紙の本
「よういった!」とか「そりゃあかん」と熱くなりながら読み進めば、節電の一助にもなる(かも)。
2011/03/24 17:32
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
落ち着き始めたもののまだ余震の不安、原発の不安は続いている今、なにか明るくなる話題の本はないかと書店をぶらついて本書を見つけた。タイトルと、帯のデカイ顔の写真をみたとたん、あのしゃべりかたが耳によみがえった。
「10%減税」「議会リコール」「トリプル選挙」。名古屋弁(それもあまり上品なほうではない)でしゃべりまくる著者は名古屋で何をやっているのだろうか。名古屋の出身であるので気にはなっていたが、なかなかまとめて名古屋の話題を知る機会がなかった。明るくなるかどうかはわからないが、統一地方選挙も始まったことだし、少なくとも騒がしいほど元気な声、未来の日本の話を今読むのも悪くないだろう。
本書が出版されたのは今年の一月。昨年暮れに名古屋市議会のリコールが成立し、著者が市長の退職届を出した時点での著者の意見、リコール成立までの顛末が書かれている。
なんだか飲み屋でオヤジが放言しているような口調で「乱暴な」と思う発言も多いが、わかりやすいといえば解りやすい。このままブログにでも書きそうな文章である。名古屋弁を知らない人には「なんだかなー」という言葉も、わかる者には親近感になる。一方的な著者側からの主張ではあるが、本書を読んで少しは「名古屋の騒がしさ」の内容を感じることはできた。(ちなみにWikipediaの著者の項はかなり著者に批判的な意見が多い。比較読みもすると良いのでは。)
明るい気分になれたかどうかは疑問だが、「よういった!」とか「そりゃあかんでしょ。」と少し熱くはなれたようだ。節電への一助にもなったかも。
書かれているリコールの顛末は、もちろん著者側の言い分である。しかし「議会解散権」の問題、地方議会と国会の違いなど、これまで知らなかったことも多くみつかった。
橋本大阪府知事や大村愛知県知事(当時はまだ自民党議員)の対談なども含んだ著者の未来構想の部分は、選挙宣伝の雰囲気は避けられない。その中で「番記者の目」と題された幾つかのコラムが、少し冷めた目で著者を見ていて面白かった。特に「著者は庶民とはいえ商売人。サラリーマンと目線とは少し違うところが今後の課題」というのは納得である。庶民とはいえいろいろな立場があるのである。
乱暴な言い方をする著者であるが、実際に自らの給料を半減したりする姿勢は評価したい。「地域分権といっても、国から権利を戻すことには賛成で、自分の権利を離さないでは自己中心といわれてもしかたない。」という意見は、人間心理をついていてどきりとさせられた。どんな普通の人でも、一度つかんだ権利を離さない、守りたいと思う気持ちはどうしてもあるからである。
支持したい部分もある著者なのだが、選挙後には愛知県知事と顔を揃えて小沢議員のところに挨拶に行ったりもしている。まだまだなんだかよくわからない。
これから統一地方選挙。著者の意見を読んで賛成と思うか不賛成か、と考えることも身近な地方政治を考えることにつながるかもしれない。
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河村たかしは主張が一貫している。さらっと読めるがここでの問題提起は重要。コラム「番記者の目 」に署名がないのはかなりのマイナス点。
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住民投票への経緯や議員、行政のことなど書かれていて、知らないことが多い自分は読み込まないと頭に入らない内容もあるが、河村たかしの一方的な意見になりがちの内容が番記者の目、現 大村愛知県知事、橋本大阪府知事の対談が客観的にみせていて良かった。
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爽快。値段を下げることによって、品質を高める。減税によって公共サービスを向上させる。
日本の議員は、貴族になっている。
2011年3月13日の市議会解散選挙では、減税日本が躍進し早速議員報酬800万を公言実行したが、次は市民税10%恒久減税と選挙による地域委員会を是非実現してほしい。
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庶民派らしく方言で書かれた文章は地元の人には気持ちのいいものかもしれませんね。ただ、ロジカルというよりは何となく雰囲気で、という印象が強くて。河村さんは面倒な人という印象が強まりましたが、高給を手放しても進めようとする政治家としての姿勢には感服しました。
全体がたとえ話で説明されているようで、★3つとなりました。
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これは震災以前に書かれた本なので今とは状況が違いますが…読んで思った事は「この本を読んだら選挙で投票したくなる」ように書かれた本だと思いました。
うまいなぁ、というのが率直な感想です。
納得できる部分もありますが、少々強引なところもあり…どうなんだろう??という感じ。
ただ、河村さんが情熱的なパワーあふれる方だというのはとてもよく伝わってきました。
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名古屋弁のパフォーマンスが鼻について、どうも好きに
なれなかった河村たかし氏だが、最近の名古屋市長としての
活躍を見て印象がおおきく変わってきた。
そして、この本を読んで氏の政治理念に大きく賛同できた。
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地方自治における問題点を現場と立場から書かれた一冊。
県や市町村は国に対し権限の移譲を求めるが、
自分らが下部組織から同様の要請を受けた場合は絶対に了承しない。
議会は反対する権利を持っているが、代案を建てる義務も反対したことに対する責任を負うことがないシステムになっている。
地方自治の問題点が良く分かるが、基本的に同じことの繰り返しであり、新書として1冊分の両にする必要はない。
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本日は名古屋市議会の出直し選挙の投開票日でした。
私は豊田市在住で名古屋市民ではないので、見守ることしかできませんが、愛知県知事の大村氏は河村市長と連携してゐるので大いに注目であります。
今開票速報などを見てゐますが、河村市長率ゐる地域政党「減税日本」の過半数は難しいやうです。それでも第一党になることは確実らしい。記事によつて「大躍進」と持ち上げる一方、「過半数に届かず」とネガティヴに表現したりするので、結局この政党は勝利したのかどうかよく分りません。ただ、目的が過半数なのでやはり勝利とはいへないのでせうか。
そんな河村たかし氏の主張がコムパクトに詰め込まれてゐるのが本書であります。家人が購入してゐたのを、こつそり見る。
これを読むまでは、河村さんがよく言ふ「議員のボランティア化」といふのがいまいち分らなかつたが、要するに議員が職業化してゐることが弊害であると訴へてゐるやうです。
のみならず、自分の子供にも継がせたりして、世襲が当り前になつてゐる。よほどおいしい職業なのでせうね。
そしてもうひとつ、お馴染みの「減税」。減税で直ちに効果が出るとは、本人も考へてはゐないやうです。河村氏によると、三つの効用を説いてゐます。
その一。役所の無駄なカネがなくなる。
そのニ。市職員の意識が変る。
その三。本物の民主主義が地域に根付く。
何のこつちや、といふ向きには、本書をのぞいてみると良いでせう。大概の本屋では平積みしてゐるので、すぐ見つかります。やはり報道では伝はらないことが多いですなあ。
支持者もアンチも、本人が本当に伝へたいことを知らないと不毛の議論になります。アンチはこんな本、読まんでせうが。ただ私の体験では、「パフォーマンス」といふ言葉を駆使して非難する人は、既得権は死守するが、自分は何もしたがらないといふ傾向があると感じました。
ま、どうなりますか、新しい市議会を注視しませう。
http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-225.html
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地方自治の在り方について考えさせられる本であった。あまり知られていない議会の内情が赤裸々に書かれていたので、面白かった。ただし、市長側からの意見であるので、反対に議会側の意見などが書かれている本があれば一度読みたいと感じた。
市民税10%恒久減税は可能か。職業議員の排除。中京都構想など様々な変革。庶民革命など、これから中京圏の暮らしがどうなっていくか行く末が気になるものである。