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紙の本
日本社会で異端、マイノリティとして生きることを強制された、まっすぐで純真なかわいそうな青年の物語
2011/04/28 17:38
15人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は東京都国立市で育った。国立市は昭和40年当時、新興の住宅地で、歴史も伝統も無い分、いわゆる民族問題とは無縁の無菌状態の街だった。だから幼少期、自分や友達が在日朝鮮人から理不尽な暴力や脅迫を受けたという記憶が無いままに大きくなって、私は生涯、「朝鮮人に対する差別感情」というものを持たないで済む体質になっている。私にとっては朝鮮人は、シンガポール人や英国人、アメリカ人と変わらない「外国人」の一種でしかない。
その反作用として在日朝鮮人が持つ屈折に対する同情も理解も無い。「嫌なら出ていけばよい」「早く日本国籍を変えなよ」と何の躊躇もなく言えるし、心の底からそう思っている。
本書の著者鄭大世もサッカーの試合中に「そんなに日本が嫌なら朝鮮へ帰れ」とよく言われるそうだ。それに対する鄭の答えは「歴史をもっと学べ」なんだそうだ。しかし、これには笑いを堪えることが出来なかった。鄭は「お前ら日本人はアジアの近現代史を何も学んでいない無知な連中だ。恥を知れ。朝鮮を無理やり軍事力で併合し、大量の朝鮮人を労働力として日本列島に強制連行してきた歴史を知らないのか」と言いたいのだろう。しかし、これは事実とはことなる。こうした「朝鮮人強制連行説」はサヨクと朝鮮総連が編み出した大ウソで、真実は日本は過去強制的に朝鮮人を日本列島に連れてきたことはほとんど全くなく、今、日本列島に居住する在日朝鮮人60万人の大半は、実は生きる為に貧しい朝鮮半島から豊かで経済が急成長を遂げつつある日本列島に自主的に移り住んできただけと言うのが本当だ。朝鮮人の悪いところは、歪み傷ついたプライドを回復する為に平気で歴史をねつ造し歪曲するところだ。むしろ歴史を正しく学ばねばならないのは韓国人であり、朝鮮人の方だろう。
19世紀末、西力東漸が明らかになる中で、いち早くの東アジアを取り巻く国際情勢の急変を察知し対応したのが日本だった。日本は、徳川政権から明治政府へと政治システムを変容させ、軍事力を強化し、西洋諸国の植民地化を防ぐべく正しい政治的対応を実行に移したが、他のアジア諸国はこうしたことをしなかった。シナは夜郎自大を絵にかいたような暗愚な国で、西欧列強の脅威を脅威として認識できず、生きながら国を八つ裂きにされても有効な対応策をとれないみじめな国だった(シナという国家の社会組織が国民国家とは程遠いものであった為に、国民国家へと脱皮することにシナは失敗する)。韓国はもっとひどい。そもそも軍事的には無きに等しい小国であるにもかかわらず小中華意識という肥大したプライドを持ち、変化を拒否。何時までもシナを宗主国に仰ぐと言う愚挙を犯したあげく、そのシナが頼むに足らない国であることが分かると、今度はロシアを引きこもうとし、これがロシアと世界で勢力争いをしていた当時の覇権国イギリスの逆鱗に触れる。大院君という暗愚な韓国国王は一時期在ソウルのロシア大使館に逃げ込み、そこから国政を差配すると言うことさえした。これで韓国の命運は尽きる。「韓国みたいな自分の立ち位置を理解できない禁治産者みたいな国には後見人が必要だ」とイギリスは判断し、イギリスの全面的な後押しと祝福の下、韓国は日本に併合される。これが実際に起きた歴史の真実だ。鄭大世よ、これが歴史の真実だ。歴史を学ばなければならないのは日本人では無い。君の方だ。
さて、前置きが長くなったが、本書を読んで感じた最大の印象は「鄭大世は不幸だ。彼の人生は、いわば母親による一種の児童虐待ではないか」というものだ。大世は在日韓国人の父親と在日朝鮮人の母親の間で生まれた。父親は日本で建設業を営む人間で「朝鮮学校なんかに通わせて日本社会との間に溝を作ってどうする」という健全な常識の持ち主。一方の母親は「朝鮮人の魂を家庭で植え付けることは難しい。在日は朝鮮学校に通うことで真の朝鮮人になるのだ」という狂信的北朝鮮信奉者。この母親こそが大世の人格を作った張本人である。当然のことながら夫婦仲は悪く家庭では夫婦喧嘩が絶えない。父親の国籍が韓国籍であることから大世の国籍も自動的に韓国籍になったわけだが、それが故に大世は北朝鮮代表チームに入ろうとしてもなかなか入れない。これで大世の家庭は本当に崩壊寸前にまでいったという。狂信的な主体思想信奉者の母親から民族教育を刷りこまれた大世にとって韓国は外国であり北朝鮮こそが祖国となる。その北朝鮮と日本の関係が劇的に好転するかもしれないと大世が欣喜雀躍した時があった。ご存じ天才政治家小泉純一郎による劇的な北朝鮮訪問である。しかし、この小泉訪朝で日朝関係は好転するどころか急速に悪化する。しかもあろうことか、常に正しいことしかしてこなかったはずの偉大な祖国が悪辣な拉致という犯罪を繰り返してきたことを自ら自白し、今まで大ウソをついてきたことを自ら認めるという予想外の行動に出る。これで在日社会は根底から動揺する。朝鮮大学校の同級生の多くが北朝鮮に見切りをつける(健全な良識に基づく判断!)。「俺たちは祖国に裏切られた」「祖国を信じた在日がバカだった」と言いだす在日が激増する。そうした中で、ひとり鄭大世は狂信的な母親の刷りこみの結果か、北朝鮮擁護の姿勢を崩そうとしない。
本書を読むと大世という人間は常に孤独であり渇いていて周囲と戦い続けている寂しい人間なんだということを強く感じる。それもこれも狂信的な母親による民族教育の成果なのだが、それが大世の人格を攻撃的なものにしてしまったと思うと、すごく悲しい。思い込みの激しい狂信的な母親によるゆがんだ教育ほど恐ろしいものは無いと本書を読んで強く強く感じた。
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