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無縁社会 “無縁死”三万二千人の衝撃 みんなのレビュー

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みんなのレビュー83件

みんなの評価3.9

評価内訳

81 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

新しい絆を求めて

2010/12/22 08:39

8人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 今年(2010年)の流行語大賞にも選ばれた「無縁社会」。そのもとになったのが2010年1月に放映されたNHKスペシャル「無縁社会」です。本書はその番組を核にして、その後の反響で製作されたNHKの放送内容を補いながら、まとめられた一冊です。
 「無縁社会」とは、「つながりのない社会」「縁のない社会」といったことを指す造語です。単身世帯がかかえる「無縁死」という衝撃が大きな反響を呼びました。
 「無縁社会」は、身寄りのないことを指してはいません。たとえ身寄りがあっても、彼らはその縁をもてないでいます。
 従来、この国には「血縁」というつながりがありました。家や家族、親族といったつながりです。あるいは、「地縁」というつながりがありました。故郷や地元といった、その人にとっての場所的な拠りどころです。さらにいえば、「社縁」という、自分が勤める職場を介在としたつながりもありました。「無縁社会」はそれらのつながりを維持できない人々のありようです。

 本書のなかにたびたび出てくる言葉があります。それは「迷惑をかけたくない」という言葉です。この言葉が意味することは、「無縁社会」を考えるにあたってはとても重要に思います。
 この言葉の主語は明らかに「私」です。「無縁社会」に生きる人は自ら「血縁」「地縁」「社縁」に対し、「迷惑をかけたくない」という一言で「縁」を断ち切っています。
 「縁」とは一方的に「迷惑をかける」ことなのでしょうか。「縁」とは「迷惑をかける」だけでなく、「迷惑をかけられる」ことでもあるはずです。「迷惑をかけられる」側が「縁」を切ることは想定できますが、彼らはそうではない。「迷惑をかける」ことだけを気にします。つまり、「迷惑をかけられる」、そして「面倒をみる」ということを想定していません。これはどういうことでしょう。

 本書で紹介されている哀しくつらい「無縁社会」の現状をどう解決していくかという答えがそこにあるような気がします。
 「迷惑をかけられる」生き方を選択することで、「絆」を取り戻すことに、新しい「縁」のつながりになるのではないでしょうか。
 この本は新しい生き方を考える一歩を提供してくれています。

 ◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。

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紙の本

人は一人で死んでいくものなのか

2011/10/18 20:17

7人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:想井兼人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 誰にも引き取られず、自治体により火葬、埋葬された遺体、約3万2千人。NHK取材班による調査が明らかにしたこの数字。地縁も血縁も社縁も崩壊し、ひとりぼっちで死を迎える人が、日本で急増している。本書はNHK取材班がいわゆる無縁死が拡散しつつある日本社会を無縁社会とし、取材成果をまとめたものである。

 本書を読むまで無縁死について偏ったイメージしか持っていなかった。都会に出てきた人で、仕事に邁進しすぎて過程を顧みなかった企業戦士か、生涯未婚の男女。前者は退職により社縁が途切れ、その時には家族との間に埋めがたい溝ができてしまい、離婚というパターン。後者は、様々な事情はあるが、生涯未婚が理由で無縁の死を迎えるパターン。本書にはどちらも登場するが、それだけに留まらない。

 122~123頁にNHK取材班による聞き取り調査の結果が掲載されている。それは無縁死予備軍とも言える、団地に住まうひとり暮らしの人たちに対するもの。回答者の85パーセントは65歳以上とのことだ。彼らのひとり暮らしのきっかけは、「配偶者の死亡」が最多で56パーセント、「子どもの独立」が20.8パーセント、「未婚」が15.2パーセント、「離婚」が8パーセントという。

 この調査結果は衝撃だ。配偶者の死亡、子どもの独立で一人身となった人が全体の75.8パーセント!当初、イメージしていた無縁な人びとの3倍もの割合を占めている。このデータは日本国中のだれもが無縁死を迎える可能性があることを端的に示している。

 この事実に強い反応を示したのは、高齢単身者ばかりではなかった。NHKでのテレビ放送後に働き盛りの年代である30~40代がツイッターで自身の不安感を呟き始めたという。今の30~40代はロストジェネレーション、失われた世代とも呼ばれる世代。バブル崩壊に伴う就職難のあおりをうけて、いまだに非正規雇用という立場に追いやれている人が多い世代。テレビに映し出された無縁死の人びとや無縁死予備軍と自身の姿を重ね合わせ、先の人生に強い絶望感を抱いたようだ。

 ただ、本書にはかすかな光明も示されていた。無縁社会を描いたNHKの放送後、番組に登場した無縁死予備軍の人と一度縁が切れた人たちが連絡をとってくることがあったというのだ。このことは一度無縁に陥り社会の外に放り出されたと絶望するよりも、自身から歩み寄ることの大切さを示している。縁は自らの努力で繋ぐことが可能なのかもしれない。

 都会に雇用が集中し、人口も金のそこに流れた。しかし、血縁、地縁は断ち切れるようになり、社縁も退職と共になくなる。誰もが無縁死を迎えかねない今の世の中。その実情を理解しつつ、どう人生設計を組み立てていくかは人それぞれ。軌道修正もその人次第だ。本書は人生設計や人生の軌道修正のヒントを与えてくれると考える。決して絶望をあおるだけのものではないことは間違いない。

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2010/11/17 22:16

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2010/11/24 00:21

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2010/12/09 16:00

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2011/05/04 08:22

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2010/12/29 15:36

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2011/01/04 17:04

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2011/04/23 12:07

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2011/01/20 07:43

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2011/01/27 10:50

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2011/01/31 16:22

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2011/02/01 11:51

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2011/02/06 10:48

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2011/02/06 22:53

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