紙の本
文章の窮屈さに気を取られる
2015/03/26 14:26
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投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る
もとから書簡のやりとりで進めていく形式に難があったんでしょうね。むりやりおしこめられて小説にされた文章の窮屈さに気を取られる。このまま読んでると魚の目とか肉刺ができそうなくらいフィットしなかった。相当ぶったぎられた『告白』を彷彿とさせる湊かなえさんの本には未だに出会えていない。
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湊さんの本、全て読んでますがこれは本当に期待はずれ。ミステリー色は薄い。
すべて手紙でのやりとりの連作短編三本。
手紙っていいよね、って感じなヒューマン系を晒し出してるけどちっともでした。
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手紙での気持のやり取りは、お互いへの思いや、懐かしさしさ感じる反面、驕りや嫉妬、自己弁護と、責任転嫁、悪意さえ感じる。同じ時を過ごした仲間でも、勘違いや、思い込みで、それぞれの仮説が事実になって、勝手に作られた世界が思い出になっている。先入観や思い込みが、違う世界を作っていて、誰も同じ景色は見ていないと、あらためて感じる。
友達の幸せを願っている、のは嘘じゃないけど本心かといわれると、きっと違う。恨みや妬みをもっている。それは、自分を守るためや、自分を許すため、何かを信じて生きていくために。そんな気持が伝わってくる。そういうところが、きっと人間は愚かさってやつだね。
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短編3作品。
『十年後の卒業文集』
『二十年後の宿題』
『十五年後の補習』
手紙のやり取りですべて話が構成されていて
いつもながら、最後はいったいどうなるんだろうと
この話の真実はいったい…と毎回ドキドキさせられる。
湊さんの小説好きだ。
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相変わらずのサプライズな結末で、また作者が好きになった。
10年後の卒業文集、まさかの入れ替わりの結末
20年後の宿題、いろんな人間関係が複雑に絡んでいるが意外な結末
15年後の補習、二転三転の重い結末
「告白」「贖罪」に次いで良かった。
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手紙だからつける嘘。手紙だから許せる罪。手紙だからできる告白。過去の残酷な事件の真相が、手紙のやりとりによって明かされていく。衝撃の結末と温かい感動。書簡形式の連作ミステリ。
《2010年9月28日 読了》
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A→B:B→Aといった形式で2人の人物の間で交わされた手紙によって過去に起きたとある「事件」の真相が究明されていっている。
一冊の間に3つのストーリーがあり、それぞれの話はつながっていない。
湊かなえさんでは初の短編(中篇?)集。
手紙だからこその表現の仕方が巧く使われていて、それ故にドキっとする場面もあって面白い。
「告白」や「贖罪」に比べると被害にあう登場人物が少なく、物語の最後に光も見えたりするので色んな人に薦められるなぁと思った。
(個人的にはもっとドロドロして救いようが無い位でもいいのだけど)
湊さんの小説は、文章が語り口調だったり日記帳だったり、とにかく登場人物の目線から書かれているのが特徴だと思う。
その形式が初期から一切変わらず、つまらないという人もいるけど、私は湊かなえ=この形式で安定していいのだと思う。
違う形式の話を読みたかったら、別の作品を読むのは読者の自由だと思うし。
一度最後まで読んで「事件」について知って再読してみるのも面白いと思う。
そういう意味でやっぱり購入して本棚においておきたい一冊。
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あれは本当に事故だったのだと、私に納得させてください。高校卒業以来十年ぶりに放送部の同級生が集まった地元での結婚式。女子四人のうち一人だけ欠けた千秋は、行方不明だという。そこには五年前の「事故」が影を落としていた。真実を知りたい悦子は、式の後日、事故現場にいたというあずみと静香に手紙を送る—(「十年後の卒業文集」)。書簡形式の連作ミステリ。
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普段ハードカバーは避け勝ち(高額だし場所も取るので;)なのですが、本屋で開いてみたらもうたまらなく購入してしまいました。恩田陸の「Q&A」とか、ちょっと変わった文体物に弱いんです。
さて、読んでみたらこれがまた読みやすく面白く。怪しいと思った部分がちゃんと怪しく、重くなった雰囲気も読了時には優しく心地よくさせてくれる構成がとっても好きでした。最近重たいばっかりの小説が持ち上げられる事が多いので、こういう読み終わって気分が良いものも大切にしていきたいです。
流行ものに手を出すのを躊躇ってしまうひねくれ者なのですが同著「告白」を今更ながら読んでみようかと思います。
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短編3作を収めた短編集なのですがその全てが
「手紙」のやりとりのみで構成された作品。
やはりこういった手法での上手さは湊さん
らしく安定してます。サイズ的にも短編は
合ってる方法ですね。
メールよりも手紙の方が考えながら文章を
「書く」訳だし、書いた後も校正したりして...。
より相手に伝えようとする意思が強い手法ですよね。
が故にその手紙のみで展開されるこの作品が持つ
切実さが読む側を惹き付けます。
ジリジリと焦げ付くような悪意や嫌悪感を
思わす「十年後の卒業文集」は今までの湊作品
の王道...と思いきや最後の最後は意表を突く
展開を用意していて意外性では一番。
他の2編も今までの作品にはなかった感情や
印象を与えるだけの作品ではないのが次作への
期待になりますね。ただ、こういったスタイルは
もう食傷気味ですが...。
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告白、夜行観覧車に次ぎ3作目の読書。夜行観覧車より好き。特に3つ目の話は好き。
手紙って日本にいるもの同士だとほとんど書かないよね。留学してたときかされてたときかくらい。そのときのことを思い出しても、今読むと恥ずかしいくらい悩みを打ち明けてたり、逆に色々なことを分析してたり。
1つ目の物語で仲間内で出てきた噂話に対する、当事者の感想が深い。「仮説って大変なものだと思う。頭のいい人がこうだったんじゃないかと仮説を立てて、それもあり得るとなったら、仮説は事実になってしまう」
というかこの世に仮説しかないのではないだろうか。それを頭のいい人が追求していくと、真実に聞こえてしまう。
真実と偽話の境界線。真実と仮説の境界線。判断するのは個人個人。つまりは仮説も偽話も真実も、要は信じたい話。
そんな中でも、信じたくないような話でもこの人となら交わせる、受け止めあえる、そういう存在が救いになるんだと思う。そういう意味で最後の話は好き。
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手紙だけで構成された3つの短編小説。心の負を表現するのは相変わらずうまい。二番目の宿題は珍しく希望ある結末で良かった。でも、短編なのかちょっと物足りないかな…告白くらいのエンタメが好きです。
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早速買って読みました。
湊さん独特の構成で、今回は手紙。
3部構成になっているのですが、最後まで読み終えたとき、ちょっと残念な気がしたのは私だけでしょうか。
内容がというより、最後にすべてがつながるのかな・・と思いながら読んでいたので。2話目は、ちょっと強引な内容か??
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2010年10月4日-
15年目の~は、なんだか切なくて泣けた。大事な恋と遠距離と‐自分の私生活でも、予感はあったのかな。
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読ませ力はあるけれど、3編どれも「手紙でもこんなにズケズケ書くか?」感は否めなかった。むしろ、メールのほうがさらさらと思うままに書けそうなほど相手の懐に踏み込む手紙ばかりだった。「夜行観覧車」など話し言葉のほうが違和感なく読み終えたかも。