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紙の本
活字に起こした落語として読むか、あくまでも小説として読むか。
2011/02/01 22:59
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:安之助 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の表題を、最初、目にしたときは、古典落語に「宿屋の富」という演目があるので、正直な話、それと混同していた。ところが違った。談四楼のオリジナル。『ちくま』連載を単行本化したものである。
左官の次郎兵衛が珍しく賽子博奕で大勝ちした。皆に、椀飯振舞をしてるところに、寄ったのが、大家の昔馴染みの日向屋の隠居。聞けば、隠居して、暇を持て余しているから、富くじ売りをやることになった。ちょうど、一枚、売れ残りがあるから、「次郎さん、買わないかい」と水を向けると、次郎兵衛は気が大きくなっているから、一分を出すことにした。なんと、それが一番富・千両が当たったのである。金をめぐる長屋の人間模様。
これは「小説」なのだろうか。というのも、本書は“地の文”が、全く存在しない。つまり、全文、会話だけで成り立っているのだ。だから、注意して読まないと、発言者が誰かが分からなくなる。もっとも、落語がそうであって、地の文がある場合でも、時間的経過とか、情景の描写だけで、いちいち、「と、○○が言った」など挟まない。著者は立川流真打噺家だから、噺のスタイルで書いたほうが、よかったのだろう。
実際、「長屋の富」は高座に掛けられているようだ。ただし、時間的に、連載を終えたのが先か、それとも、既に、作り上げられていたものを活字化しただけなのかは分からない。
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