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ほしをめざして みんなのレビュー
- ピーター・レイノルズ (文・絵), のざか えつこ (訳)
- 税込価格:1,430円(13pt)
- 出版社:岩崎書店
- 発行年月:2010.9
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絵本
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紙の本
この絵本には、大人が立ち止まって考える、という効用がありそう。
2010/09/28 22:06
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うっちー - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者のピーター・レイノルズは、はじめに「読者のみなさんへ」として、こう書いている。「わたしが好きなのは、心をゆさぶってくれる本、笑いや涙をさそい、深く考えさせ、行動を起こさせるような本です」と。確かに、彼の作品は、読後、立ち止まって考えさせられるものが多い。この絵本もまた、寓意に満ちている。
かわいい赤ちゃんが、木の下で微笑んでいる絵から、物語は始まる。絵の右には、
「そよかぜの なかで めを さまし、たびが はじまる。」
とある。そう、この子の人生の「たび」がはじまったのだ。
ハイハイから、やがて立ち上がり、歩き出す。はじめは、ただ無邪気に楽しく。やがて、ものごとに疑問を持つようになると、一匹の「ネコ」に、立ち止まらずどんどん進むようにと促される。この「ネコ」は、「世間」なのか?
人生の後戻りはきかない。時間は、ひたすら進み続ける。だから、この子も、前にすすむ。絵本でも、ページをめくるのといっしょに、ひたすら右にむかって進んでいくように描かれている。
立ち止まりたい、自分の好きなことを探求したい…。でも、人から遅れまいとして、また、皆が行く道だからと、道をはずれることも許されず、急いで前に進む。
やがて、一羽のトリにたずねられる。
「きみは どこへ いきたいんだい?」…
この絵本は、いくらかの人生を生きてきた大人の心にひびく作品だ。これでよかったのか、これでいいのか。深呼吸して、あるいは、ため息をつきつつも、思い描く時間を与えてくれる。
自分のすすむ道に、みちしるべはあるのか? それは、自分の心に聞くしかないのだ、と絵本は伝える。自分だけに見える「ほし」をみちしるべとして。
タイトルも絵も、とても美しい。きれいだから、ぱらぱらとめくるだけで幸せな気持ちになる。もう、この絵本のような子どもではないけれど、自分だけのかけがえのない「たび」を大切にしよう。大人にそう思わせてくれる絵本だ。
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