紙の本
いのちがほとばしる時
2011/01/16 09:23
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
さえらは小さな女の子。パリの植物園で出会った「木の先生」から久しぶりに手紙が届きます。「木の先生」は世界中の森などを研究していました。だから、ぎゅっと抱きしめたら、「いろんな国の木と草のにおい」がします。
そんな先生が「まつり」の準備におわれる、さえらの町にやってきました。
いせひでこさんの優しい水彩画の絵本です。日本の「まつり」の美しさが見事に表現されているだけではなく、祖先の人たちから伝承されてきた自然との共存を静かに伝えています。
「まつり」に使われる彫刻屋台(山車)は森のたくさんの木々から生まれます。その作業をするのが彫り師と呼ばれる人たちで「一本の木から、いろいろな、いのちを生み出す」のです。
森の木々は森の生活を終えて、彫刻屋台になって、私たちの生活を彩ってくれます。いせさんはそのことを「森の神さまたちが、形をかえてまつりにあらわれる」と書いています。
そして、「まつり」がはじまります。町じゅうの人たちが集まってきます。
太鼓をたたく若者、提灯をかかげる老人、山車をひく子供たち。はっぴの「背中の紋は町のほこり」です。
この絵本の終盤のページの「まつり」の躍動感に圧倒されます。
森と人と、動と静と、光と闇とが一体となって、いのちの輝きを祝っているかのような、すばらしい絵本です。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。
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まつりのクライマックスシーンは大迫力です。
『おおきな木のようなひと』のさえらちゃん、木のせんせいが……。
美しくて、大きくて、深くて。
いせひでこさんの絵本、やっぱり好きだなー。
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『大きな木のような人』の先生とさえらが登場。
さえらが先生に地元の祭りを案内しながら、職人さんの手仕事の技や祭りの活気を読者にも伝えてくれる構成。
個人的にいせひでこ先生は「静」を思わせる絵が多いな、なんて思っていたのだけれど、今作では色んな場面で使われている力強い朱色を中心に活気ある祭りの「動」を見せてくれた。
先生の新境地を見た気分。
ちなみにさえらが案内する「ちんじゅの森のおまつり」は栃木県鹿沼市の祭りがモデルの様子。
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絵本と呼ぶには、あまりに素晴らしいできばえ。めくっていてため息が出る。特に炎と灯りの表現がすごい。まるで命が吹きこれているように描かれている。さすがプリンティング・ディレクターの名が記されている本だ。最後のページのセリフも心が震える。
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いせひでこさんの絵本は、いつもいつも感動させられます
『森羅万象に神が宿る』という言葉が好き
明暗の対比が綺麗な本でした
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『大きな木のような人』に出てきた木の先生と少女さえらが登場する。
植物が好きなさえらは、庭師の孫だったのですね。
彫り師、車大工など職人たちが森のいろいろな木を使って、
彫刻屋台まつりの準備をする。
そしていよいよ始まるまつり。
さえらも屋台の前を練り歩く手古舞をやります。
灯が踊るまつりのシーンは圧巻で、
眠らない鎮守の森から太鼓や笛の音が聞こえてきそう。
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祭りの時に読みたかったのですが貸し出しが多く、
回ってくるまでに祭りが終わってしまいました。(笑
やっぱり秋祭りはいいですよね。
冒頭のさえらちゃんと先生の手紙のやり取りが好きです。
うちの地元の秋祭りは豊作を祝い、
来年もよろしくお願いしますといった感じなので、
森羅万象とかとはちょっと違う雰囲気ですが、
迫力のある絵で祭りの様子がすごく伝わってきました。
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「木の三部作」の最終章。
今までの本との趣は違うけれど、命と神がある本でした。
神の為に行う祭の厳かさ、祭が人々に根付いているその様が、とても愛しく、美しく…。
たぶん、外から来たおじさんも、そう思ってくれたと思います。
身近で遠い国を見た気がしました。
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前半の手紙のやり取りでは世界で進む自然破壊の様子・それに対する取り組みかたが簡潔に伝わってきて切なくなりました。
鎮守の森を通して木のもつ清々しさやいかに日本の文化・伝統に木がかかわっているのかを改めて認識しました。
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『ルリユールおじさん』、『大きな木のような人』に続く、最終作。
このお祭り、本当にあるんです。
光の子供達を見に、行ってみたい!と思っています♪
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『大きな木のような人』に続くさえらちゃんの物語。
今度は日本のおまつりが舞台。
前作は目に鮮やかな緑が印象的だったけれど、今作は涼やかで深い青が基調。
色遣いがすてきな絵本。
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「大きな木のような人」の続き。
二人の関係が途切れていなかったことにまずホッとしました。
今回は日本の祭をテーマにダイナミックな絵で描かれています。
ゆっくりじっくり読みたい絵本です。
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いせさんの新作「わたしの木、こころの木」を拝見して、いっしょに「まつり」を再読。まだレビューを書いていませんでした。
パリの植物園で出会い、帰国したさえらと木の先生のその後。舞台は懐かしい山間の町。
木と寄り添い生活の道具として蓄積した知恵と技が、職人の世界に脈々と受け継がれている。群馬県鹿沼市に伝わる彫刻屋台は日光東照宮の彫師たちの技を受け継いでいるそうです。
柔らかなイチョウやヤナギは彫刻に、堅いカシやヒノキは台車に生まれ変わり、華やかな舞台を作り上げる。
村の鎮守の神さまの
今日は楽しいお祭り日
ドンドン ヒャララ ドン ヒャララ
こんな唱歌を習った人はふるーい人ですね。
「秋祭り 神ノ木にあそぶ ホタルの子」
鎮守の森、大きな御神木の周りにわらわらと遊ぶ子供たちの風景、この1枚がとても好きです。
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『木』をテーマに、生き方・在り方が見事に描かれている。すてきな一冊だった。今度、借りて読み聞かせしようと思う。
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「木」と伝統にまつわる物語。「大きな木のような人」につながるお話しでもある。
一気に読めばちょっと長い物語。見開きで一話完結風に読むこともできるかも。
「大きな木のような」先生からのお手紙を通して世界の木のことも知ることができる、大切な一冊。