇拝を標榜する神社神道及び、天皇制は完全に解体されるべきであったと思った。