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お名前の三十二というのが気になる。
外務省は「伏魔殿」と言われたり、官僚に対する批判的な意見も多いが
きちんと仕事している方はしているのである。
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・最近まで外交の一線で活躍していた著者が外交の現場や日本の進むべき道などを記したもの。
・書中にある日本の国際社会への貢献、日本文化の良さ、については、相手国は勿論のこと、自国民の認識も低い。自国内でのプレゼンテーションの工夫も必要。また、国内で身近なところで国際社会を感じる活動をしていくことも必要。
・交渉では信頼関係を確立することが必要。そのツボは、
①ウソをつかず、欺かない。
②絶対に必要なこと、融通の利くことを分け、優先順位を相手に分かるように伝える。
③ダメなこと、デリバーできないことは、はっきりと言う。
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日本が今後どうすべきかという大局観、外交だけではない交渉の本質について。
思考停止にならず、考え続けること。
第1章
p.18(Noと言える、言えないの)返事は違うにしても、相手の要求を待てから答えるという点は同じで、どちらもアメリカ待ちの姿勢に過ぎない。
p.19(同盟国だからといって)何から何まで同じである必要はない。自らの問題として、自らの考えで動いてはじめて評価される。
p.28所掌による各省のディフェンス中心の協議
p.35プレゼンテーションの重要性 俎上にあがった問題に対する言い訳と具体性のない対応策では相手に売れない。
問題を認めて、その上で、対策は大胆に、かつ目標は明確にもつ。
第2章
p.39(アメリカからの)外圧に対する、マスコミによるマッチポンプの敏感な反応
p.41論理だったオフェンスが重要
担当分野の保護だけを考えるのではなく、何を確保するために何を譲るのか
p.55恒常的に使い慣れたフレーズによる思考停止(ex.理解いただきたい)
外国に兵を出さない理由として、憲法上の制約を理解いただくのではなく、日本としてできること、平和構築活動をしっかりと行い、伝える
p.63日本の外交は、はじめに「No」、その後ずるずると半分又は2/3譲歩
「できない」を繰り返すのではなく、「何ができるのか」を自分の発意で示す。
○辺境的習性として諦めるのか?
→諦めた後に見えるものもあるが、諦めると思考停止になる分野もある。
第3章
○システム標準化 南米での地デジ標準獲得butいち早く進出したのはサムスン、LG
○日本の一番の問題は、デモグラフィー
仏対応
1.子供を持つことによって新たな経済的負担が生じないようにする
2.無料の保育所を完備する
3.3年後に女性が職場復帰する場合は、企業は3年間継続勤務していたものとして扱わなければならないようにする
藪中氏案
1.ハイテク人材の大幅受入
2.介護サービス人材の大幅受入(単純労働者も受け入れる)
3.受入の際の日本語教育の充実
4.不要駅の公的保育所(街のコンパクト化にも寄与)
5.市のセンターにデイケア介護施設
第4章
交渉の事前準備
1.相手の国は何を狙っているのか
2.交渉と結論を急いでいるのか(交渉のペースを選べることの重要性)
3.相手国の力はどれくらいか
4.交渉担当者の人となり、国内における力量
○本音の要求に、的を得た対応をする
交渉の要諦
1.嘘をつかず欺かない
2.絶対に必要なことと融通の利くことを分け、優先順位を相手に分かるように伝える
3.ダメなこと、デリバーできないことは、はっきりと言う
○はじめはダメ元で全要求、全拒否する必要があるときもあるが、そのときも嘘はつかない。
○攻めの姿勢を忘れない。先方に非があればしっかりと指摘する。
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様々な国との交渉がニュースになるたび、著者の顔を見ていたが、『外務省事務次官』といった肩書きをみるだけで、なにやら融通のきかない、機械のようなキャリア官僚なのだろうと勝手に考えていた。
しかし本書を読むことで、テレビの画面で見ていたイメージとはかけ離れた、憂国の元外務高級官僚の姿が浮かび上がった。
自らが体験したことでしか語れない外交の実状、各国大使の日本評、サミットにおける我が国の首相の姿……。外交官はパトリオットたれ、という著者の言葉がすんなりと入ってくるほど、日本に対する氏の想いを強く感じる一冊であった。昨今キャリア官僚に対するイメージは低下する一方(私も寄与する一人)であったが、現実には、マスコミをはじめとした世論に叩かれながらも、プライドを持って国のために働くキャリア官僚は、間違いなく国家を支える屋台骨だと感じた。『伏魔殿』とまでこき下ろされた外務省であるが、本書を読むと、外交官がどれだけの勉強をし、身に付けた知識をベースにギリギリの交渉を行い、国益を守ってきたか、考えさせられる。少なくとも、親の地盤、看板、鞄を引き継いで当選した国会議員よりは、国のためになっているのだろうと思う。今後も、氏のような熱い想いのある人が、国の代表として活躍されることを、願うばかりである。
私のような無学な人間には啓蒙書というより、興味深い読み物であったが、キャリア官僚、政治家には意義深い啓蒙書となるのではないか。ぜひ読んでもらいたいものである。
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外交論がテーマとなっている本書だが、広い意味で交渉とはどういうものなのかについて考えるきっかけをもらえる(自分自身はさまざまな外交問題については非常に「疎い」方なので、各章における各論は「へぇそうなんだ」というレベルでしか読めなかった、ということも一応書いておく)。
一点根底にあるテーマをピックアップすると、途中にも一項目書き出されており、交渉術という点ではよく知られてはいることではあるけれども「51対49の原則」について。本書ではさまざまな外交の現場を通して読み解くことができる。もちろん、実際に外交官として活躍されていた著者によるものなので、非常にリアルで、かなり生々しいなぁというものもある(各論は、かなり淡々と描写されているのではあるが)。
応用していくなら、例えば現在、いやこれからさらに国民全体を巻き込んだ内政問題となっていくであろう原発の問題。残念なことに「原発推進」「反原発」というやたらと極端な二元論になってしまっているところに、(恥ずかしながら自分も震災前はそうであったであろう)無関心層が巻き込まれてゆく。この議論中で、いろいろな立場の代表者が、どのように交渉していて、どのような落としどころに向かっているのか。一市民として流れを冷静に読み解く必要が出てきた際に、極論に流されずにきちんとモノを考えること。一市民として微力ながら「その落としどころに賛成」というところにきっちりと誘導する/されること。そんなことを考えるベースにもなった。
政治家でも運動家でも活動家でもない、ただの一市民だからこそ、何度でも繰り返し読んでおきたい一冊。
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2011/4/8読了。
外交の最前線でどんなことが行われているのか、交渉の現場から見た日本の現状と今後の課題には説得力があった。新聞やニュースで見れるのは交渉の結果のみであるが、そのプロセスにどのようなやりとりがあったのか、どのような妥協点に落ち着いたのかを含めて評価することが重要なのだろう。日本が抱える諸問題が他人事ではなく、自分たちの問題であることを今一度自覚せねばならないと強く感じた。
・日本は外圧を待ってそれにどう対応するかを考える傾向にあるが、自ら積極的に動いて流れをつくることも覚えなければならない。
・世界では、受け身のアプローチは評価されない。ロジックに裏付けされたオフェンスが肝要である。
・お決まりの2つのフレーズ。「ご理解いただきたい(Please understand)」と「これでは関係がもたない」。事情を分かってもらうのではなく説明せねばならないし、少しの意見の不一致で壊れるような関係は多くない。
・交渉の場では、何ができないかではなく、何ができるかを示さねばならない。
・ODAによる技術や人的支援は、軍隊派遣とは異なった面で日本の強みが発揮される場である。
・外交官はパトリオット(愛国者)たれ。
・日本が抱える最大の問題はデモグラフィー(人口動態の変化)である。つまりは少子高齢化と人口減少。
・感染症対策をサミットに持ち込んだのは日本であり、その貢献は世界的に評価されている。
・日本の強みは技術力とチームワーク。それを武器に技術の世界標準を築けるかが今後の勝負。そのために若者は海外を知らねばならない。
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言葉が分かりやすくて頭に入りやすかった。ニュースだけでは分からない、外交というものが垣間見られた気がする。グローバルな場における交渉の難しさ、ロジックの大事さ。
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外務省のアメリカンスクール出身で事務次官まで上り詰めた、外務省のエリート官僚の退官記念出版本。
内容自体にも突飛な発想は無く、外務省主流派の漠然とした方向みたいなものに触れる事は可能。奇抜性無く、特に面白くはない。これからもこのままの外交でいいなら、このような考えもありか。
これよりかは、同じく事務次官を退いた谷内正太郎氏の『外交の戦略と志』の方が信念、主張は強いものがある。
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著者の業績を振り返りながら、外交の舞台裏に目を向ける。
条約や声明という形で出てくるまでには、担当者の地道な努力がありそうだ。
相手の動きに過剰反応すると付け入る隙を与えるのだという。
日常にある交渉ごとにもいえることかもしれない。
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報道ではわからない実際の外交交渉の進め方や、事務方の苦労がわかりやすく書かれていて良かった。政治や経済が身近に感じるので、中高高校生が読むのにもよさそう。
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外交官として世界での日本の立場を分かりやすく説明してくれてよくわかったよ。ちなみにこの本をもっと早く読んでれば今日の日経テストで三問正答できた。とてもタイムリーな内容でした。(^o^)
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外交の現場について軽いタッチで触れていてまぁまぁおもしろかった。
北朝鮮がマスコミとか国内のプレッシャーがないからそうゆう点で有利だとか、チャイナが米国と交渉する際に「攻撃は最大の防御」を体現してたりだとか、日本にできる人的貢献は軍事である必要はないみたいな、なるほどねと思うことも多かった。
あとはODAにいろいろ批判もあるけどそれを必要としてる国があるとゆうこと、ASEANや他の環太平洋諸国なんかとの関係、チャイナとのガス田めぐる交渉、G8の裏方的なシェルパ(ヒマラヤの山の道案内)の実際とか、おもしろい小ネタが多いです。
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実は…みたいな外交裏側話は特になし。
政治家のことはあまり評価されていないみたいですね
(小沢さんと小泉さん以外は)と読みました。
交渉は人間関係。
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題名程、深刻じゃないね。まあ深刻さを期待した訳ではないけどね!
シェルバのとことかおもろかった。
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著者は長年外交交渉の最前線に立っていた外交官。リアルな国際交渉の激しさ、厳しさが生き生きと伝わってくる。文庫本で簡単に読めるので、通勤電車の中ででも一読をオススメしたい。