紙の本
ミッシングリンクの極北
2020/08/23 07:02
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間の極端な心理を書くことを得意とする西澤保彦が手がけた、ミッシングリンク(被害者間に何の関係もないかに思える連続殺人で、隠れた関係・動機を探る物)テーマの傑作。
主人公のOLは、自宅の扉を開けた瞬間、背後から見も知らぬ男に襲われる。
何とか男を撃退した彼女の通報により駆けつけた警察は、男の残したノートを見つける。ノートには、彼女を含め四人の人間の名前があり、彼女を除く三人は既に殺されていた。彼女とも襲ってきた男とも縁も紫もない三人。なぜ、彼らは殺されなければならなかったのか?
九死に一生を得た彼女の証言により、男の身元はすぐに判明する。だが、彼はどこへ逃亡したのか、つかまることなく数年の月日が過ぎてしまった……。
男が自分を含める四人に殺意を抱いた理由がわからないことに耐えられない彼女は、ある人々に相談するのだが……。
「犯人はなぜ、自分と何の接点もない無関係の人々を殺したのか?」最後に明らかになるこの問いへの答えは、虚無の驚愕へと読者をいざないます。
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推理ロジックの名手・西澤保彦氏による興味深いミステリー作品です!
2020/08/20 10:52
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『人格転移の殺人』、『黄金色の祈り』、『夢幻巡礼』、『依存』、『夏の夜会』、『神のロジック 人間のマジック』、『パズラー』といった話題作を次々に発表されている西澤保彦氏の作品です。同書は、大晦日の夜を舞台に繰り広げられる物語です。連続無差別殺人事件の唯一の生存者、梢絵を囲んで推理集団「恋謎会」の面々が集まります。4年前、彼女はなぜ襲われたのでしょうか?犯人は今どこにいるのでしょうか?ミステリ作家や元刑事などのメンバーが、さまざまな推理を繰り広げるのですが、この事件は解決できるのでしょうか?続きは、ぜひ、同書をお読みください。
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2010/9/22 Amazonより届く。
2012/9/20~9/25
連続殺人事件の唯一の生存者、梢絵を囲んで、推理集団「恋謎会」のメンバーが、動機、犯人の行方を推理。果たして、真実にたどり着けるのか?犯人は何処で何をしているのか?
西澤氏の問いかけるメタミステリ。結末はヤられた感タップリ。しかし、難読苗字は何らかの意図があるらしいが、良い加減にして欲しい。イチイチ引っかかるので。
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もともとは友人に『七回死んだ男』を勧められたのがきっかけで、神麻嗣子シリーズにはまってしまい、今では「ワタクシ的:文庫が出たら読む作家」に認定されています。でもだんだんお話が救いのない方へ向かうようになってきてしまいましたね。この本もなんだか血みどろな感じです。
中盤に食事のシーンがあり、登場人物の一人である修多羅厚が料理をしたということだったので、詳しい料理の描写を期待したのですが、残念ながらローストビーフやパスタ、七面鳥のサンドイッチがあったことが分かるだけ。ここ、もうちょっと詳細だったらよかったのにと思いました。
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水準はクリアしているけれど。
主人公?の女性に魅力がなさ過ぎ。
てっきり刑事は知っていると思った。
だから単独行動だと。
料理の上手い主夫と奥方の話希望。たのしそうだ。周囲にはいい迷惑だろうけれど。
チョーモンインのどれか以来なので、結構久しぶりの西澤作品。
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あの時、なぜ自分は襲われ、殺されそうになったのか。
その謎を解くため、担当だった刑事の『知り合い』達に知恵を借りた被害者。
提示された状況証拠と証言。
それを使って、一体何故どうしてそうなったのかを
ひたすら推理していきます。
…なので、ほぼ9割方想像というか妄想というか
空論上の論議、という状態です。
ああでもないこうでもないと論議して
そして出された結論が…あれ。
思いっきり予想外といいますか、作者を考えれば
予想できる範囲である、とも言えます。
やられた…というよりは、本気でするの?! という
驚きで終了してしまいました。
しかしここまで空論を考えられるのも
ある意味すごいです。
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そもそもなぜ彼女が助かったのかがひっかかってたので真相に納得。途中飽きるけど最後の急展開が凄すぎる。
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大晦日の夜、数年前に起こった連続殺人事件の真相を推理すべく集まった面々。
一人の犯人とおぼしき少年を中心に話を展開させていくわけですが、次々と繰り広げられる様々な推理が読んでいてあきませんでした。ラストはそれなりの衝撃は与えてくれるものの「そういうことか。」と納得できる程度でそれほどのインパクトはなかった気がします。
しかし、全体的にはすごく楽しませて貰えた作品でした。
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複数の登場人物が仮説を立てて、別角度から否定することを繰り返させる作者のプロットはさすがだが、オチがすっきりしなかったー
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通り魔にあったが助かった主人公。実は単なる通り魔ではなく、連続殺人の被害にあうところだった。なぜ、自分が狙われないといけなかったのか?
担当刑事の紹介で、推理集団と一緒に検証を始める。
西澤保彦お得意の積んでは崩す、討論会。
最後は驚きの回答になるんですけどね…。
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連続無差別殺人の被害者で唯一生き残ったOL梢絵の証言で、犯人の正体は明らかになったものの容疑者は失踪してしまう。事件から4年後、自分が襲われた理由がわからず苦悩する梢絵のために、ミステリ作家や元刑事などが集まって推理を展開する…
『毒入りチョコレート事件』みたいな感じで、延々と各人の推理がつづいていくのだが、話が停滞する感じはなくどんどん読み進むことができた。ただ、登場人物がみんないまひとつ浮いた感じで、主人公の女性にもあまり感情移入できなかったかも。
真相がわかってみるとかなり鬱な展開だが、言われてみればなるほどと頷ける、お見事な構成である。
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「聯愁殺」を読了。個人的にはちょっと合いませんでした。メタ・ミステリがどうのと言っても、結局は後出し感が強くて・・・。アガサ・クリスティの某作品を思い出しました。最後のブラックな展開は好みだっだけに残念。
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久しぶりに読んだ西澤作品。
物語は連続殺人事件唯一の生存者である女性が、犯人の動機を知るために様々な職業の人に推理してもらう話。
冒頭から色々な推理が目白押しで、飽きずに読めた。ただ、その推理に対して主人公の女性が、終始バカにしたような感じを出していたのが気にかかっていたけど、最後まで読んで納得。
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西澤保彦初めて。名前が難しすぎて一々中断するので集中できない。なんでこんな難しい名前にするんだろう。文章はスピード感があって良い感じ。驚愕のラスト前、そして戦慄のエンディング…。びっくりした。
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4年前に起きた連続殺人事件の唯一の生き残り、梢絵。犯人の動機を知りたいという思いから人を集め、6人の男女に真相解明を依頼した。大晦日の夜、それぞれの推理を披露すべく一つの館に集まった。
タック達がよくやる推理合戦を切り取ってまとめたようなシチュエーションは大好き。しかし、なんとも残念な作品にまってしまった。
このパターンで面白いのは、語り手達の関係性が事件に何らかの関連を持つこと。しかし語り手達の安穏とした空気感は、事件のシリアスさからかけ離れていて緊張感が感じられなかった。それが250ページ続くとさすがに眠い。本当にもったいないと思った。