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『紀記』の記述は、年代を補正すれば結構正しいという説に基づき、日本の古代史を概観していく。その結果明らかになるのは、邪馬台国の勢力と、現在の皇室につながるヤマト王権は、何ら関係を持っていないということ。だから、邪馬台国が九州にあろうが、畿内にあろうが大した問題じゃないと切り捨てている。九州説も、畿内説もヤマト王権との関わりの中で論じられているので、こんな立場があるのは知らなかった。飛鳥時代以降は、割とスタンダードな通史。
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著者は記紀に書かれていることは、ほとんど信用して、一般の通説を批判。
また最近の纒向の発見などから邪馬台国畿内説が有力になっていることに対して、邪馬台国は九州にあったとしている。その点は説得力ある説明だった。
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borrowed library
read kiki straight without any prejudice
himiko is not yamato government ancestor
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あまりにも単純に、シンプルに、古代史を(記紀の記述をもとに)そのまま読めば謎なんかないよ、というタイトルまんまの一冊。その割には年代を都合よく修正してあるような気がしないでもないけど、あまりこねくり回さずに読みとく方向性もありよね、という考えには賛成。邪馬台国論争についてもあっけないほどシンプルに結論づけているが、私自身も「邪馬台国ってそんなにほんとに日本全体を支配するような巨大な存在だったのかな?」とか思ってたりするので、納得できるところもそれなりにあった。でも、いくら何でも記紀の記述をまるまる信用しすぎでは?と感じなくもない。嘘は書いてないかもしれないけど、意図的に本当のことを書かないとかぼかして描くなんてことは今の歴史教科書にだってあることで、そりゃ支配者に都合悪いことなんか書いてあるわけないじゃん、と思うので。わからないことはまだたくさんある、それは当たり前だけど実は謎でも何でもないことを無理やり謎に仕立て上げなくても…とは確かに感じるところだけど。でも、書かれていないことやわざとぼかして書いてあるところについて、いわゆる「行間を読む」作業だって必要じゃないかと思うんだけど。著者は考古学的な発見をあまり重視していないように見えるが、個人的にはそれにもあまり賛成できなかった。
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「先入観に捕らわれずに日本書紀を読めば、巷間伝わるトンデモ解釈の余地はない」という主張には頷けるが、細部の解釈には反論したくなる罠。
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歯切れのよい八幡先生の歴史観。
ロマンや思い込みとかでなく古代を現実的に考えようとする姿勢は面白い。
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学者から小説家まで諸説飛び交う古代史について、今と同様、一定の合理性をもって、すなわち天皇を始め政権をになった人物も血統やバックの大物の影響だけでなく、相応の年齢・経験があり、能力や人望のある人物が政権についたと考えていけば謎が謎でなくなるという見方は新鮮。
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一部牽強付会ではないかと思うところがなかったとは言えない。
けれど、司馬史観や、「新しい歴史教科書を作る会」よりは、よっぽどバランスの取れた歴史観で描かれた、常識的で、イデオロギー色が薄く、現実に寄り添った歴史本だと言えると思う。
歴史を学ぶ意義について、私と著者の意見は一致している。
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ここに書かれている説の全てが本当だとは到底思えないが、邪馬台国が単に魏とコンタクトを取ったから知名度がたかいだけで、その実は単なる地方勢力の一つに過ぎず、実際には現代に連なる日本の歴史においてはさほど重要な存在ではなかった、という説は、多分その通りなのではないかと思う。
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古代史を中心に現代の日中韓の関係まで触れる。
邪馬台国が大和政権と結びつかないと断定するところ以外は、空想的で突飛な説よりも、妥当性の高い説を採ろうとしている姿勢が感じられ、納得感がある。古代史を概観するにも適している1冊だ。
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それなりの知識のある古代史ファン向けの内容。
自分は中学の日本史の授業で習った程度の知識しかなかったため、
表面をなぞるくらいしか出来なかった。
著者の意見もまたひとつの見解にすぎないのだろうが、
少なくとも古代のことは文献や遺跡から推測するしかなく、
我々が「こうだ」と思っている歴史が
ただの解釈のひとつだということは気をつけないといけない。
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定説をドラスティックにひっくり返すのではなく、他国との関係や記録に残す建前と現場の裁量との兼ね合いなどから察するに、より現実的な解釈はこうでしょう、という見方。邪馬台国がどこにあったかも、どういう位置付けか、から違う。
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普通に考えると、古代史に謎などない。謎があるといってるのは、古代史をビジネスにしたがってる連中のしわざ、という本。おもしろかった。