紙の本
2作目のむずかしさ
2006/11/28 00:47
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:T.O. - この投稿者のレビュー一覧を見る
「図書館」と「戦闘」との取り合わせ、という意表をつく設定で人気を博した『図書館戦争』の続編です。関東図書隊に入隊し、その中の図書特殊部隊という戦闘職種に抜擢された主人公笠原郁が、彼女の同期生の、手塚光、柴崎麻子、そして上司の堂上教官、小牧教官ともども、本作品でも変わらず元気な姿を見せてくれます。今回は、この5人の中心メンバーそれぞれが、各章でスポットライトをあてられて、その私生活や図書隊入隊までのいきさつなどが紹介され、彼らがより一層近い存在となって描かれます。
前作を面白く堪能し、続きを読みたいと思っておりましたので、すぐさまこの続編も手にしました。
もっとも、前作は、設定がそもそも意表をついたものであり、その設定のもとで、次々と繰り出されるスリリングなストーリー展開に、あれよあれよと目を見張っているうちに終わってしまったところがあります。それだけに一層、続きを読みたい思いは募ったのですが、しかし、今回の続編では、その意表をつく設定は、すでに読む側には所与のものとしてありますから、その上でさらにハイテンションの展開を維持するのは、書く側としては若干難しかったのではないかと思います。意外性や刺激性は、2作目ともなると、どうしても読む側の感覚がマヒしてしまうところがあるだろうからです。本書を読んでいて、堂上教官が郁の頭を「よしよし」といった風にポンポンとたたく、という場面が何度も出てくるのを、ドラマのお決まりのパターンだな、と感じたり、またそれ以外にも、登場人物の言動が少し大仰あるいはワンパターンだと感じる場面が目に付いたのも、若干こちらがこの物語の世界に慣れすぎてしまって、余計なことに目が行ったからかなのでしょうか。そういうあたりが、前作よりは読んでいて気になり、いろんな意味で、この2作目は、前作よりはパワーダウンかな、と感じておりました。
ところが、本書を読み終えて本を閉じたとたん、じんわりと、「ああ、おもしろかったな」という気持ちになったのは、我ながら意外でした。これはおそらく、上にも書いたように、5人の中心人物の人となりが詳しく紹介されていて、前作よりもさらに、距離感を近くして描かれていたため、彼らをより身近に感じ、いつのまにか感情移入して読んでいたからなのではないかと思います。
こういう「設定の特殊性」で読ませる作品は、その緊迫感や疾風怒濤の展開をずっとキープし続けるのは難しいことだろうと思います。本書の最後にTo be continued.とあって、さらにこの話は続くようですが、このあとどのように読者を惹きつけていくのか、作者の力量に期待したいところです。
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『図書館戦争』の続編です。
郁の両親の訪問、柴崎の前に突如現れた朝比奈という男とは、手塚の兄は、小牧と「毬江」の関係は、新しい図書館館長に選ばれた男は、郁があこがれて追いかけ続けた王子様の正体は…
などなど新キャラも出てますます物語もパワーアップ。
今回は『戦争』よりも恋愛色が濃い目に出ており、特に小牧と毬江ちゃんの話は大好きです。お前らにわかってたまるか、といつもの彼からは想像できないそんなアツイ小牧が楽しめます。
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図書館内部の派閥抗争を描く第2弾。
5章仕立てでそれぞれ登場人物に焦点を当て、物語は進みます。
今回は、図書館内の派閥抗争が主。直情バカの郁には、理解しがたい事ばかりですが、ひたむきに仕事に従事します。
今回、小牧と毬江の話がよかった。胸がトキメキます。
主人公が山猿娘なんで、余計に新鮮です。
前回と同じように、吹き出したりニヤニヤしてしまう場面が多いです。
ボケの郁と激しい突っ込みの堂上の応酬も相変わらず。
読んでいると、こちらまで元気になるし、主人公に釣られて言葉遣いまで移ってしまいそう。
しかし、「テメェ」はやめとけ。郁よ。
さて、本書は次作に続く形。次作が待ちきれません。1作目は図書館で借りたのですが、買っちゃいました。
どうするんだ、郁よ?(笑)
(2006.9.11)
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『図書館戦争』の続編ということで、ひとまずは「シリーズ化、おめでとうございます」。この人の書く話はどれも会話が絶妙で感心する。これから先も注目していくだろ。でもなぁ、どうせシリーズ化するなら、「海の底」の方がいいのに。
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先日、本書の登場人物のモデルになられた方にお会いしましたww
大学の准教授だったのですね。。。
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「図書館戦争」続編。ラブ要素が少し強くなったりと面白く仕上がっています。テンポよく進むので気だるくない。
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続編がトーンダウンするのは普通でしょう。前作よりもノベルノベルしてる印象。登場人物に仮託して自分にダメだししつつ、でも治らないんだよって言う作者が思い浮かびます。自分に似てて嫌いじゃない。
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ラブコメ気味になってまいりました。ラブあり軍隊あり、ギャグありでかなり楽しめる娯楽小説。続きも気になります。
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9月16日購入。19日読了。第三巻に続くため人間関係を膨らましその説明を行う本といった感じです。面白かったです。
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「図書館戦争」続編。今回主人公の郁ちゃん以外の心情とかもすごく良くて、大満足。柴崎が好きだー!(綺麗で頭が良くて毒舌なんて……ツボ過ぎる!)
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前作、図書館戦争が非常に面白かった有川浩。その新作ということで期待して呼んだが、期待を裏切らない出来!!
前作では図書館を守るという使命に燃えて悪戦苦闘していた郁だが、今作では仕事にも(少し)慣れ、様々な苦難を彼女なりに乗り越えていく。
近作では更に、彼女の周囲の人々(小牧、柴崎)などについても描かれ、非常に内容が濃くなっている気がする。
ナイスブック!!
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本を守り日々戦う図書館員の一人一人にスポットを当てた、シリーズ2作目。
メインキャラクター達をより深く掘り下げ、図書館内で起こる事件に絡めて様々な形の人間関係を秀逸に描いている。
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期待を裏切らなかった2作目。脇役の柴崎や小牧、手塚もやや掘り下げてますます好きになったキャラたち。
不美人なあたしでも女だからか柴崎の気持ちがわかるような気がする。気を使ったりとかね。
次回作にも大いに期待!!
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内乱と云うよりは内紛〜防衛部タスクフォースの一員となった図書館士の笠原郁は,両親が職場見学に来ると聞いて戦々恐々。父は感づいているが母は唯心配するばかりだ。上官の堂上の同僚・小牧が昔から知っている難聴者の女子高校生・毬江に『レインツリーの国』という難聴者と健聴者の恋物語を描いた本を薦めたことでメディア良化委員会から人権侵害と訴えられ身柄を拘束されてしまう。郁の同僚・手塚が兄から得た情報で救出に成功し,小牧と毬江の仲が進展を見せる。少年犯罪の供述調書を掲載した週刊誌の閲覧を巡って新館長・江東の手腕が発揮される中,郁と同室の柴崎に接近する男性・朝比奈が出現する。図書館のwebに登場した書評を書いた,郁の同期職員・砂川の図書隠蔽事件が発生し,身に覚えのない郁が査問に掛けられることになった。手塚の兄と江東と朝比奈は,図書館を法務省と同格の文科省の下に統括しようとする行政派であり,郁の信条とは相容れない。郁の窮地を救ったのは又しても上官の堂上,手塚の兄から郁の『王子様』が堂上だと知った郁は愕然とする。柴崎の口からは防衛部内に情報部創設の企てが明かされる。〜前作『図書館戦争』(以前の記録を開く)が好評で,シリーズ化された。最初は前作の後始末。中間はエピソード風に語られ,最終章でまとまりをつけているが,シリーズ化で慢心したのか,文章の乱れが多いように感じる。もうちょっと文章修行をする必要があるんじゃなかろうか・・・と書きながら書評に対する作者の反論を思い出し・・・この位で已めておこう。『内戦』というのは具合が悪い,かといって『内紛』ではインパクトに欠ける,だから『内乱』にしたのだろうか。
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『図書館戦争』の新作。
相変わらず魅力的で、チョット怖い舞台だなぁと思う。
本が自由に読める自分の今の環境は幸せだとも思う。考えてみれば結構乱暴な世界なんだけど、そういうフィルターを通してみるから判るってものもあると思う。なんというかバトロワを思い出してみたり。
今回は主人公の周辺の人物についての話なんかもあっていい感じ。しかし手塚君ってなんだか色々アレな感じだ。俺が邪推してるだけなんだろうけど。