紙の本
一筋縄ではいかない短篇集。心の闇が見えます。
2012/01/13 15:25
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
長い間、探偵小説=推理小説=ミステリ―の書き手は、そのまま怪奇小説・幻想小説の書き手でもあったわけである。怪奇幻想小説がホラーとしてジャンル的な自立を果たしたと考えても良さそうな現在においても、ミステリーの書き手はジャンルを行き来し越境する。
『編纂序文』より引用。
上記『編纂序文』にあるように、ホラー色が強いミステリ短編集。
確かに。
江戸川乱歩しかり横溝正史然り。
ミステリにはホラー(幻想・怪奇)が昔から付き物のようである。
タイトルにある「暗闇」とはどうも「心の闇」のよう。
本書には凄惨な殺人描写は登場しない。
殴り合いもいたぶり合いもない。
でも、ひとしくホラーである(一部除くかも?!)。
正直言って、
理解できるものと理解できないものが半々くらい。
米澤穂信の一篇は『儚い羊たちの祝宴で』既読だった。
印象に残っているのは、
赤川次郎、柴田よしき、辻村美月、道尾秀介、柳広司あたり。
柴田よしき及び道尾秀介の作品はどちらも
「愛」をうたっているようだ。
だが、「愛」とは美しくもあたたかく、
同時に鋭く切なく哀しく、そして恐ろしい。
一筋縄ではいかない短篇のあつまり。
短篇だから感情移入する前に終わってしまうことも多く、
特にアンソロジーは好みのわかれるところだと思う。
わたしもアンソロジーってそんなに得意じゃないけれど、
このシリーズはまた読んでみようかな、いつか。
『暗闇を見よ』収録作品
・赤川 次郎『隣の四畳半』
・飴村 行 『ゲバルトX』
・乾 ルカ 『ちゃーちゃん』
・歌野 晶午『おねえちゃん』
・北村 薫 『三つ、惚れられ』
・倉知 淳 『猫と死の街』
・柴田よしき『雪を待つ朝』
・辻村 美月『十円参り』
・法月綸太郎『引き立て役倶楽部の陰謀』
・平山夢明『吉原首代売女御免帳』
・道尾 秀介『冬の鬼』
・柳 広司 『ろくろ首』
・米澤 穂信『身内に不幸がありまして』
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総勢13名の作家の作品を集めたアンソロジーです。
異様な雰囲気を持つ作品が集められておりますが、特に素晴らしかったのは米澤穂信さんの「身内に不幸がありまして」です。
この作品を読むのは今回で2回目ですが、改めて読み直しても衝撃的なラストに驚愕するばかりです。
日本推理作家協会編のアンソロジー3作を読み終え、多くの作家さんの作品に触れることが出来たので、気に入った作家さんの別の作品にも手を伸ばしていきたいと思います。
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三年に一度刊行されるアンソロジー集の第3弾だそうで。
図書館にはなぜかこの3弾目しか入らなかった、残念(「現場に臨め」と「名探偵に訊け」もリクエストしようかなー)。
赤川次郎/隣の四畳半
飴村行/ゲバルトX
乾ルカ/ちゃーちゃん
歌野晶午/おねえちゃん
北村薫/三つ、惚れられ
倉知淳/猫と死の街
柴田よしき/雪を待つ朝
辻村深月/十円参り
法月綸太郎/引き立て役倶楽部の陰謀
平山夢明/吉原首代売女御免帳
道尾秀介/冬の鬼
柳広司/ろくろ首
米澤穂信/身内に不幸がありまして
以上の13偏中、歌野・北村・道尾・米澤は既読でした。
書籍収録になったものは外してほしかったなー。
中身はホラー風味のミステリが多かったかな。
どれも趣向が凝らされていて、逸品ぞろいのアンソロジーでした。
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読んだ事の無い、作家サンを期待しての短篇合作集
力作奇作揃いではあるが、やはり好みがわかれる所である。
結果…好きな作家サンの作品が、良作だったと思います。
ので、「違う作品が読みたい!」と思える作家サンに出会えなくて残念!!!!
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+++
稀代の作家たちが催す恐怖と幻想の饗宴! すべてのミステリーファンに贈る、三年に一度刊行される大好評アンソロジーの第三弾。三カ月連続刊行の掉尾を飾るに相応しい当代きっての作家たちが集結。ミステリーとホラー、ジャンルの間を自由自在に越境する才能が、謎の奥に潜む狂気と恐怖を抉り出す。ミステリーファン必携の豪華な一冊!
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赤川次郎「隣の四畳半」 飴村行「ゲバルトX」 乾ルカ「ちゃーちゃん」 歌野晶午「おねえちゃん」 北村薫「三つ、惚れられ」 倉知淳「猫と死の街」 柴田よしき「雪を待つ朝」 辻村深月「十円参り」 法月綸太郎「引き立て役倶楽部の陰謀」 平山夢明「吉原首代売女御免帳」 道尾秀介「ろくろ首」 米澤穂信「身内に不幸がありまして」
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怖い。何かがほんの少しズレ、その隙間に得体の知れないものにいつの間にか入り込まれていたことに、しばらくしてから気づかされたような怖さである。身の内の収まりが悪い心地である。みなさん上手い、と唸らずにはいられない一冊である。
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2007〜09年に発表された短編推理小説を厳選。13の作家による、ミステリーとホラーの世界を自由自在に越境する作品を収録。
短編なのでどれも物足りないのは仕方ないとして、13人の作家の中でこれまで私が長編を読んで惹かれ、ほぼ期待通りだったのが乾ルカ、歌野晶午、道尾秀介、柳広司の作品。逆にやや失望したのが飴村行、米澤穂信の作品だった。
(C)
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おもしろかったです。
短編とは言えども読み応えがありました。
時代物、SFチック、ちょいグロ、あとでジワジワ、あぁそうだったのか系
などなど。
ただし法月綸太郎氏の作品だけは…
どうも苦手なんです、すいません。
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(収録作品)隣の四畳半(赤川次郎)/ゲバルトX(飴村行)/ちゃーちゃん(乾ルカ)/おねえちゃん(歌野晶午)/三つ、惚れられ(北村薫)/猫と死の街(倉知淳)/雪を待つ朝(柴田よしき)/十円参り(辻村深月)/引き立て役倶楽部の陰謀(法月綸太郎)/吉原首代売女御免帳(平山夢明)/冬の鬼(道尾秀介)/ろくろ首(柳広司)/身内に不幸がありまして(米澤穂信)
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赤川次郎の隣の四畳半のせつないけど有り得る話、乾ルカのちゃーちゃんのゾっとする話は、非常に面白かった。
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ホラーテイストの強いミステリを集めたアンソロジー。これはまさしく「暗闇」かも。ぞくぞくさせられて、個人的にはどれもこれもがとっても好み。
お気に入りは乾ルカ「ちゃーちゃん」。いったいどういう展開になるのかと思っていたら。うわわわ、これはまさしくびっくりだわ。こういう事態になってるだろうという予想はついたけれど。こういう見せられ方をするとはね。
柳広司「ろくろ首」も好き。一見しっかり論理で解かれるミステリなんですよね。ああそういうことだったのね、ときちんと腑に落ちます。なのにラストのひとことで一気に恐怖に転落。これは怖い……。
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【収録作品】「隣の四畳半」 赤川次郎/「ゲバルトX」 飴村行/「ちゃーちゃん」 乾ルカ/「おねえちゃん」 歌野晶午/「三つ、惚れられ」 北村薫/「猫と死の街」 倉知淳著/「雪を待つ朝」 柴田よしき/「十円参り」 辻村深月/「引き立て役倶楽部の陰謀」 法月綸太郎/「吉原首代売女御免帳」 平山夢明/「冬の鬼」 道尾秀介/「ろくろ首」 柳広司/「身内に不幸がありまして」 米沢穂信
ホラー色の強いミステリ・アンソロジー。
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13人による、13本のミステリー短編集。
辻村さん目当て、でしたが、それ以外に知っている人が5人。
目当ての話には、最後まで当然のように騙されました。
どっちかだと思っていたのに、というのもありますが
まさかな展開にまさかな結末。
本文でも語られていましたが、まさに都市伝説。
語り終えた後、またしても実行するので、しょうか??
別の意味で赤川さんのが非常に印象的でした。
ぱったりと止まったお中元は、退職したから。
そう考えると世知辛いですが、そんな理由を信じない妻。
突如こんな催促電話がかかってきたら、確かに言い辛いです。
ただ…どうするつもりなのでしょう、この後って。
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いくつかの作品は、既に別の本で読んだことがあった。もっとも印象の強かったのは『ゲバルトX』…。なんともいえない後味。ミステリ、というよりもなんかホラー集のような感じでした。
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図書館より。
ミステリーとホラーのアンソロジー。
後輩のある一言から懊悩するOLを描いた北村薫さんの『三つ、惚れられ』怪談好きの私が友人から聞いた話である辻村深月さんの『十円参り』はどちらも生きていく上で一度は感じたことのありそうな、モヤモヤとした感情を見事に書き切ってくれて良かったです。
法月綸太郎さんの『引き立て役倶楽部の陰謀』は、海外名作のワトスン役たちがアガサ・クリスティーのある小説をめぐり議論するという趣向の話。
ある程度アガサ・クリスティーやミステリーを知っていないと、内容が分かりにくいと思いますが、いろいろな皮肉やミステリーの読み方を知れて面白かったです。
道尾秀介さんの『冬の鬼』は日記を逆からたどっていく形式の短編で、ラストに思わぬ形でひっくり返されやられた、という感じでした。ホラーとしても秀逸でもう一度読み返したくなる話です。
米澤穂信さんの『身内に不幸がありまして』は名家に仕える若い女性使用人とお嬢様の話。
古い名家の雰囲気がよく出ていてその点もいいのですが、この話もラストが見事!最後の一言にこの話の全てが集約されているなあ、と感じました。
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ホラー色の強い作品集でしたが、倉知さん法月さんの編にはホラー色は感じられません。法月さんは海外探偵小説へのオマージュのように思え、興味津々で読んではいたけれど、途中から読むのが苦痛になりました。海外作品、特にアガサ・クリスティーに詳しい方なら楽しめたかもしれません。
赤川さんは安定感があり、読みやすく期待通り面白いです。飴村さんは驚いたけど、やっぱり苦手な雰囲気でした。倉知さんは正統派だと感じ、やはり丁寧に描くと思いました。北村さんは以前読んだことのある作品でしたが、何度読んでもやはりゾッとします。
最後にビクッっとさせてくれた柴田さん道尾さん米澤さん、それぞれの方の個性が出ていて面白かった。意外だったのは平山さん、とても苦手意識のある作家さんだったけれど、楽しめました。文が綺麗なので余計に恐ろしく感じました。
乾さん歌野さん辻村さん柳さんの描かれた4編の雰囲気が特にホラーっぽくて好みでしたが、どの編も確かな‘暗闇’を感じる作品集でした。