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非常に面白いかった。
文章もうまく分かりやすい。どのような証拠をもって住宅市場の下落を読んだか、資金集めの苦労や運用での顧客投資家とのやり取り、相対する投資銀行との駆け引きの様は生々しく描かれている。
ブログでの紹介:
http://money-learn.seesaa.net/article/176723522.html
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今さらですが、サブプライム問題とは何だったのかが、金融の素人にもよくわかりました。読み物としても面白いと思います。
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しかし、こんなCDSをいったい誰が売ってくれたのか? そもそも格付け会社はなぜトリプルAなんていう格付けをつけたのか? そしてトリプルAだというだけで何の分析もせずにそんな債券を機関投資家はなぜ山のように買ったのか? そして住宅バブル崩壊による金融危機により、なぜ世界中の金融機関は住宅市場の規模からは考えられないほどの莫大な損失を出したのか? 僕が今まで読んだ本にはこういった根源的な疑問に対して、腹に落ちる答えが書いてありませんでした。しかしマイケル・ルイスのこの本を読んで、全てが具体的に、生々しくわかりました。重要な現場のプレイヤーたちがノン・フィクションとして実名で登場します。数十億円のボーナスを受け取った後に数千億円の損失を銀行に与えて、そのままパッと会社を辞めて楽しく生活をしているトレーダーも実名ででてきます。
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サブプライムローンの証券化がもたらしたウォール街の破綻を、破綻を予期した三人の観点から描くノンフィクション。証券自体に潜むリスクを、扱っている投資銀行ですら理解できず、自滅していく様子は空恐ろしさを感じると同時に、崩壊を予期して多額の富を得た三人が結局のところ誰も幸せになれていない点に、マネーゲームを巡る悲しみを感じるのは僕だけだろうか?
数理計算上のモデルでは、個々のサブプライムローンの持つリスク(当然それらは焦げ付く可能性の高いサブプライム層をターゲットにしているが故に高いリスクである)は、どんどんと細分化されて1つの証券にパッケージ化された時点でゼロになるのかもしれないけれど、その理論上のゼロリスクが世界経済を死の淵にまで追いやりかけたという点で、理論を過信することの恐ろしさも同時に理解できる気がする。
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マイケル・ルイスは一般的な基準からは「変な人」対する偏愛があり、そのような人たちについて書かせると抜群にうまい。本書に登場するスティーヴ・アイズマン、マイケル・バーリ、グレッグ・リップマンなどもサブプライム・モーゲージを「ビッグ・ショート」した愛すべきコントラリアン達である。それだけでも読む価値がある。
彼らを描きながら、サブプライム危機の本質がとても分かりやすく説明されていく。見せかけの低い釣り(ティーザー)金利が二,三年続いたあとで、”普通の”変動金利に跳ね上がるというローンの構造。ゴールドマン・サックスがひねり出した魔術=アメリカ下位中流層の人々にとって事実上の信用洗浄(ロンダリング)サービスであるCDO。それにトリプルBの寄せ集めに対してトリプルAの格付けを与えた無責任な格付け機関。モーゲージ債をショートするCDS。ゴールドマンに食い物にされて、よく理解しないままCDSを引き受けたAIG・FP。
ただし、176ページの「ブラック・ショールズのオプション価格設定モデルが、どうもおかしな仮定にもとづいていることに気づいた。例えば、将来の株価が通常のベル型分布になるという仮定だ」という記述は明らかな初歩的間違い。ブラック・ショールズ・モデルは「株価のリターン」が正規分布になると仮定しているので、「株価」は対数正規分布になり、ベル型分布にはならない。
金融は詳しくないけど今回の金融危機の本質を理解したいという人には特にお奨め。
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市場をショートしたのは,誰だ。
空売りと市場が機能不全に陥った経緯の裏側を描くNF。
ストラクチャードファイナンス「入門以前」としても
お読み頂けるとおもう。筆者の最後のまとめは蛇足。
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地震で崩壊した自宅本タワーを再度積み上げていたら、珍しく積読になっていた本書が発見されたので読んだ。
一昨年あたりボクに到来した経済小説ブームの一環で買ったと記憶している。
日本でも1つの歴史的出来事として扱われる「リーマンショック」がなぜ、どのように起こったのか、そこに絡む人々がどのような活動をしていたのかってのを描くノンフィクション。
リーマンショックで叩かれた投資銀行やらローン業者に関する本は結構一杯でてるんだけど、「逆張り」をして儲けた人々ってのを主人公に据えているところが面白い。
CDSとかCDOとか、普通の生活では全く関わらないディープな金融ジャーゴンが出てくるけども、細かく用語の説明が入ったり脚注がページ毎についていたり、
一般読者向けの金融ノンフィクションとしてのサービスレベルは非常に高い。
面白い。原著者の取材力も半端ないけど際立って翻訳が上手い。
今度、他の翻訳本も読んでみよう。
しかし金ってのは恋愛とサスペンスに並ぶ、人間の本質をエグる優れたツールだなぁと思うところ。
実際に投資銀行で働いてたりファンドマネージャーをやってる友人がいないのでアレだけども、この本に出てくる人間は皆どこかがぶっこわれている。
というか、金融業界以外で上手く社会に適合できない人々として描かれる。もちろん、これは読み物であって現実そのものではないのだろうけども。
扱っている事象として、エンロンの話と併せて読むとまた別の味わいがあるかと。
http://www.amazon.co.jp/%E9%9D%92%E3%81%84%E8%9C%83%E6%B0%97%E6%A5%BC%E2%80%95%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%83%B3-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E9%BB%92%E6%9C%A8-%E4%BA%AE/dp/4043755015
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私のブログへ
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=3642423
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サブプライムローンが焦げ付き、世界経済の破綻する方に賭けた男達の物語。しかし、金融工学という名のもとに、こんないい加減なことがやられていて、それが機能すると信じられていたことが信じられない。
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リーマンショックで儲けた人たちの逸話。
正しい目を持って冷静にマーケットを見つめていても、周りの空気やプレッシャーで、自分の信じるポジションを持ち続けるのは難しい事なんだなとか感じる。
常人の精神力じゃ本当に厳しいかもね。
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世界全体を景気後退に陥らせた狂騒に対して早い段階から疑いの目を向けリターンを生み出した人々にクローズアップしたノンフィクション。
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世界中に過剰流動性をばらまいたアメリカの不動産価格高騰、それにつけこんだウォール街の強欲。巨額のサブプライム・ローンが生んだバブルはいかにして膨らみ、そして弾けたか。バブル破綻に賭けた実在の投資家の思惑を通じて、金融の素人にもわかりやすくその仕組みを浮き彫りにした好著である。私にとって最も興味深かったのは、この史上空前のバブル崩壊の淵源がソロモン・ブラザーズの株式会社化・上場にあったのでないかという著者の推察だ。「山津波(注:バブル崩壊)の跡を丹念に調べているうちに、ウォール街の合資会社を上場企業に転じた決断こそが、頂上の小石を蹴り落とした行為に当たるように思えてきたのだ」と著者は書き、「小石を蹴り落とした男」、ソロモンの元会長で帝王の名を欲しいままにしたグッドフレンドと昼食を共にする。株式会社化によって財務リスクを株主に転嫁できるようになった事実をグッドフレンドが認めるくだりは正しく圧巻だ。「何かがうまくいかなくても、それは株主の問題ということになるからな」。グッドフレンドは、彼自身が言うところの「くそいまいましい本」(著者が1990年に書いた
「ライアーズ・ポーカー」)によって、かつての名声を台無しにされた経緯がある。その元帝王が再び登場するくだりが、本書の味わいをひときわ濃いものにしている。「ライアーズ・ポーカー」と併わせて読むことで、史上空前のバブルを演出し、自らその餌食となったウォール街の本質がよりクリアに理解できるだろう。ソロモンはすでに世になく、リーマン・ブラザーズも消滅した。しかし、ゴールドマン・サックスはこの山津波にも生き残り、いまだ世界の金融市場の覇権を握り続けている。ゴールドマンある限り、著者が喝破してみせた「ウォール街の強欲とそれをカネに換えるメカニズム」はなくならないのではないか。マイケル・ルイスには「世紀の空売り」の後日譚として、是非にもゴールドマン・サックスの功罪を書いてほしいと切に望む。
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個人的な金融危機4部作のうちの1つ。アメリカ経済が高成長を続けていた2000年代後半、成長を牽引していた住宅バブルに気づいたスティーブ・アイズマン、住宅ローンを空売りする手段を発見したマイケル・バーリ、少ない資金で成功を狙う小物投資家集団などの世界経済の崩壊に賭けた男たちの物語。金融危機を主に3社のヘッジファンドの視点から描いた作品。
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金融バブルの崩壊を予知し、サブプライムローンに端を発する金融商品のカラ売りに人生を賭けた男たちを描いた経済ノンフィクション。成毛眞さんのオススメ書籍。
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この本を書くために、筆者がどれだけの時間を事実関係の調査や裏付けとりに費やしたのかと思うと、読んでいて気が遠くなるような、そんな本です。
簡単に言ってしまえば、サブプライムローンに裏付けされたモーゲージ債がいかにジャンクであったかを当時の狂乱の最中に気づいていた数少ない人々が、自分の判断を信じてどのようにしてお金を儲けたか、というお話といっていいかと思います。
しかし、内容はそれ以上に深く、色々な登場人物の視点から、多方向から話は進みます。
とても読み応えがあり、勉強にもなる本でした。