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ジャーナリストを狙った連続誘拐事件を軸に、コロンビアの一時代をあぶり出した作品。
最初から最後まで、息もつかせぬ密度で、誘拐されたジャーナリストの生活と、犯人との交渉が描かれる。
予告された殺人の記録では、ミステリーの要素を含めた物語という形で、近代化に喘ぐ人々を描いたが、本書はルポルタージュとして、よりダイレクトに現代コロンビアの闇を記録した。
ジャンルは異なるが、ガルシア=マルケスの作品のなかでは、同じ香りがする。
(2012.7)
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「誘拐の知らせ」 ガルシアマルケス
1ヶ月近く、読んではこれだれだっけ?って戻って読み直して・・・を繰り返してやっと読了・・・時間かかった。
ノンフィクションだけに人物が多く、いくつもの(もう何人誘拐されたかも忘れた・・・)誘拐事件が絡み合って、人物の名前がスペイン語で頭に入りずらく・・・ページにびっしりと文字が埋まってて・・・
読むのは大変です。ただ、その分読了感は大きく、ひとつ山を登った気もするような内容でした。
麻薬カルテルを抱えるコロンビアの特異性というのが理解しがたいところだけど、作者の構成力がすばらしくて、途中まで時間は掛かるけどラストは一気に読みきる感じ。(1ヶ月の大半は中盤まで・・・)
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最近、マルケスの本がよく平積みされてるから手に取って見る。
コロンビアがこんなにも荒れている国だったなんて知らなかった。まさに無法地帯な、想像を絶する荒れ方。
ジャーナリストとしてのマルケスの表現。
小説のような幻想的な表現はないが、政治的な権力闘争やマフィアの世界の栄枯盛衰の姿は、マルケスの小説作品にも通じるか。
コロンビアの現代史に興味がわく作品。
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ノーベル賞作家のガルシアマルケスが、コロンビアで多発する身代金目的の誘拐事件を取材したノンフィクションです。
麻薬組織による誘拐の被害の実態や、対立する組織や政府と繰り広げらる麻薬戦争の経緯から、コロンビア社会が抱える貧困などの重層的な問題が明らかにされていきます。
スピーディーな展開ではありませんし、日本人にはあまり馴染みのない問題なので、特におすすめはしませんが、内容は非常に濃いです。
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コカイン取引による巨万の富により、コロンビア一国の政治をも動かす組織となった”メデジン・カルテル”。政治的要求を認めさせるための手段として、政府関係者の家族やジャーナリストの誘拐を組織的に行い始めたのが1990年代。本書が出版されたのは1996年。
コロンビアのノーベル文学賞作家、ガブリエル・ガルシア=マルケスが3年の執筆期間を使い、自ら加害者、被害者に取材して書き上げた一冊。そうとなれば興味を惹かれないのが無理というもの。
形式的には完全なノンフィクション。著者による直接的な論評は一切ない。そうではありつつも、単純にメデジン・カルテル側を批判して切り捨てる姿勢ではなく、黒幕パブロ・エスコバルをある種”大立者”として伝えるところは、著者の政治的信条として、さもありなん。
息の詰まるような監禁生活の描写であるとか、解放される者と殺される者の運命の描き分け等、さすがマルケスと唸らされる部分は枚挙にいとまがない。
訳者による解説も、大作を読み終えた高揚感を適度に冷まして現実を見つめなおさせる意味で優れており、2010年(文庫版出版時)時点でもコロンビアでは誘拐が横行している状況を報告している。