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ロレンス短篇集は2冊目。相変わらずオモシロイ。クライマックスがどれもロレンス的。
・ステンドグラスの破片★★★☆☆
・ストライキ手当★★★☆☆
ラストシーンが印象的。妻の態度は意外だが、妻の気持ちの記述に納得。
プロシア士官★★★★☆
ほとんど意味もなくひどく癪に触る人がいるが、そんな時の心理を細かく分析する。鮮烈な人間と自然の描写。ラストシーンは皮肉。ロレンス的。
木馬に乗った少年★★★★☆
母親を想う息子の気持ちが、少年に死をもたらす。彼は一体なんのために生まれてきたのか。母親の贅沢を支える為か。少年は自分の運と命を母親が贅沢をする為のお金に変えて死んだのか。悲しい物語。
太陽★★★☆☆
裸体で歩く主人公を通して、肉体の官能をフォーカスする。最後はやはりロレンス式。うまく行かない世界。
アドルフ★★★☆☆
野生の弱者の意地を表現。
英国、わが英国★★★★★
活動力と凶暴性を得た途端に情熱的に愛し始める妻。そしてすぐに厭きる二人。
ウィニフレッドはロレンスの母親に近いらしい。 母親の父は伝道牧師、母方の祖父は著名な讃美歌作曲家だった。しかし若い頃はスラム街に住んでおり、それを自信に満ちた誇り高い態度で隠した。ロレンスは16歳のときに死線をさまよう肺炎で寝込んだことがあるため、それがこの本のきっかけになったのかもしれない。1915年版とその後の改編版があり、ラストシーンは特に異なる。