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みんなのレビュー26件

みんなの評価4.2

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紙の本

訴訟の心理・行動と脳の関係。わかりやすくて深い解説は人間の心理・行動の原点を鋭く考察し、弱点をも指摘する。

2011/01/20 16:57

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 脳を研究している池谷さんはこれまでも最先端の脳研究の知見を身近に感じさせてくれる本を書いておられますが、今回は弁護士さんとの対談です。裁判・法律は科学研究とはほど遠い感じもあります。でも「争うこと、折り合いをつけること」と考えると社会心理や認知機構などを介して脳の活動研究と深くつながっている。池谷さんの解説は今回もわかりやすいけれど深く、とても刺激的でした。

 弁護士の鈴木さんが提示する「裁判で遭遇する人間行動の現象」を池谷さんが脳科学の言葉で裏付ける、というのが本書の対談の流れです。
 まずは鈴木さんが「ここまではっきり言いますか」と思うぐらいに裁判を表現しているのにちょっと驚きました。曰く「裁判は良い具合に怒りをあおる構造になっている。」「法は村の掟でしかない。」「つまるところ裁判官がどう思ったかということでしかないんです。・・しかし、社会一般の経験則と裁判官の認識している経験則とが一緒かどうかはわからない。」などなど。
 池谷さんの脳機能の説明もとても明快です。例えば「脳に善悪はなく、快不快があるだけ」。そこから「訴訟は嫌なことをつつきまわすのだからそれだけでどちらも不快。納得して和解するのは嫌な訴訟の経験が終了することだけでも快と思うことができる。」というように話がまた訴訟にもどります。鈴木さんは「できれば訴訟でなく和解」を勧める主義だそうですが、その理由はこんな脳機能の理解とつながっているのです。
 それでも人間は自分が正しいと言ってしまうと「言ったから」と固執してしまうところもあります。「自分だけ不快なのよりは相手にも不快感を感じさせるほうがまだ良い」という「相対的快」で訴訟に踏み切る場合もあるなど、実際どう行動するかは単純ではありません。「情」が走ってもだめ、「理詰め」に走ってもダメ。池谷さんの言葉を借りれば、人間の脳は「不必要に複雑」になっているのかもしれません。

 「犯行の責任」があるかどうかで「自由意思」についても語られています。最近のニュースでは無差別殺人などの弁護で精神鑑定がされたりしていますが、本書中では脳研究ではかなり話題になった「リベットの実験」をひきあいに出して「自由意思はないんだから罪はない」と言う弁護が実際にアメリカの裁判であった、という話が載っていました。その裁判の結末は・・どうぞ本書をお読みください。「(犯行の)記憶がない」というのは「反抗した自覚がない」のか、「記憶が後で消えたのか」はわからない。こういう判別の難しさも考えなくてはいけない要因です。

 社会的生き物である限り、他者と接触してなにかが起こる。争うことは、次の段階でもっと良い関係を創るために通過しなければならない現象だといえるかもしれません。鈴木さんの「裁判は過去に拘泥する作業。和解はこれからどうするか、の未来の作業」という言葉はとても示唆に富んだ指摘に聞こえました。
 人間の脳には「嬉しそうな状況を見るだけで嬉しくなる」という性質(ミラーニューロンの性質といわれている)もあります。そういったところを上手く生かすようにしていくことが大事なのではないでしょうか。

 「ヒトも生き物」という観点から社会的な現象を考察していくことも大事という考えは随分広まってきたと思います。まだまだ「大胆予測」でしかない部分も多いようですが、「そう考えると理解できる」部分も増えてきています。脳の発達した生き物としての人間が無理のない形で社会生活を心地よく送るためには、脳の機能を良いところも悪いところも理解していく必要があるでしょう。この対談のような形で、本質につながる実際的な話をこれからももっと読ませてもらいたいと思います。

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2010/12/03 12:25

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2010/12/16 23:22

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2011/02/19 14:26

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2011/06/01 23:24

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2011/05/31 14:37

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