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みんなのレビュー134件

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紙の本

本格ミステリーのセオリーを根底から破壊して見せた「本格」といわれる怪作

2011/06/16 00:20

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ガルシア・マルケス『百年の孤独』に疲れたので、軽く一息入れるとしよう。このところ日本の本格推理小説にはご無沙汰だったから、日本推理作家協会賞、本格ミステリー大賞といういかにも「本格」らしい二冠をとったという作品なら最近のヒット傾向がわかるかもしれないと思い、手に取ったしだい。もちろん謎解きをゲームとして楽しむために。

険しい山々に囲まれたポツポツと集落のある寒村。千年の時を越えて今なお生きる龍神伝説。龍神の祟りを封印した女神の子孫スガルが今でも村民たちの鎮守信仰を集めている。そして次期スガル候補者であるこの一族の娘たちが次々と首を落とされて殺されていくのです。
となれば、推理小説界もまだまだ横溝正史風が続いているらしい………とはじめは思った。
だが、いつのごろのお話かといえば大正とか昭和初期ならまだしも1985年なのだから、こんな伝説因習を生活の軸にしている地域はあるはずがない………とこれは読み終えても変わらない。

隻眼の美少女探偵・御陵みかげが颯爽と登場する。水干といわれる装束だが、神主の衣装のようでこれは表紙の写真にあるから視覚的に確認ができるのだけれど、はなはだ漫画的ですね。相棒は自殺志願の若者で、二人は軽い口調のノリでお話をややこしくしていく。

みかげチャンのきめゼリフは
「そうですか。となると不都合ですね」
「私の左眼は真実を見抜きます」
らしく、時々これで恥ずかしそうに見栄をきります。私には凄みはもとよりカワイイ!とも感じられず、読んでいるのがむしろ気恥ずかしい思いです。

地図にない村とはいえ、これだけの猟奇連続殺人事件であればマスコミは大
騒ぎするだろうし、警察陣ものんびりとしてはいられないはずですが、何の働きもしないで、証拠調べ、関係者取調べもみかげチャンまかせです。
一時はやった映画「トリック」の仲間由紀恵と阿部寛のコンビのようです。

めでたく第一部が終了し第二部だが、これは2003年のお話。同じ村でおこるやはりスガル一族の連続殺人事件。自殺志願者だった若者は大人になって登場。みかげチャンは第一部のみかげチャンの娘が活躍するお話になる。相変わらず役に立たない警察陣を尻目に二代目みかげチャンと彼とで第一部と相似形の活躍をするのだが、このあたりでようやく作者の意図が見えてきた。
ここからは横溝風をかなぐり捨てます。様相をがらりと変えたとんでもない趣向が見せ場になる。

「丁寧に建てた館をテーブルクロスごとひっくり返す大胆な仕掛け」が決まったようだ。

理屈に理屈を重ねたドンデンガエシなのだが、寄る年波だろう、その理屈は面倒くさくて理解する気力がなくなっている。リアリティに欠けた背景設定、なんでもありのトリック無作法、ドンデンガエシにいたるまでのストーリーの平板さにはついていけません。つまるところ、読者が犯人を当てようとする意欲に応えた、粋で楽しいゲームにはなっていませんでした。

「オジサン、いまどきそれは古いよ」
と指摘されるかもしれない推理小説観だが、
坂口安吾は
「謎ときゲームとしての推理小説は、探偵が解決の手がゝりとする諸条件を全部、読者にも知らせてなければならぬこと、謎を複雑ならしめるために人間性を納得させ得ないムリをしてはならないこと、これが根本ルールである。」
としている。
「人間性を納得させない得ないムリ」とはリアリティの欠如が含まれるでしょう。

この作品はこの伝統的秩序を徹底的に破壊したところがミソのようなのだが、破壊活動への素朴な反感が大きく、古いタイプの推理小説ファンとしては坂口安吾のセオリーはあらためてもっともだとしみじみ思うわけです。

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