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相当面白かった。ペリー来航は西欧知識人にとっても大きな関心事だったのね。ペリーの出発4ヶ月前にニューヨークで出版されたという本書は、イギリス有数の歴史・地誌学者によって書かれただけあり、なかなか正確で公正に感じられた。
15世紀以来西欧人たちが蓄積してきた日本に関する資料と、近過去に起こったフェートン号事件やモリソン号事件といった小競り合いの顛末を分析して、日本を色々な面から解説。内裏と将軍の関係や、自由闊達で豊かでモラルの高い庶民の存在、武力ではなく5人組などの監視体制により平和と治安の良さを保っていることなど、するどーいご指摘。読み終わったあと、本から目を上げ、いまの日本という「後日談」を眺めるのも愉しい。
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ペリーが開国交渉に来るまでに、日本の情報がこれほど体系的に整えられていたとは、驚愕です。著者は英国人ですが、米国が威嚇による開国交渉をすること、開国には将軍の了解だけではなく、帝の承認が必要なことなど、的確に分析しています。叙述に不正確な箇所や誤解した箇所がありますが、そんなことは問題ではありません。しかも、機密文書ではなく、出版物というから、更に驚きです。迎える日本にはどれほどの情報があったのでしょう。そして、この彼我の違いは克服できたのでしょうか?
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ペリー提督が日本との交渉にアメリカを出発する4ヶ月前(1852年7月)にチャールズ・マックファーレンというイギリス人によって出版された本ですが、ペリーの江戸湾への強行突入とその後の厳しい交渉にどれくらいの影響があったかどいうかは分かりませんが、非常によく調べてあります。しかもこの著者は日本に来たことがなく、それまで出版された日本に関する本や報告書、限られた日本渡航者とのインタビューだけでまとめたらしい。なかには不正確なところもありますが、当時欧州でこれだけ日本についての情報があったのかと驚きます。「日本は現在(当時)の世界情勢を見ると、開国せざるを得ない。最終的には武力で迫れば開国することになる。ただどれだけ犠牲者(責任を取って切腹する武士も含めて)が出るかは計り知れない。」この結論はその後の日本に起こったことを言い当てています。
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Japan: An Account, Geographical and Historical
Charles MacFarlane
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