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読まなくなったので処分。
「幻肢」という体験について。
そのメカニズム。治し方について。
脳はかくも複雑で美しい。
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PTとして特におもしろいのは
第4章 脳のなかのゾンビ
第6章 鏡のむこうに
第7章 片手が鳴る音
この本をきっかけに中枢神経疾患にも興味が強くなった。
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面白かった!
昔、画像処理の研究をしていた時に、プログラムでできることと、人間の脳が行っている処理の差の激しさに愕然とした事があります。
何故そんなに差があるのか、その一端が少し分かった気がしました。
ちょっと理解しきれないところもありましたが、大変興味深い本でした。
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世界観を変える本に出会う体験が人生に何回あるだろうか。この本は間違いなくそういう稀有な本の一つで、自分が普段ながめている世界の在りかたに疑問を投げかけた。
登場するのは、あるときは脳に損傷を受けた患者たちであり、またあるときは異常なまでに研ぎ澄まされた才能を備えた者たちであった。一つエピソードを挙げる。卒中を経験した患者の中には左手(なんと左手の場合だけである)に後遺症として残った麻痺を頑として認めない者がいる。彼らは「それは自分の手でなく死体の手だ」とか「本当は動くけれど、あなたを傷つけないために動かさないのだ。」といった支離滅裂なことを真顔で言う。笑い話ではなく、彼らは大まじめなのである。これは左脳による情報の組み込みと既存の記憶との整合化が、損傷を受けた(違和感に気付く働きをもつ)右脳頭頂葉の働きを圧倒するために起こる現象なのだと、筆者は主張している。
読んでいくうちに脳という馴染みのある器官の、これでもかという複雑さを感じる。我々が見ている世界は(未知の働きをする)脳が処理した世界であり、脳へのちょっとした損傷で容易に捻じ曲がる世界である。見ようによってはこれは救いかもしれない。分かり合えない相手に悪意はないとえるかもしれないからだ(そもそも見ている世界が違う)。しかし自分の世界と,相手の世界が全くの別物であるという絶望感も,また感じてしまう。(人は永遠に分かり合えないのでは?) まあこれは本の内容から踏み出したごく個人的な感想だが。
最後であるが、この本は文章もすばらしい(訳も)。書き手が研究を心から楽しんでいる様子に,こちらまで鼓舞される。人生は短い。自分が本当に興味を掻き立てられることをやってやろう、と思わせるような力強い文章である。
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「人間の脳は宇宙でいちばん複雑に組織された物体である」(33頁)という。この複雑な脳のおかげで,ひとはものを見たり,言葉を話したり,情緒を感じたりできる。では,このとき,脳の中では何が起こっているのだろうか。本書は,脳の働きや人間の行動を研究している神経学の教授であるラマチャンドラン博士(とサイエンスライターであるサンドラ・ブレイクスリー)が脳の働きについてわかりやすく解説した本である。
本書では,めずらしい神経疾患が数多く紹介されている。切断された手足の感覚をずっと持ち続け,場合によっては「幻の手足」に「本物の痛み」まで感じるという幻肢や,普通なら感じるはずの温かみを感じられないために,本物の父母を偽者だと信じ込んでしまうカプグラ症候群などだ。ラマチャンドラン博士によれば,これらの神経疾患を詳しく調べることで,健全な脳の実際の働きについて多くのことを知ることができるという。
本書には,神経疾患の紹介とともに,患者に対して行われた簡単な実験の様子もしばしば描かれている。脳の中で起きていることについての仮説を簡単な実験で検証できるのだ。これは,著者の研究姿勢を強く関係しているのだろう。高価な装置を使わなくても,直感と推論,そして簡単な実験によって新しい発見が得られる,というものだ(18頁)。
大まかに言って本書はふたつのパートにわけられるだろう。1章から8章までは,稀な神経疾患の研究を通じて得られた脳の仕組みや働きにかんする新しい知見を解説している。たとえば4章は,視覚にかんする脳の働きを説明している。視覚とは単純なひとつの過程なのではなく,脳内にある30ほどの領域が連携して生じる非常に複雑な過程である(126頁)。そして,どの領域がどのような役割を果たしているのかが,脳に損傷を受けた神経疾患の患者を詳しく調べることで明らかになっていく。
それに対して9章から12章までは,脳機能について得られた知見をもとに,人間に特有と思われる行動や脳の働きについて,進化の観点から推論している。人間の脳は神を信じるような神経回路を進化させてきたのではないか,創造力や美術の才能に優れた人間が時々現れるのはなぜなのか,笑いの機能とは何なのか,そして赤いとかあたたかいとか痛いとかの主観的世界の感覚であるクオリアがなぜ進化してきたのか。脳科学がこれらの問題に対する答えを簡単に出せるとは思えないものの,こうした問題を提起できることこそが,人間という存在にかかわる大きな謎なのだと著者は結んでいる。
本書は1999年の単行本を文庫化したものなので,内容としてはやや昔のものと言える(原書の出版は1998年)。脳神経科学の進歩も早いだろうから,この15年の間に明らかにされた知見も多いだろう。しかし,この手の本として,本書はいまだに興味深い一般書だと言えよう。まずは,人間の脳について知りたいひとに本書を強くおすすめしたい。そして,人間と他の動物との違いに関心があるひとも本書は興味深く読めるだろう。また,本書に登場する稀な神経疾患について興味があるひとは本書とともにオリヴァー・サックス『妻を帽子とまちがえた男』(ハヤカワノンフィクション文庫)がおすすめだ。本書とあわせて読んでみると良いと思う。
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クオリアに至る迄の幻肢を初めとした各種現象の不可思議さに,人の脳の深遠さと不可解さを感じずにはいられない.
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存在しないものを存在すると主張する人、自分の腕を他人の物だと主張する人、自分の左半身の存在を全く無視する人、自分の両親を他人だと主張する人など、この本には数々の信じられない人達が出てきます。それらの原因は、脳にあるらしい…
自分が置かれている今の現実は、実際に五感で感じているけど、本当に存在しているんだろうか…と、不思議な気分になります。
面白い症例が沢山出てきて読みごたえがあります。
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派手な症状の出る症例を題材に神経心理学を分かりやすく解説してあります。
特におもしろかったのは、病態失認の章。
フロイトの防衛機制の極端な例としての説明に、目から鱗。
クオリアの章は、消化不要でした。
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普通の人や、一見頭がオカシイと思える人や、精神的に病んでいる人も、結局脳の働きで動いているんだということが理解できる本。ちょっと難しいけど「脳って面白い」ととても興味が湧きました。
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面白すぎる!!内容は難しくて充分に理解しきれていないところも多々あるのだが、奇妙な症状をもつ患者と実際に会って話を聞き、脳の働きを推測しながら謎を解明しようとするところが、臨場感溢れていて面白い。特に「第6章 鏡のむこうに」、「第7章 片手が鳴る音」、「第8章 存在の耐えられない類似」、「第9章 神と大脳辺縁系」がすごい!ときどき作者のユーモアが交じるところは笑える。作者は独創的な面白い人なのだろうな。
しかし、自分が”認識している”と思っていることって何なんだろう、大丈夫なのだろうか、心配になってくるな。自分では分からないのだからどうしょうもないのだけど。
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なるほど、これは「名著」の看板に偽りなし。あれこれ脳科学の本をつまみ読みしてきたけれど、やっぱりこれを真っ先に読んでおくべきだったと後悔しきり。
まずは具体的な数々の症例が(不謹慎な言い方をあえてするが)面白すぎる。脳の一部などが損傷することで、こんなに奇妙きてれつなことが起きるとは! 筆者がそこから脳の機能について推論を進めたり、実験によってそれを確かめていく様が、非常に興味深くユーモラスに書かれている。
その考察は、意識とは、心とはいったい何なのかということに及んでいくのだが、そこで「クオリア」という概念が出てくる。他の本で読んでも(茂木さんですね)よくわからなかったこのクオリア、今回初めて「そういうことか!」とわかった気がした。話の運び方、例のあげ方、特に、たとえ話の仕方がとってもうまくてわかりやすいと思う。
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シャルル・ボネシンドロームに関する記述 と「それを使ってマンガを描く男」の話あり。
「自分の盲点を「見る」ための図」多数。
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まず脳科学、神経学的内容について非常に興味深いものが多く、それだけでも楽しめたのだが、なんと言っても後半の、哲学と脳科学の橋渡しをしていく行為、そうすると必ず突き当たることになるクオリアの問題に取り組む姿勢にはすばらしいものがあったと思う。何より、ラマチャンドランの発想力の豊かさ、着眼点の鋭さ、隙がなく斬新な論理力、それからそれを明快に説明し、且つ笑いを誘うユーモア。『フランシス・クリックに試してみるべきだ』を何度も繰り返していたのとか、ふふっってなった。読みながらつい感心してしまうような巧みな本だったと思う。
あとがきにもちらりと出てきたことなのだが、この本は哲学者にこそ読んで欲しいものだと思った。
近年の発想では人間の構成を身体と内面に区分するというのは古い。と言う風になっているが、この本に書いてある事はまさにそれを体現するようなものばかりだった。いくら概念的なところを必死で突き詰めていったって、そう言う概念を追っている自分や、組み立てる論理が走っている回路の特性、『客観性』の欺瞞などについてメタな視点を投じてみることをしなければ、本質的に見えてこないものがあると感じた。一切の整合性が取れた論理だと判断したものが、脳によってどれだけの粉飾を受けた結果であるのかに関しては我々自身では判断する事は出来ない。
またこの本を読んでて改めて感じたのは二項対立的構造の莫迦らしさだった。偉大な学者の言葉には度々登場するものであるが、やはり二項へ収斂する仮定で捨象されたものに宿っていた計り知れない価値や、中間的な部分にそれらの相互作用として生み出される、一種化学反応的な概念の尊さ、そのような手段でしか行われ得ないパラダイムシフト... ラマチャンドランの功績も多くをそこに負っているものであって、我々は常に二項対立の袋小路へ落ち込むことに気をつけていなければならないと言う事を強く意識させられた。
何者も、判断するより信じることを望む。既存の構造に自分を落とし込み、便乗してしまってはいけない。そう言う教訓を与えられた。
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脳神経科学による知見。行動の大部分は意識されないたくさんのゾンビたちによって実行されていて、「あなた」という「人」と平和的に共存している。
知覚と判断のショートカット。生き延びるための行動、進化の積み重ね。
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第1章から第3章までは幻肢を扱っている。自らの気づきを検証し、治療まで成し遂げる。謎解きのようで、この本の中でも特に秀逸。