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玉工乙女 みんなのレビュー

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紙の本

共時性ということばがあります。もし、『乾隆帝の幻玉』を先に読んでいなければ★四つをあげてもおかしくありませんでした。でも、リアルな『乾隆帝』をまえにするとファンタジーの限界が見えてしまう。ま、カバーは圧倒的に『玉工』の勝ちなんですが・・・

2011/11/02 21:27

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

勝山海百合『玉工乙女』って、凄いなって思うんです。字を見ているだけで勝手なイメージが湧いてくる。それに加えて、Sino の装画がいいんです。無論、カバーの地の色がいいことは言うまでもありません。近寄ってみればまるで違うんですが、遠目の印象は中島潔の絵です。線と色の感じがどことなく似ている。ま、可愛さでいえば圧倒的に中島なんですが、でも雰囲気が似ているんです。装幀は、ハヤカワ・デザイン。

カバー折り返しには
         *
彫って彫って彫り続けるの――
普通の村娘の黄紅は、石印のつまみに
細工をほどこす職人を夢見て、腕はいいが
だらしのない師匠を叱咤しつつ、毎日教えを
請うていた。やがて黄紅の作品は目利きに
認められ、ついには憧れの競刻会への出場
が決まるのだが・・・・・・。

いつか女に戻れるのだろうか――
男装の少女、沈双槿は悩んでいた。
か弱い弟が魔物に狙われたため、弟に女装させて
自分が男となり、敵の目をくらますために耐え忍んで
いたのだ。だが、苦難は続き、妹までもが魔物に
狙われてしまう。沈双槿は妹を救う決意をし・・・・・・。

たとえ何があろうとも、選んだ道を進んでゆく。
ひたむきな二人の少女が彩る、
不思議な中華小説。
         *
とあります。あれ、どこかで読んだような・・・。劉一達『乾隆帝の幻玉 老北京骨董異聞』がそうでした。時代はともかく、舞台が中国で、扱われるのが〈玉〉で、その加工が加わる、しかも職人が若くて、テッペンを目指しているところなんかは、男女の差はあるのですが、同じです。ただ、『玉工乙女』には、工芸版スポ根小説の趣があるのに対して、『乾隆帝の幻玉』は、一つの玉をめぐって様々な人間が入れ代わり立ち代わりする輪舞のような感があるところが違います。

それと時代です。『玉工乙女』は中国の政情がそれなりに確固としていますが、『乾隆帝の幻玉』には押し寄せる列強の陰が落ちていて揺れています。物語にも外国人が登場して重要な役割を果たす。それが物語の、救いのある無しに繋がるのですが、そこには著者の国籍が影響しているのかもしれません。私としては、暗く始まり暗いまま終わる話より、明るく終わる『玉工乙女』のほうが好みですが、記憶に残るという点では、逆の結果になります。

『玉工乙女』の主人公は二人の少女です。黄紅は、当時としてはごく普通の村に生まれた娘で、これもまたよくあるように親元を離れまちの店・鶺鴒閣に住み込みで奉公し、箱細工の親方の下働きをする13歳の少女です。当時のことを考えれば、彼女が字を読むことができないというのも、取り立てていうべきほとのことではないでしょう。ただし、この少女、育ちは普通でも他人にはないものがありました。それが玉(本でが、石、と書いてあります)を加工する技術です。

彼女の才能を見抜き、黄紅に石の細工を教えることになるのが周千麒、筆でもって口に糊している無錫のもの、というと分かりにくいですが、画文を売って生計をたてている、ちょっと妖しげなオジサンです。書画はもとより彫鈕もたしなむ才能の持ち主です。黄紅が注文の品を届けた楊先生の知り合いで、彼女が働く鶺鴒閣で画文を売ることを認められことになります。この出会いの部分は、よくある展開ですがコミカルでつかみとしては十分でしょう。

もう一人が、杭州の商家・沈家の娘で沈双槿です。父親は沈太正、杭州の商家・沈家の主人で、王氏、葉氏、李氏の三人の夫人を持っています。双槿は、そのうちの葉氏の娘です。彼女には弟と妹がいて、ともに美形ですが、家の跡取りである長男の阿妹は李氏の子供で、女児の服装をさせて育てられています。逆に、女の双槿は、魔物に魅入られた弟を救うために、4つ年下の阿妹が13歳になるまで男装をさせられています。

男が主導権を握る世界で工人として腕を磨こうとする少女と、画を描くことを好む男装の少女、姉を「中のお兄様」と呼んで慕う美しい妹、そして女装した異母弟。子供たちは伸び伸びと生きてはいません。社会の、親の思いの中で不自由さの中で、何とか自分の望む生き方をしようと苦しみます。ただ、今考えると、黄紅の置かれている状況は極めてリアルなのに対し、双槿のそれは伝奇的、ファンタジック。リアルで押し通した『乾隆帝の幻玉』を読むと、それが印象を弱めているのではないかと思ったりします。

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