- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
8 件中 1 件~ 8 件を表示 |
紙の本
1990年頃はあまりマンガを読むことはなかった、そういう時代だったのかもしれない
2011/08/27 11:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
2011年8月に亡くなった今敏がマンガ家として活動していた1990年に、雑誌『ヤングマガジン』に連載された長編である。
長編と言っても雑誌連載で11回なので、今のマンガ作品の感覚からいうと中編程度になってしまうかもしれない。だが、同じ今敏の長編マンガが中断・未完で終わっていることを考えると、完成された長編作品として読みごたえはあるのかもしれない。
時代はバブル期、やや辺ぴな港町でリゾート開発による町おこしをしようとする人たちと、昔ながらの生活を引き継いでいこうとする人たちとの対立の中に、「海人の卵」なる言い伝えと不思議な出来事が続くという、文章にしてしまうとありがちな話のようになってしまうが、単行本1冊でうまく収まり、後味も何気に爽やかで、もっと早くに出会っていたら良かったのにと思ってしまった。
これだけマンガにあふれた世の中になってしまうと、なかなか「これは!」と思う作品に巡り会うことが難しくなる。ましてや自分が歳をとってくると、そんなにしょっちゅうマンガを読んでいるわけにもいかず、いきおい分かった作家、あらかじめ内容をある程度しった作品だけ目を通すことになってしまう。
今敏もアニメーションの作家としては知っていたが、マンガ家であった(この本に収められている著者あとがきによれば、著者自身はずっとマンガ家でもあると思っていたようだが)とは知らないできてしまい、訃報に接してから初めてマンガ作品に触れることになり、残念な気持ちになっていることしきりだ。
たくさんのマンガ作品があるということは日本のマンガ文化の裾野が広いということで、それはそれで価値のあることなのだろうが、良い作品と巡り会う機会も十分に与えてもらえないと何だか損をした気分になる。
8 件中 1 件~ 8 件を表示 |