紙の本
物理が苦手だった人もある程度理解できる本です。
2011/02/20 21:40
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
物理が苦手だった人もある程度理解できる本です。
タイトルにあるように宇宙は何でできているかから問題提起され、解説されていますが、最終的には物質は何からできているかを解明していきます。
本書を読み進めると、まだ解明されていない問題がたくさんあることに気か付きます。というより、問題が解決された先にさらに問題があるという感じです。
素粒子という言葉は、ノーベル賞などの発表で聴くくらいのもの。しかし、日本のノーベル物理学賞を受賞した人たちは、この分野で最も先端を進んでいた人達なのだと改めて認識させられます。
中学校で習う物質の最小単位は原子。さらには原子核と電子というところがせいぜいでしたが、最近ではクオークやニュートリノなど、さらに小さい素粒子や地球上に存在していない素粒子なども理論上から発見されているという事実に驚きを覚えます。
目に見えないものを理論から「存在する」と分かる、この洞察力のすごさは、やはりノーベル賞級といえるのでしょう。
さらに宇宙の大部分を占める「暗黒物質」というネーミングにも驚かされます。
しかも、その正体は解明されていないということ。
今後とも科学が進歩し、新たな発見があるのでしょうが、それと同時に新たな疑問がでてくるのでしょう。
ともあれ、物理学の基礎がもっとあればより深く理解できるのにと思いました。
学生時代、物理もっと勉強しておけばよかったと思う一冊。
龍.
http://ameblo.jp/12484/
紙の本
しゃべり言葉なので、分かりやすい
2024/01/26 19:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは、講演を元に編集されたものだ。しゃべり言葉なので、分かりやすい。たまに(笑)が入るのも面白い。そして、あまりに難解すぎて分かりずらい個所は親切に、ここは詳しい説明はしないので何となく聞いておいてくださいと言ってくれる。
これは、2010年に出版されたものだが、今ではこの分野はもっと進んでいるだろう。宇宙に興味のある方にはお勧めです。
投稿元:
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本書「宇宙は何でできているか」が扱う宇宙論は、ポピュラーサイエンスの世界におけるレッドオーシャンでもある。これは「境界が気になる」というヒトの生理学的特性にてらしてある意味当然でもある。それが対象とするのは、世界の端なのだから。小はプランク単位から、大は宇宙の果て、前はビッグバンから、後はビッグクランチ、あるいはビッグフリーズに至るまで。
目次 - Mailより
序章 ものすごく小さくて大きな世界
宇宙という書物は数学の言葉で書かれている
10の27乗、10のマイナス19乗の世界
世界は「ウロボロスの蛇」
第1章 宇宙は何でできているのか
リンゴと惑星は同じ法則で動いている
リンゴの皮の部分に浮かぶ国際宇宙ステーション
「4光時」の冥王星まで20年かかったボイジャー
太陽光を分析すると太陽の組成がわかる
「発見できないが存在する」と予言されたニュートリノ
ニュートリノは毎秒何十兆個も私たちの体を通り抜ける
すべての星を集めても宇宙全体の重さの0・5%
宇宙全体の23%を占める「暗黒物質」
宇宙の大部分を占めるお化けエネルギーとは
ビッグバンの証拠になった太古の残り火
宇宙は加速しながら膨張し続けている
こんなにわからないことがあるとわかった21世紀
第2章 究極の素粒子を探せ!
皆既日食で証明されたアインシュタイン理論
なぜ見えない暗黒物質の「地図」がつくれるのか
遠くの宇宙を見るとは昔の宇宙を見ること
光も電波も届かない、宇宙誕生後38万年の厚い壁
物質の根源を調べることで宇宙の始まりに迫る
電子の波をぶつけて極小の世界を観測する
光は波なのか粒子なのか - 量子力学の始まり
原子核のまわりを回る電子は波だった!
電子の波長を短くして解像度を上げる電子顕微鏡
加速器で誕生直後の宇宙の状態をつくりだす
私たちの体は超新星爆発の星くずでできている
原子が土星型であることを明らかにしたラザフォード実験
これ以上は分割できない素粒子、クォーク
「標準模型」は20世紀物理学の金字塔
第一世代のクォーク、「アップ」と「ダウン」
誰も探していないのに見つかってしまった謎の素粒子
クォークには3世代以上あると予言した小林・益川理論
物質は構成せず「力」を伝達する素粒子もある
第3章「4つの力」の謎を解く - 重力、電磁気力
重力、電磁気力、強い力、弱い力
力は粒子のキャッチボールで伝達されると考える
質量はエネルギーに変えられるという大発見
「質量保存の法則」の綻びにブリタニカ執筆者も興奮
性質は同じで電荷が反対の「反物質」
毎秒50億キロをエネルギーに変える太陽の核融合反応
不確定性関係 - 位置と速度は同時に測れない?
エレクトロニクス技術として実用化された「トンネル現象」
コペンハーゲン解釈 - 神はサイコロを振るらしい
同じ場所に詰め込めるボソン、詰め込めないフェルミオン
原子と原子は電磁気力でくっついている
電磁気力は粒子が光子を吸ったり吐いたりして伝わる
電��気力の届く距離も不確定性関係で決まる
物理学史上最も精密な理論値
第4章 湯川理論から、小林・益川、南部理論へ - 強い力、弱い力
未知の粒子の重さまで予言していた湯川理論
湯川粒子はアンデス山頂で見つかった
新粒子発見ラッシュで研究者たちは大混乱
「なぜか壊れない粒子」の謎をどう説明するか
陽子の寿命は宇宙の歴史よりとんでもなく長い
思いつき自体がストレンジなストレンジネス保存の法則
陽子・中性子はクォーク3つ、中間子はクォーク2つ
3つの色がついている? 単独では取り出せない?
クォーク理論を裏付けた「11月革命」
強い力を伝えるのはグルーオン
クォークを取り出せないのはグルーオンの色荷のせい
クォークが元気だから体重が増える?
太陽が燃えているのは弱い力のおかげ
月とTGVまで発見してしまった大型加速器
弱い力を伝えるのはWボソンとZボソン
パリティを保存しない「タウ-シータの謎」
「右」と「左」には本質的な違いがあった!
「CP対称性の破れ」を説明した小林・益川理論
「クォークは2世代でなく3世代以上ある」ことが肝心
「三角形」をめぐる日米の激しい実験競争
素粒子に質量を与える? 正体不明のヒグス粒子
右利きが多いのは「自発的対称性の破れ」?
第5章 暗黒物質、消えた反物質、暗黒エネルギーの謎
ゴールに近づいたと思ったらまた新たな謎
暗黒物質がなければ星も生命も生まれなかった
「超ひも理論」は夢の「大統一理論」を実現するか?
本当の時空は10次元まである?
暗黒物質検出、一番乗りはどこか?
反物質のエネルギーは0・25グラムで原爆並み
物質は10億分の2の僅差で反物質との生存競争に勝利
イチゴ味がチョコ味に? ニュートリノ振動の正体
東海村から神岡へニュートリノビームを飛ばせ!
収縮? 膨張? 宇宙に終わりはあるのか?
宇宙の将来をめぐる仮説は「何でもアリ」の状況
一人一人の人生とつながる素粒子物理学
それだけにこの分野では数々の名著が生まれてきた。"A Brief History of Time"(「ホーキング、宇宙を語る」)、「クォーク」、「ニュートリノ天体物理学入門」に「宇宙論入門」…
宇宙論入門
佐藤勝彦
特に「宇宙論入門」は、この分野の第一人者の手によるものであるというのに留まらず、話が「学者離れ」しているという点でもおすすめで、特に最初に登場する「宇宙の晩年」の描写はは、サイエンス・フィクション(そう、ファクトではなく)の短編として「幼年期の終わり」と並び称されるべき一冊だ。本書の後に読むとしたらこれである。
しかしこの「名著のビッグバンぶり」は、選ぶ方としては宇宙論者にとっての相対論と量子論の統一に匹敵する頭の痛い問題で、こうも多いと一体どれから読み始めたらいいのかわからない。いきなり Dirac の「一般相対論」にあたりようものなら、好奇心は恐怖心というブラックホールに吸い込まれ、事象の彼方にいってしまうだろう。
ものごとには、順序がある。
宇宙にも順序があるように。
本書は、「最初に触れるべき宇宙論���の本としては、第一選択肢だ。
まずなんといってもいい意味で著者が「学者離れ」していること。こういう言い方も何だが、著者のユーモアのセンスは日本人離れしている、というか21世紀のネット住人のセンスである。その口調は、まさにデジタルネイティブのものなのだ。
P. 57
また、その存在が予言されているものの、まだ見つかっていない粒子もあります。宇宙の「質量」がそれによって生まれていると考えられる粒子で、予想される量は、なんと宇宙の全エネルギーの1062%。意味がさっぱりわかりませんね。
ヒッグス粒子ふいた。
P. 108
これは重力や電磁気力とは違うもので、名前は「強い力」。小学校の校歌に出てきそうな言葉ですよね。
さくらんぼ小学校の?
P. 208
そう聞くと「反物質は危険だ」と思う人もいるでしょう。でも、反物質をつくるには大変なエネルギーが必要です。0.25グラムの反物質をつくるのに電気代を計算した人がいるのですが、なんと1兆円の1億倍もかかるとのこと。『天使と悪魔』では、CERNの科学者が所長に無断でつくったことになっていますが、それだけの無駄遣いに気づかないほど巨額の研究予算があるのだとしたら、実に羨ましい話です(笑)。
村山せんせえ、まさか「宇宙物理学者だけど質問ある?」とかいうスレ立ててないでしょうねえwww
それでいて、きちんと最新の理論と観測に基づいて話を進めている。白黒ではあるが図版も新鮮なものを利用しており、新書という読み物よりも「ニュートン」や「日経サイエンス」を見ているような気分になる。「古典的名著」だと、このあたりが古かったりするので、ビジュアルな訴えが欲しい人はあくびが出てしまう。
もちろん宇宙物理学は新書一冊で学べるほど簡単ではない。本当にわかりたかったら著者のように学者となるしかない。しかし学ぶ前には、そこに学ぶべき何かがあることを知る必要がある。本書が優れているのは、まさにそこ。本書を読んでも理論、すなわち「そうなる理由」はわからない。わかったといったらそれはウソである。しかし「何を知ろうとしているのか」、そして「知るために何をしているのか」を、本書ほど上手に訴えた一冊を私は知らない。
検索した限り、本書は著者の初単著ということになるようだ。初めてでこれとは。サイエンス・コミュニケーションにおける著者の発見は、J-POPにおける宇多田ヒカルの発見に相当するのではないか。
本書の名前、「宇宙は何でできているか」は、もちろん What is the universe is made of という意味であるが、とりようによっては What is the universe made for、すなわち「宇宙は何故つくられたのか」という意味にも取れる。
P. 225
一方、「こんなことを調べて一体何の役に立つんだ?」と疑問に思われた方もいると思いますが、いつもこのように答えています。「日本を豊かにするためです」。
宇宙物理学者らしからぬ、「中途半端な大きさ」の答えではないか。最小でも最大でもない。
最小は、「自分を豊かにするためです」であり、最大は、「宇宙を豊かにするためです」ではないのか?PRでは誤解されがちな前者を避けるとしたら、残るのは後者の方である。
そう。宇宙を豊かにするため。「宇宙は何故つくられたのか」、そもそもそれに何故があるかどうかはわからない。しかし宇宙を知る宇宙の一部がある宇宙と、それがない宇宙とでは、前者の方が豊かな宇宙ではないのか?
そして宇宙を知る宇宙の片隅は、別の宇宙の片隅をも豊かにせずにはいられない。
だから自分という宇宙も豊かにしなければならないのだ。
著者は宇宙が豊かになっていくよろこびを、別の宇宙に伝えるのが最も上手な宇宙である。これからも多いに豊かになり、そして豊かにしてほしい。
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私でも読めたー
日本語は平易なのに内容が難解・・・って久々でした。
この世にあるのもは4つの構成要素で説明できますよ♪
ただし!暗黒なものとパワーはまだ秘密。
ウロボロスの真ん中しかわからない私ですが、少しずつ頭としっぽに向かってみたいと思います。
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文章が面白くて引き込まれた。非常に面白かった。
だが、内容はさっぱり理解できない(笑)
科学の進歩が着々と行われているのがわかる。
そのうち宇宙の謎が全て解明されるような気がする。
だが、ひとつ謎が解明されると、また新たな謎が出てくるのが宇宙。
多くの日本人が、この謎解きに貢献していることがわかる。日本人としてうれしい。
■この本を知ったきっかけ
小飼弾 404 Blog Not Found の書評
■読もうと思ったわけ
書評で面白そうだと思ったので。元々宇宙には興味があった。
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『宇宙の将来をめぐる仮説は「何でもアリ」の状況』
『宇宙にはまだまだ謎がたくさんある』
そこがわくわくする。
話す順番をものすごく工夫しているんやろな。
とてもわかりやすい。
僕もこんなふうに伝えられるようになりたい。
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『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか』
画家ゴーギャンの有名な作品であり、言葉ですね。
宇宙と私、どうしてもここにいたるのです。
何かが呼んでいる?どうでもいいことだ。
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この本でクローズアップされているニュートリノ。
つい2日ほど前に、ニュートリノが光よりも速い!(かもしれない)
というニュースが報道されましたね。
再実験がされるということだけれど、もし、これが
事実だとしたら、今までの色んな物理学の法則が
根底からひっくり返されて、この本に書かれていた
アインシュタインの法則も、「かつてそう言われていた」に
変わってしまうのだね。
でも、天動説が間違いであったように、
今までこうだと信じていたものが誤りで、
そこで挫折せずに新たな法則で考えてみようとする、
人間の不屈の精神というか根性、情熱、むしろ執着心って
凄いなと感心する。
この本の2~4章は、残念ながら
その1/3も理解できてないんだけれど、
面白いなって思ったんだよね。読んでいて飽きなかった。
分からないけど、分からないなりに、物質として在るという
ことがどれだけ驚くべきことなのかっていうことが分かった。
宇宙とは人間とはという疑問は、哲学の時代から
ずっと抱えつつけている難問なんだね。
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門外漢には難しい部分もありましたが、最後まで興味深く読めました。噛み砕くために、相当の苦心をされているのだと思われます。日々を生きて行くためには、何の役にも立たない領域かも知れないけれど、こういう「不思議」に時に思いを馳せてみるのも、「豊かなこと」なのかも知れません。
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今読み始めたばかりだけど、読みやすくてとても面白い。
実際の距離等の比較が、解りやすくて数学が
ベースにあると理解を助けてくれると実感する本。
日頃から不思議だと思っていることと、高校時代に学んだことが
ぴったり出会った印象です。
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所々に挟まれている研究を巡るエピソードがとても面白い。また、イメージしにくい理論や現象の比喩もわかりやすい。しかし、様々な物理学の用語には注釈も必要だろうし、図版も難解に感じる。このページ数に収めるために無理をしている印象がある。
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「宇宙は何でできているのか」をテーマに物理に対する教養がある程度身につく本。
ブログはこちら。
http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/3094055.html
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量子力学と宇宙観測、2つの視点から世界を理解しようとする本。極小の世界と極大の世界は繋がっており、それらはウロボロスの蛇をなしている。物理学分野の話は大概難しい数式のオンパレードになりがちだが、本書ではそれを数式など用いず、口語で簡潔にまとめています。帯にも『わかりやすい』『おもしろい』『ワクワクする』と書いてありますが正にその通りの本でした。このような本は巷に溢れていますが、この本が他と違うのは、著者しか知り得ないような物理学者たちの小ネタだと思います。小柴さんのニュートリノ発見のくだりなどクスッとするような話が沢山あります。
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量子力学の基礎から発展するのだが、平易な言葉で量子力学の説明が記載されており、量子力学の話に引きこまれてしまった。フォトンってすげぇ
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宇宙が好きで、宇宙の謎には大きな興味がある。
でも知識を深めようと何か行動しているわけじゃない。
そんなことを考えているときに見つけた本。
内容の半分以上理解できなくて、ただ文字をなぞるだけの項も多かった…
だけど、ワクワク感は半端なかった。特に物質は何で出来ているかと、どんな力が働いているかを紹介する章は面白い。
著者特有のガス抜き的な余談もセンスがあっておもしろい。
この著者、はやぶさ帰還と粒子の発見にとても感動しただろうし、スパコン問題に対しては大きな怒りを抱いただろう。なんだかそういった熱い思いが言葉のいたるところから伝わってきた。
はやぶさ帰還の際のこともそうだけれど、やっぱり科学者(この著者の場合は物理学者か)はロマンチストだなぁ!
またこの本の印税がIMPU(数物連携宇宙研究機構)の活動資金に充てられるとのこと。何かの足しにでもなればなあ。