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要約
本書は、2008年11月に、山田孝雄没後50周年・『日本文法論』刊行100周年を記念して東北大学で開催されたシンポジウム「山田文法の現代的意義」を基にした論文集である。当日のパネリスト4名(仁田義雄・斎藤倫明・山東功・尾上圭介)の他に、山田文法を含む近代文法学に造詣の深い10名の研究者に新たに声を掛け、あらためて山田文法の有する現代的意義について様々な観点から究明した。執筆者:石神照雄、井島正博、大木一夫、尾上圭介、釘貫亨、工藤浩、小針浩樹、今野真二、斎藤倫明、山東功、ナロック・ハイコ、仁田義雄、野村剛史、服部隆
目次
山田文法が目指すもの―文法論において問うべきことは何か(尾上圭介)
言語単位から見た文法論の組織―山田文法を出発点として(斎藤倫明)
文法論の領域(小針浩樹)
文の成立―その意味的側面(大木一夫)
山田文法の文の論理と述体、喚体(石神照雄)
山田文法での句の捉え方を尋ね、文について考える(仁田義雄)
常識としての山田学説(野村剛史)
「情態副詞」の設定と「存在詞」の存立(工藤浩)
山田文法における格理論―近現代文典の流れの中における(井島正博)
『日本文法論』の成立(山東功)
『日本文法論』における文成立関連の概念とヨーロッパの言語学―陳述、統覚作用、モダリティ、ムード(ナロック・ハイコ)
明治後期の松下文法―山田孝雄『日本文法論』との関係から(服部隆)
近代日本語研究における教養主義の系譜(釘貫亨)
連歌と日本語学と(今野真二)