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脳科学の茂木健一郎氏の「意識とはなにか」の中でこの一冊が紹介されていて、興味を持ち読んでみた、私の頭ではなかなか難解だったがとても面白かった、読破するのでに2ヶ月もかかってしまった(笑)。誰しもが思うことで「人の意識」とは・・・。これからももっとこのテーマが解明されれば面白いと思う。
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パワーズの小説『エコー・メイカー』に出てくるカプグラ症候群、事故がきっかけで近親者を偽物だと思うという吃驚な症例。記憶喪失なんて一昔前の漫画の世界だけかと思ったら本当にあるんですよこれが。患者の変容の実例がでてくるでてくる。主に幻肢、身体の一部を切断せざるを得なくなった人が、無くなったその部分に痛みを感じる、それはどこからやってくるのか、かつての体験が脳に残した記憶なのか、そもそも脳の中の機能というのは一体……、という本。面白い話が一杯ですが、けっこう長い。
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前々から気になっていたのだが、こんなに面白い本だったとは!幻痛―切断されたはずの手足に痛みを感じる症状の分析から始まる本書は脳神経科学の観点からフェティシズムや視覚の機能、半身失調や宗教認識に至る人間の機能が脳の特定部位(またはその失調)によっていかに形成されるかを明らかにしていく。出てくる具体例の数々が衝撃的なだけでなく、それが哲学的見地から解釈されユーモア交じりの語り口で次々と紹介されていくのだからたまらない。自我や自意識、自らの身体感覚すら幻想かもしれないと思える瞬間、そこに知の閃きが待っている。
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面白い話と難しい話が交互にやって来る。全体としてすごく面白い、けれども哲学的な部分は私にはお手上げでした。
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わたしが脳科学というものに興味をもつきっかけになった一冊。
脳科学といえば、脳の特徴をつかんで心理的だったり意識的に自分をコントロールするテクニックばかり浮かぶが、
motorも心理も、さらには著者がメインで研究している美とはなにか、といった内容まで幅広く取り扱っているので、イメージする脳科学の世界が変わってくる。
脳科学自体が大きすぎて、つかみどころがないように感じるが、脳になんらかの形で働きかければ、そのブラックボックスでなにかが起こって、なにかが返ってくる。その、打てば戻ってくるその手応えのような感覚を、著者の経験を通して感じることができる一冊だと思う。
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幻肢から始まって人間の脳が世界をどのように捉えているのかっていうレベルの話を、医者としての臨床の経験からわかりやすく面白く語っている。
人間の錯覚や幻覚って本人にはどんなに明らかでも分からなかったりするんだな、幻肢にしてもそうだし他にも家族が別人に入れ替わったとか。
ちょっと古いのに脳科学に関して目をかっ開かれる名著。
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とにかく面白い。
章ごとに様々な奇妙な症例が提示され、それを脳科学・心理学的に解明していくさまは、まさに一級の本格物のよう。
しかも単に推理(推測や憶測)ではなく、様々な心理学上の治験や実験で謎を解き明かせしていくさまは、まるで一級のエンターテイメントの様。
学校でこんな本がテキストになれば楽しいのに。
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読了。幻肢痛の痛み止めとしての治療法を確立し原理を概ね解明した、アメリカのインド系神経学者の本。まあまあ良書、専門用語は少なく一般向け。治療法や実験も鏡とかペンとかコップ一杯の水とかで何とかしてしまうひと。結構分厚い。患者は、日常生活的には相当希少な病気のひとが50名くらい出てくる。人間の脳内で、他の誰かがいろいろな活動を勝手にやっている!という主張が多く、本のタイトルがそれだが、本書ではほとんどゾンビといっていて幽霊は出てこない。脳内では我々が思うよりもはるかに自動制御が多く、我々の思いや意志はちっぽけだとよく分かる。前も書いて消したが、物質を目撃した後、視覚情報は、オブジェクトとテクスチャに分かれて脳に送られる。分離の根拠も活動も概ねまったく分からない。脳について、我々はまったく分からないということが本書でよく分かるし、赤子のような神経学の未来に大いに期待しているとも言っている。我々にとって世界はバーチャルなものでしかないが、心が何処からか現実にはみ出したように露呈していて自然界に属するのか何なのか分からないままでいる。作者は度々精神分析学と哲学を批判している。わたしはあまり正しい意見を述べているとは思えなかったが、特に精神分析は患者を治す気などないというのが正常運転なので、誤解していると思われた(臨床に精神分析がいること自体間違い)。ラカンのように人間の極北へ行ってしまわず地に足の着いた医師である。
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神経科学者が、切断された手足を感じる幻肢や、自分の体を人の物と感じたり、親でも顔が似た他人に感じたりする症状が、それぞれ対応する脳の部位を調べ、私たちの思う以上に脳に思考や自我が支配されていることを知れる本です。
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脳の欠損により、ないはずの手が痛み、あるはずの足が認識できず、時には宗教的な体験を強く感じたりすることさえもある。そんな病変を考察する脳科学本。
数々の症例が診察状況が目に浮かぶほど臨場感たっぷりと記されており、脳神経の解説も豊富。また、ちょっとしたトリックでいとも簡単に騙される自分の感覚から、脳の修正・補完・協調能力の高さに驚かされる。だが、注意すべきは多くは脳の欠損箇所と病状からの推論であるという点。筆者の語り口が上手すぎてその推論達が間違いないように思えてしまうが、サンプル数は少なく、推測の域を出ていない結論も多い。ならば参考に出来ないのではないかと思われそうだが、そうではない。本書の単行本初版の発売日は、1999年。ヒトゲノムプロジェクトも完了していないこの時代に、何がその後の脳神経学の研究の方向性を決める要因となり得るのか。読書中心で知識を得ているとついつい忘れがちだが、『推論』こそが未来の決定要因であることを思い出させられる。遠く精神科学は全て脳神経学に置き換わるのではないか。今後の研究に期待しよう。
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PT1年目、中枢神経系に興味がある、と職場の先輩に伝えたら勧められた一冊。
人間の脳ってすごいんだけど、ある意味いい加減なんだ、と脳について興味をさらに持つ機会になりました。
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失った手に痛みを感じたり、自分の左半身に対する関心をなくしたり…脳というのはなんと不思議な臓器なのでしょう。
個々の患者さんのエピソードはとても興味深かったです。
患者さんたちの症状の原因となる脳の部分のお話が、私にはちょっと専門的に感じて読みにくいと感じる箇所がありました。
図書館で借りて延長する予定が失念してしまい、今回は最後のほうを斜め読みして返却。
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「人は不思議の国で何が起こっているのか、住人から教えてもらわないかぎり、想像もすることができないのです」
第六章 鏡のむこうに より
脳の仕組みや働きを踏まえて、様々な症状を紐解き、検証している。ユニークな実験法や切り口で、試行錯誤を重ねる様は、医師というより科学者のようでした。
何より完全な解決、解明に至らないものもあるので、医者も全てを知っているわけではないのだな、と。探り探りで、なおかつ脳に関してわかっていることの少なさ、また時代を経るにあたっての進歩や苦労なども垣間見えます。
全12章の構成。それぞれ冒頭に患者の実例、症状、診断内容を入口に不思議な、けれども説明可能な世界へと導いてくれます。学術書というよりかは、普段、そういったものに遠い読者にも向けられている内容だと思いました。後半は若干、哲学がはいったり、神への信仰、果ては宇宙の神秘にまで飛躍しますが、それだけ魅力ある分野なのかもしれません。個人的には多重人格者の考察が興味深かったです。
章の初めにいくつか引用されるのですが、ホームズ、ワトソン、ルイス・キャロルのアリス、シェイクスピアにアインシュタイン、ダーウィンとバラエティ豊か。ラマチャンドラン博士の趣味がちらりと見えます。
脳に限らず、未知の領域はすぐそこにあって、先入観や古い価値観、前例によって、理解や解決を遠ざけることもしばしばあるように思えます。20年前に刊行された単行本の文庫です。未知よりも既知が好まれがちな現代でも十分得るものの多い読書体験でした。
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神経科医のラマチャンドランが、失った手足が存在するように感じる「幻肢」とそれに痛みを感じる「幻肢痛」をはじめ、過去に直接携わった患者を中心に神経学に関する不思議な症例を順に紹介する。著者自身の発案による鏡を使った幻肢痛の治療といった具体的な実例や、本文に挿入されている錯視をおこす絵図による「脳に騙される」体験によって、痛覚を代表に人間の知覚というものが絶対的なものではなく、いかに脳による総合的な判断のもとで相対的に導かれているかを示す。終盤に向かうにつれて考察の対象は広がりを見せ、観察の対象は著者の実体験から過去の特異な記録に移り、「サヴァン症候群」「笑い死に」「想像妊娠」といった例から、そこで果たされる脳の役割を推測する。そして終章では「人間の意識とは何か」という壮大なテーマを掲げたうえで、これに対して著者なりの回答を提示する。
脳の影響を直接的に観察できる特殊な症例の数々に着目することで、私たちが自明とする「知覚」がどれほど不確かなものであるかを証明し、引いてはその射程を「意識」にまで拡大しています。フロイトの心理学をはじめとして、一部の哲学や、著者の出自でもあるヒンドゥー教の宗教観にも言及する本書は、それらの学問や思想にも見られる、「自分が自分の管理者であるという認識は幻想にすぎない」という説を科学の側から見通す試みでもあります。『脳のなかの幽霊』(Phantoms in the Brain)は、『脳のなかの幻』とも言い換えられます。その「幻=幽霊」が意味するものは、狭義には冒頭にある「幻肢」のような症例であり、広義としては現にいまこうしている私たち自身とも言えます。
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脳のメカニズムを実例をもとに紹介している。ユーモアを交えて紹介しているが、内容は難解。脳の辺縁系、偏桃体や側頭葉の海馬、視床下部あたりが意識をコントロールしているらしい。側頭葉にダメージがある患者の症例(幻肢・自己身体否認・カプグラ(父親は偽物と主張する))と患者に対する簡単な実験から現状維持の左脳、行き当たりばったりの右脳の役割を推論する。最後の章では自己意識は何かを語るが、答えはまだわからない。