紙の本
単なるゴシップではない
2023/01/24 13:53
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投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
『バルタザールどこへ行く』の撮影模様などが描かれるヴィアゼムスキーの自伝的小説。巨匠ブレッソンも形無しであり、最後にゴダールも顔を覗かせる。暴露的といえばそうであるが、単なるゴシップなのではない。
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映画『バルタザールどこへ行く』を見たことがなければ、本書は無垢な少女が大人の世界に足を踏み入れて成長するありがちな小説に見えるかもしれません。
しかし、映画を見ている人であればまるで良質なメイキングビデオを観賞しているかのような気分で読み進めることができます。
ロベール・ブレッソンはいかにも芸術家肌でありながら、理不尽だったり子供っぽい一面があったりもし、主演女優を自分の恋人のように独占しようとします。
また後半には後に結婚(と離婚)するゴダールとの初めての出会いがさりげなく語られています。
小説なのでどこまでが事実かは分かりませんが、映画のシーンを思い浮かべながら読むと感慨もひとしおです。
ということで、これは映画『バルタザールどこへ行く』を見たことがあることを前提とした評価です。あしからず。
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あくまで、小説、だ。しかし貴重な資料にもなりえる。
私は彼女の映画を若いときに観てから(まさにバルタザールだが) ファンだが日本語訳のは少なく、もっとだしてほしい。
いろんな翻訳者で。
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瑞々しさに陶然とする。ブレッソンの『バルタザールどこへ行く』の制作の内幕を描いた事実ともフィクションともつかない小説世界に没入してしまった。モーリアックの孫娘、血は争えない。見た目もタイプなのに、こんな文才まであるなんて。どうしよ。