紙の本
新装版!
2020/01/27 13:45
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
懐かしい作品の新装版。正直に言ってカバー絵が吾妻先生じゃないのは寂しい。
内容は初期新井作品の集大成と言える賑やかさ。
面白い。
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実は、ハードカバーで読んで、文庫を所持しております。
星新一さんも絶賛したという、新井素子さんという作家、
ハッキリ言って、もの凄い力量の持ち主です。
「…絶句」は、彼女が脂の乗り切った時期に書かれたSF小説で、
文体はライトノベルそのものですが
(当時ラノベという概念やジャンルはなかったんですけどね…)
内容は、決してライトではありません。
10代から、オバサンと呼ばれるこの歳まで
ずっと手元に置いてきた中に、この「…絶句」があります。
内容は書きませんので、ぜひその目でお読みください!
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あたし、新井素子。19歳のSF作家志望の女の子。新人賞のために『絶句』ってタイトルの原稿を書いている。読者が絶句するほどおもしろい話になるはずが、なぜか突然、小説のキャラクターたちが実体化してしまった!?滅法強いヒーローやマッド・サイエンティスト、超能力者の美少女風男子や素子に瓜二つの人猫が、それぞれ現実世界で生活を始めて…
後に、それは宇宙人の交通事故が原因だったと判明する。ところがこの宇宙人は主人公に謝罪賠償するどころか、命を付けねらうのである。それはなぜか。そして、主人公たちはどうしたか…
偶然とは思えないタイミングで、こんなニュースが。
女性裁判官(30)「非正規の命の値段なんて安いに決まってるだろ・・・逸失利益は低く見積もれよ」 :アルファルファモザイク
テーマは「逸失利益と過失相殺をめぐる諸問題」。若い非正規労働者が増える現状について「自分の都合の良い時間に働けるなどの理由で就業形態を選ぶ者が少なくない」「長期の職業キャリアを十分に展望することなく、安易に職業を選択している」とする国の労働経済白書を引用。こうした状況を踏まえ、正社員の若者と非正規労働者の若者の逸失利益には差を設けるべきだとの考えを示した。
本作は、これを宇宙規模にまで広げた話でもある。
主人公の命の値段はいくらなのか?
それも、人類にとってではなく、宇宙の知的生命体にとって。
それを「地球よりも重い」と見積もる宇宙人は、まずいないだろう。
かりにそうだとしても、地球そのものの値段が大したものだとは限らないのは、「銀河ヒッチハイクガイド」のネタの一つである。これまた不滅の物語の一つであり、作者のAdamsが亡くなった今でも読む事が出来る。
しかし、問題はそこじゃないんだ。
値踏みされた後、どうするかなんだ。
読了後、あなたにとって「絶句」という言葉の意味は永遠に変わるだろう。
私は、もう絶句しない。
それは他者が決めた自分の値段で、自分を売るのに同意することなのだから。
それがいやなら、異議を唱えるしかない。
たとえ相手がA級知的生命体でも。
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昔読んだので、こんなんだったかな?と思いつつ読み進む感じ?
所々覚えてるんですけどね。お弁当のあたりとか
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きゃあ「…絶句」だ、きゃあ「…絶句」だ、きゃあ「…絶句」だ。
単行本のこれで新井素子さんにはまりました。今読んでも十二分に面白い。
小説には“これこれこんな風に面白いから読んで”と勧めるものと、“なにも言わない、とにかく読め”というものがありますが、紛れも無く後者。まずは読んで見ましょう。
あと、短篇は下巻の本編を読むまで読んじゃダメ、絶対!ネタバレですから。
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若さに任せて書いた所謂若書き作品であったと著者自身振り返っているが、さもありなん作中やりたい放題になっている。まずヒロインが著者と同姓同名の作家志望の少女で、その少女の小説から登場人物が飛び出して来たという設定がすごい。話の筋も破天荒で、空間や次元を歪ませるわ目的のため社会を大混乱させるわ抑えたところがない。確かにこれは若くないと書けない内容だ。しかし元気なだけではなく、執筆当時としては先鋭的であったろう斬新なアイディアを数多く含んでいるから侮れない。読点を多用した砕けた文体は読者を選ぶが、一読の価値あり
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あの「絶句連」が帰ってきた!!
新井素子20代の名作が、改悪文庫サイズで(泣)
買うのを躊躇……のつもりが、なんと書下ろしが付いているではないか!!
泣く泣く、購入し、素ちゃんの愛(注:書き下ろしのことね)を堪能した私です。
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もう「・・・絶句」を読むのも何回目かわからない。かつての文庫版も持ってるけど、新装版ということでまた読みました。
カバーイラストがcocoに変わりましたが、やっぱり吾妻 ひでおのイメージが強くて、読んでいる最中のビジュアルイメージは吾妻 ひでお版のイラストでした。
書き下ろしの番外編は本文を読んでからということで、下巻まで読み終わってから読みました。不思議とこの短編のビジュアルは、吾妻 ひでおの絵ではなくて大人のイメージでした。
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学生時代以来の再読。これぞ新井素子だな~。「ひとめあなたに…」という別の作品の解説で、赤川次郎氏が[八方破れの完成度]と評価していたけど、言い得て妙!……今では大御所の新井素子さんですが、私はやっぱりこの年代の頃のもとちゃんの作品が好きです。
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作者が登場人物として登場するメタ小説風味の作品です
主人公の書いた小説のキャラクター達が
ひょんな事(?)から実際の世界に飛び出してきて
バタバタコミカルな事件を巻き起こす
語り手が変わったり、作者が登場したりと、
自由奔放なストーリーが展開されます
後半は一転してシリアス展開に
常人以上の力を持つキャラクター達の歪んだ正義
彼らの口にする薄っぺらい正義が
現実社会の縮図を見ているようで
とても考えさせられる作品でした
やや癖の強い作品なので、読み手を選ぶ部分はありますが
とても良い作品の1つだと思います
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再読です。27年ぶりの……。私が絶句。自分のことを棚にあげて(素子さんと同い年です)素子さんが50歳になるなんて信じられない。(因みに宮部みゆきさんも同い年。宮部さんと素子さんと(私が)同い年ってどうしても信じられない)いや、素子さんについえは20代の頃から「同世代の代表作家」と思ってましたから、いいんですけれど。で、内容ですが、見事に覚えてません(笑)。第13あかねマンションが登場することすら忘れてる。主人公が「新井素子」さんで、小説中で「登場人物全員会議」があって、作者の素子さんとキャラクターの素子さんが色々話しあうのはうっすらと思い出した。過剰な「自然主義」はじめ素子さんの全部が詰まってますね。
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うーん、面白くない。読んでて恥ずかしくなる。
とにかく大袈裟の一言に尽きる。
19歳にしても考え方が幼すぎないか。
星新一が絶賛していたようだが、真意が分からない
また、文体も、「ん。」、とかが多すぎてどうも好きになれない。
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本屋で表紙買いしたけど、新刊っていう訳じゃなくて83年頃に出版されたものの新装版だったみたい。それにしては文体が軽い。
著者を調べたら、ライトノベルの先駆けのような方らしい。なるほど、同意できる。
話の展開は、けっこうしっちゃかめっちゃか。1つ1つのエピソードは、非常にきれいにまとめてあるけれど、話の流れはもうぶつ切り状態。(これは、あえてやっている節もある。)
あと所々、メタ発言もあって、役を演じてるっていう感じなんだけど、何故そうなっているのか上巻だけだとわからない。
流れとかは無茶苦茶なのに、続きを読みたくなるなぁ。はやく下巻を読みたい。
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現実と小説の世界とが曖昧になる。
でも、こういうのって自分で話作ってた人なら誰でも考えるよね。ただ、その出来事の作り方が「新井素子さんらしさ」満載!
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高校生の娘が、何か面白い本はないかと言う。自分が高校時代に読んだ本を思い出してみて、印象深かった本って.....『韓非子』とか、アシモフのファウンデーションとか、『遊歩大全』とか。どれも娘が面白がりそうもない。父親としては読んでおいてほしい本もあるけれど、当時の私と今の娘じゃ精神年齢がかなり違う気もするし、こういうものは私の価値観を押しつけても意味がないし。はて、とか考えていて、ふと思い出したのが、新井素子。そう言えば結構読んだ。『・・・・・絶句』とか、面白かった記憶はある。と言いつつ、ストーリーは完璧に忘れた。
ということで、娘にはとりあえず『・・・・・絶句』を薦めたのだが、高校の図書館にはないと言う。私の本は実家だし、仕方ない、また買うか、とか思ってたら、市の図書館で発見。借りてきた。借りてきたら、自分でも読むよね、そりゃ。
高校時代に読んだときの感想は、ほとんど憶えていないのだけれど。ほぼ30年ぶりに読み返してみての感想。
日本語の誤用とか、情報が不正確なところとか、たくさん指摘できる。でも、それを補ってあまりあるだけの、躍動感というか、とにかく登場人物がみんな生き生きしてる。たまたま下に書いた『海辺のカフカ』もぶっ飛んだストーリーだったけれど、ゼンゼン負けていない。いや、ぶっ飛び加減で言うと勝ってるかも。にもかかわらず、登場人物が等身大で泣き、笑い、叫び、縦横無尽に走り回る。設定もご都合主義なところもあるけれど、そんなことを指摘するのは野暮だと思わせるだけのものが、『・・・・・絶句』には、確実に存在する。それが何かは.....何だろう。若さ?(笑)
ストーリーの背景には、人類の存在意義とか、生命の重さとか、かなり深刻なテーマが横たわっている。われわれ人類が例えばシロアリを駆除するのと、人類よりも文明が進歩した宇宙人が人類を殺すのは、本質的に同じ行動なのだけれど、そういう考え方に反発してしまう人は、この本が言おうとしていることを理解できないと思う。もちろんこのテーマに対する答えは提示されてなくて(そんなもん誰にも答えられない)、でもポジティブに生きよう、みたいな感じで終わってしまうんだけど、ごまかし感がないのは著者自身がそう信じているからだろう。と、ヘビーなことを書いたけれど、基本的にはドタバタです。"秘密のアジトの入口 ― から出たら、そこに、女の子が一升びんかかえて花柄のござしいてお弁当ひろげてる"とか、"一見棒、実はレイ・ガン、更に実は如意棒"とか、不覚にも笑ってしまった。30年前の私も笑ったろう。
いずれにせよ、読み手にも、若さというか、柔軟な発想を要求する本である。