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作家は1976年生まれブリスベン在住のオーストラリア人ケイト・モートンでロンドンの大学を卒業。この作品の舞台は作家の居住地であるブリスベンとイギリス南部のトレゲンナである。
物語は祖母(ネル)が亡くなった後に遺言で唐突にトレゲンナにあるコテージを相続する孫(カサンドラ)が謎の別荘と祖母の生い立ちについてイギリスへ渡り祖母からさらに曾祖母の100年間に渡る謎に迫るミステリーです。
曾祖母の時代1900年と祖母が自らの出生の謎を紐解くべくイギリスに渡航してきた1975年と孫の現代2005年の3時代をいったりきたりしながら物語は進行する。30年前に祖母(ネル)がひっそりとイギリスで自らの出生の秘密を調査した足跡に孫(カサンドラ)のイギリスでの行動が重なり少しずつ謎が解き明かされてゆく、終に悲壮な結末が判明するのは本書の題名でもあるコテージの”花園”の中だ。まさに100年間忘れられた花園なのだ。
作品の謎解きキーワードとして作家である曾祖母のお伽話”老婆の目玉””取替え子””黄金の卵”の3話が挿入されているが、物語を読み進める内にこの3編のお伽話が謎解きの案内役になりまたこの短編のお話は随分巧妙で味わい深い。
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二十世紀初頭から百年にわたる女性たちの物語。時代か過去に戻ったり、現代に戻ったりするけど、全く違和感無く、上下二巻をあっというまに読破しました。訳も自然で読みやすい。傑作ですな。
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久しぶりの翻訳本、さらに上下巻。
面白かった!
ソフトカバーだからなのかな?スピンがついてなくて不便だったけど…
三つの時代を行き来して語られる物語。
最初はその感覚をつかむのが大変だったけど、慣れると映像のように頭の中のイメージが切り替わる。
上手に映画化して欲しい作品。
ただ、オチというか最後の謎はそんなに引っ張るほどでもなかったかな…
下巻の中盤くらいで予想がついたし。
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訳者があとがきで書いているような「あれぇ?」な箇所が気にならなくもないんだけど、それは捨て置けるぐらいの読みごたえ・読後の満足感はあると思う(もちろんそれは訳者の力によるところもあるんだろうけど)。
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読み応えありました。登場人物が多くて相関図が欲しくなったけどそれじゃ意味ないし。終盤はこの人誰だっけと思いつつも読みきった。
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3世代にわたるミステリー。面白かったけれど終盤は結構引っ張りすぎの感が。謎は途中で分かったけれど、それを無理に引っ張っている感が否めない。全体的には面白かった。
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20世紀初頭、オーストラリアの埠頭に幼い女の子が船から降り立つ。英国からやってきた船に、身なりのよいこの子はたった一人で乗ってきたのだ…という大きな謎かけから始まる、「このミス」2012年度第7位の作品。
題名からも分かるように、20世紀初頭の英国小説をほうふつとさせる箇所が多く、どちらかと言うとロマンスに近いと思う。訳もうまいし、物語もよく練られているし、評価が高いのはわかるが今ひとつ入り込めなかった。
あくまで個人的な好みとして。好きな人は大好きになる小説だと思う。
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1900年~2005年までの歳月に流れた血筋をめぐる物語で、自分のルーツを探し謎を解いていく話。
1900年頃のイライザの章、1975年頃のネルの章、2005年のカサンドラの章と三つの章が順に語られる形式となっており、徐々に謎が明かされていく。
親や祖母が、子や孫に知ってほしかったのか隠したかったのかはわからないが、真実を求める欲求は止められないのだと思った。
この話は結局イライザの物語なのだと感じた。
個人的にはネルの章が一番好きだ。
評価はいろいろのようだが、面白く一気に読めた。
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こんなに胸が躍る作品に出会えたのは久しぶりでした。
秘密の花園”の意味を知ったときのずしんとした感じが忘れられない。
イライザの時代のお話がお気に入りでしたが、エピローグが特に好きです。
自分の出生を知らずに亡くなってしまったネルですが、どういう理由であれ救われてよかった。
このお話はネルの出生を巡るお話ですが、結局はイライザのお話なのかもしれない。愚かなほどひたすらなイライザが読んでいてとても切なかった。彼女も生きてほしかった。
このお話は小さいころから今現在も好きなものが詰まった魔法のような作品です。上手く映画化してほしいと最初は思いましたが、この魔法のような作品はぜひ活字に閉じ込めておいてほしい。
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過去で、現在で、一枚一枚ベールを剥がすように現われてくる真実。途中からどういう事なのか想像出来てしまっても確認するように先を急ぐ。途中途中に挿まれるイライザの童話が事実を象徴するようでピリリと効いていました。登場人物のアノ人が変体チックに物語りにもっと絡んでくるのかと思いましたが、そうでもなかったのでやや肩透かしな印象だったのと、双子設定にする意味があまり感じられなかったのとか、その他疑問符が若干ありますが、総じてドキドキ面白かったです。
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家族4代の物語。それぞれの世代の自分探しが交錯するが、謎が解けていく順番が上手に並べられていて
同じ場所にまつわる物語がそれぞれに展開するので、構成の見かけ上の複雑に感じない。物語の重層性をわかりやすく感じさせてくれる。それでいて、たとえば恩田陸のように放りっぱでもなく、提示された謎は納得のいくようにきちんと説明される(恩田陸のオープンエンドなスタイルもそれはそれで好きだけど)。
日本語訳の文章もとても美しいのだが、謎解きに気を取られて、情景描写をつい読み飛ばしたくなってしまうのが玉にきずか。
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半分くらいまでぶっとばしでドキドキしながら読んだけど、後半、ちょっと展開が読めてきたのと、ブラックハースト家の女があまりにも最低なため、失速してしまった。やっと読み終わったけど、なんだかくやしい読後感。現在、過去のなかで、孫のカサンドラが幸せならそれでいいのか、、。
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これは、かなり面白かったです!!!読みだしたら、続きが気になって止まらなくなります。是非休日に読んでください。
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図書館で。
面白かった!のですが面白かったから色々回収されなかった伏線が気になりました。大体お母さんはなんであんなに実家を毛嫌いしていたのだろうとかバッドマンは誰だったんだろう、とか。想像はつきますが。
ジョージアナさんも10才ぐらいの娘に息子を守ってね、もないもんだろうとか色々言いたいことはあります。そしてお母さんのモーニングブローチだかは結局あまり重要な要素ではなかったみたいなのでそれもがっかり。
謎解き部分はなるほど面白かったのですが過去の話だし全てを今生きている孫娘が知りえるはずもないけれどもなんとなく、ちょっと物足りないなあ、その理解ではとか思いながら読みました。それにして男も女も配偶者が出来るとそれまでの友情にヒビが入るものなのだろうか?ウウムウ…
とは言え楽しく読んだので他の作品も今度借りてこようかな、と思います。
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お伽噺、童話、民話、メルヘン、少年少女のための世界の文学、長じては冒険譚、恋愛小説、ミステリー、ホラー、歴史ゴシック等々・・・これまで読んできたすべてのお話・物語が凝縮されていました。
盛りだくさん過ぎて嬉しくて一気読み。
バーネット夫人が垣間見れて気持は一気に少女時代へ。