投稿元:
レビューを見る
人間は思いもかけない変化が起こる可能性を過小評価する・・・・日本の国債バブルも弾けてから分かるのかも。
投稿元:
レビューを見る
ファンドマネージャーの投資戦略を理解した上で投資したはずなのに、(それがたとえ戦略通りであっても)持分が減ると文句を言うのは、万国共通なんですね。自分の経験と照らし合わせると興味深い。
投稿元:
レビューを見る
あまりに面白く、勿体なくて読み進められなかったです。
今回のサブプライムローンに端を発する金融危機で何が起きていたのか、こんなにもわかりやすく書いた本はないでしょう。
前半は、登場人物の描写があまりにも面白く、数ページ毎に吹き出してました。
『レッドムーン・ショック』以来、探し求めていた本にようやく出会えた、という感じでしたね~
中盤は、面白さ、というよりもわかりやすさの印象の方が強いです。
どれだけ経済の本や記事を読んでも、書いてなかったですが、
(または書いてあったのかもしれないが、まったく伝わってこない)
こういうことが起きていたのかと、生々しく描かれており、
だいぶ見方が変わりました。
こんなデタラメならば、破綻して当然ですね。
それから、強欲というのは、ちょっとニュアンスが適切ではないですね。
詐欺・犯罪です。
終盤は、どちらかというとムカムカした印象の方が強いです。
例えば、ゴールドマンとかいう文字を見るたびに、唾をはきつけてやりたくなりました、、
「ゴールドマン・サックスが火災現場を離れたのは、家に火が回ってからだった。
周到に難を避けたのではなく、単に非常口から一番先に飛び出しただけの話だ。
しかも飛び出した後、非常口の扉を閉ざした」
「ゴールドマン・サックスがなぜ、今後のウォール街に関する話し合いに参加したがったかは理解できる。理解できないのは、なぜそれに耳を貸す人間がいるのかということだよ」
私の払った税金ではないですが、こんなやつら延命させてはいかんよな。
まさに「不適者生存」。
最後は、もっと多くの人に、何が起きていたのか知ってもらうべく、
読んでもらいたいなー、という思いになりました。
投稿元:
レビューを見る
アメリカの不動産バブルが崩壊し、リーマン・ブラザーズが破綻した世界同時金融危機の中で、数千億円という破格の利益を出したいくつかの無名のヘッジファンドがあった。この本はそうしたヘッジファンドの投資戦略を小説タッチで詳細に追っている。思わず手に汗にぎる、サブプライム問題と世界同時金融危機に関する最高のノン・フィクション。
投稿元:
レビューを見る
この本は面白い。私は金融関係者では無いので細かい用語についてはわからないが、リーマンショックを引き起こした理由を、債権の寄せ集めの仕組みと市場の登場人物の心理を元にして書いている。
債券市場が下落することを見込んで売りにかけることで巨額の利益を得る人たち、その逆の人たちのノンフィクションの物語だが、巨額の利益を得てもハッピーエンドではないし、逆に損失を出しても大きな責任を取ることはないという、しっくりしないエンディングがリアルで生々しい。
投稿元:
レビューを見る
サブプライムローンで本当に起こっていた事
リアルに書かれています。
馬鹿だなあと思ったのが、サブプライムが負けゲームと周知された頃に10億ドル分買ったみずほ銀行。
そして驚いたのが、サブプライムの中身が誰にもわからなかったこと、なのに格付けでは高評価、なぜなら格付け機関は大手銀行のいいなりだから・・・・
アメリカが生み出した怪物、サブプライム
いまだにサブプライムは「危険と言われ始めたから、崩壊した」と言う人がいますが、これを読む限り崩壊すべきだからしたのだと思います。
印象的だったのはサブプライムで大もうけした側が罪悪感にとらわれた点です。大金持ちになったのに、アメリカ経済を崩壊する側にかけて儲かったということ、詐欺まがいのリスク管理で多くの人が自己破産したこと、結局政府が介入して、詐欺まがいのサブプライム作った側にも儲かってしまったこと。
翻訳はスピード感があり抵抗なく読めました。
現実は小説より奇なり。
投稿元:
レビューを見る
マネーボールのマイケル・ルイスの2年前のノンフィクション。
サブプライムローンの崩壊を早くから見越し、その崩壊に賭けた3組の物語。
貸し手はいけない人にローンを組ませたこと以上に、そのローンの集合を債券化し格付けを与えて新たな商品とした仕組みが問題だったようだ。住宅資産があがり続ける限りこのローンが焦げ付くことはないという前提だったのでそれぞれの返済能力は問われず、保有し続ければ値上がりが続く債券と売れば売るほど手数料が入る仕組みにアメリカの投資銀行はなだれを打つ。
それに対しその資産価値が下落することに対する保険を買うということが空売りと同じ効果を発揮した。普通の保険と違い、持っていない資産に対する保険なのだ。
2006年にはローンの貸し倒れが増えだし債券の中身は毀損していくにもも関わらず債券価格は安定を続け、空売り側は自らの判断を信じながらももし間違っていたらというプレッシャーに悩まされ続ける。
そして実際に崩壊が始まったときにも当の保険会社自体が倒産しそうになり、そうすると賭けには勝っても支払い手がいない。非常にドキドキする展開が続きそして。
難しそうな話だが読んでると手に汗握る展開で非常に面白い。
新作のブーメランではヨーロッパが舞台。そして今、日本国債も次の空売りのターゲットらしい。
投稿元:
レビューを見る
異常なことを異常と見抜いて行動することの難しさがキーだ。ゼロサムゲームなのだから。でもそれは異常さを正すべきだというわけではなく、それを利用するべきだということか?結局ウォールストリートのトップは会社は救済され私腹は肥やすことができたと考えると、そうなのかもしれない。でも多分望むべきはそんな世界に関わらないことなんだろう。
「格付会社は投資銀行に就職できなかったやつが行くところ」というのはなるほどなと思った。
投稿元:
レビューを見る
サブプライム・CDO問題をショートして儲けた3グループに焦点を当てた作品。多少冗長であったが、面白かった。
やはり、アービトラージ、情報・リスクの非対称性にこそ、儲けのチャンスがある。
投稿元:
レビューを見る
ギャンブルに勝った側の物語は痛快だ。
必ず高騰または崩落するネタがどこかに落ちていないだろうか。
一般人には見つけることができないだろう。
ある程度内情を知っていないと無理だ。
でも夢がある。
株やFXの方が、競馬や宝くじやパチンコなんかの下らないギャンブルより、
利益率も高いし、経済の勉強にもなるし、市場の効率化にも貢献できるから、
ぜったいいい。
思うに、日本では初等教育で資産運用とか教えなさすぎる。
株とは、為替とは?
複利とか知らずに社会出ることか怖すぎるとおもいませんか?
投稿元:
レビューを見る
リーマンショックの大きな要因でもあるCDS(Credit default swap)のことを理解しようと,「ブーメラン」に続き読んでみました。
通常の安く仕入れて高く売って利ザヤを稼ぐという方法とは全く違うCDS。要は値下がりを予想して株や債券を取引する空売りです。
CDSという商品の売り手は,会社等が債務不履行に陥ったときに債務を全額支払うという保証をする代わりに,販売手数料や定額の保険料を受け取ります。債務者の信用力が高ければ,何の元手もいらず収入を得られるメリットがあります。
一方,買い手は,債務者の信用力が低ければ,僅かな手数料で短期的に債権全額を受け取ることができる,つまり,大儲けできるというメリットがあります。
もちろん,れっきとした金融商品ですが,これをサブプライムローンでやってしまったから大問題。売り手は,住宅市場は値上がりを続けると信じていたから,ジャンジャカCDSを売っていました。
冷静になればわかるはずのことが,狂想曲に踊らせていると恐ろしい方向に走っていってしまうということを痛切に感じさせる内容でした。
投稿元:
レビューを見る
金融危機を扱ったジャーナリストの本はいろいろ読みましたが、
ショートした側から見た視点は面白かったですね。
他の内幕本は道徳的な説教本になったり、
まるで的外れな糾弾をしているものも散見されたのですが
この本は金融の基礎知識を踏まえた上で、
CDSの仕組みも理解して書いているので、
レベルが高い読み物になっているな、と。
最後にはショートした側は大金を儲けたのですが、
正しいことを指摘したがゆえに、
他の大部分のロングしたサイドからは反感を買い、
自らの顧客からさえも称賛は受けられなかったと。
一読をお勧めいたします。
投稿元:
レビューを見る
紙屑当然の債権を売り物に変えるまさに錬金術な世界。よくよく考えればこんなインチキビジネスがまかりとおるわけないのに、そこに浮かれて乗ってしまうアメリカの金融界の病巣が描かれていた。特におまぬけなのがからくりを知っていても、そのあまりの複雑さに自らの作りだしたインチキのリスクを正しく測れなかった投資銀行大手だろう。賢く立ち回ってリターンとリスクの分岐点を見極めているはずが結局世界全体総崩れに巻き込まれた。
こんなインチキに早くから気づいていたのが業界の異端ともいえる人たち。でもそんな勝ち組のはずの彼らも世界の崩壊に賭けたことで後味の悪い思いをしている。結局、金融ビジネスそのものにまっとう性がないのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
2000年代前半から2008年まで続いたサブプライムバブルの時に、バブル崩壊にかけたヘッジファンドのドキュメント。扱う額が半端ない。
成果は自分のポッケ。
失敗は納税者。
そんなクソな投資銀行経営者の逃げ切りにムカムカしつつ、信じたポジションを張る胆力に脱帽。
投稿元:
レビューを見る
リーマンショックをショートサイドから追った金融ノンフィクション。サブプライム・ローンの空売りを人間ドラマとして描いているのが面白い。ルイス氏特有の悪ノリな文章は健在で、かと思えば格付けやCDOなどの複雑な仕組みをさらりと分かりやすく解説する能力はさすが。
筆者の処女作『ライアーズ・ポーカー』の頃からウォール街は何一つ変わってない。むしろ秩序は無くなっているのかもしれない。
ウォール街の強欲を満たすため、リスクを競合他社や投資家、株主、果ては国民の税金へ転嫁して蝕んでいく、あれだけの金融危機を引き起こしても数年後には同じことを繰り返すと思わざるをえない。
賭けに勝ったバーリのその後、最終章のグッドフレンドとの会食はマネーゲームが生み出す虚無感を感じさせる。