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図書館内乱 みんなのレビュー
- 有川 浩 (著), 徒花 スクモ (イラスト)
- 税込価格:1,760円(16pt)
- 出版社:アスキー・メディアワークス
- 発売日:2006/09/11
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紙の本
エンタメのツボをしっかり押えた作品で、ともかく上手さに舌を巻きます。おまけに出てくる人間が、面白い。無論、エンタメの枠に収まっていてです。これを嫌いって言う人は少ないかも
2006/10/13 19:39
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「『図書館戦争』ってえ本があるらしいけれど、知ってる?」と突然聞いてきたのは、高三長女と違って、受験戦争までは間があり、のんびり遊んでいる高一次女です。勿論、知ってますが、読んでいないのは私も一緒。
ま、私が読むわけじゃなし、図書館でリクエストするか、とチェックすると千葉県は習志野地区では予約14人待ち(2006.10.1現在調査)、あらよ、そんなに待ってらんないよ、それならいっそ新刊で攻めたほうがいいじゃん、とまあ、初めて読むのが続編という、中途半端なこととなった次第。
でも、前作を読んでいなければ楽しめないか、っていえば、決してそんなことはなくて、例えば『ロッキー』でも『スターウォーズ』でも第二作のほうが面白い、しかもそこから始めたとしても何とか読める、っていう歴史的な真理があって、この作品もその法則に乗っ取っている、ああよかったと、ない胸をなでおろしたのがつい先日のこと。
で、いつもの伝で言えば、カバーイラストの適度なチープ感と、抜群の色彩感覚、振った視角から生み出される抜群の流動感、そしてミリタリー調のアーミーグリーンを上手く使って、タイトルの文字に砲弾の痕をあしらうなど、これは中々のものではないかと思えば、そのイラストは徒花スクモの手になるという、実はこの性別不明のアーチスト、第10回電撃ゲームイラスト大賞を受賞したときの名前がシイナスクモ、一体どうしてこんな名前に、とは思うものの、楽しいから許すかなどとエラソーに呟きます。
ついでに造本で言えば、これまたチープな感じが決して悪くはない。本の厚さからだけ見れば、多分、宮部みゆき『名もなき毒』とほぼ同じなのに、先方が500頁ならば、こちらは呆気なく350頁となんといっても紙質が違う、どちらかといえばコミックス系の軽いけれど厚みがあるもので、やっぱり狙いは若い人なんだろうなあ、結構、物理的にも軽いし、と天秤的観察。装丁・デザインは鎌部喜彦。
で、中身はと見れば、大きく五つの章に別れはするものの、基本的には連作というよりは一つの話で、恋と自由の問題がドーンと居座っていて、それをユーモアで上手に包み込む、その手腕は正直、私も舌を巻くような話で、これが電撃文庫のレベル?もしかして電撃ってターゲットはオトナ、それも活字中毒?なんて思いつつ、あとがきまで一気に読了、作中に出てくる『レインツリーの国』で新潮社とのコラボレーションもあるなんてえのは、正直、離れ技ジャン、よくもまあ、角川が呑んだなあと感心することしきり。
でお話を簡単に紹介
一、両親攪乱作戦:娘には女らしい職業について欲しい、と思う親に自分が超法規的検閲と戦う最前線部隊である図書特殊部隊と打ち明けられない郁の悩み
二、恋の障害 :小さい時からお兄ちゃんと親しんできた人に恋した少女が、高校生になって
三、美女の微笑み:美貌故に同性から排斥されてきた女が身を守るためにしたことは
四、兄と弟 :自分の野望のためには意見の異なる父親の地位を利用することも厭わない兄、それを嫌う弟
五、図書館の明日はどっちだ:自分のこころを相手に知られてしまった、乙女の恥じらい
エンタメのツボをここまで押えられちゃあ、たまりませんなあ、たしかにファウスト賞受賞者に見る前衛、実験、仕掛け、文体の冒険、タイポグラフィックな試み、なんてえのは、何処にもないんですよ、舞城王太郎的文圧も、京極夏彦的粘着質文味も、夢枕獏風自画自賛もない、シンプル&ストレート、これで勝負して勝っちゃうんだからエライ!筒井康隆先生の高みまでは行かなくても、ここまで読ませて、次作に繋げりゃ、十分すよ、って感じでしょ。
紙の本
図書館シリーズの中でイチバン大好き!!!
2007/12/14 19:51
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:愛月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1作目で惚れ込んで、続けて借りたこの2作目。
惚れ込みすぎてどうしよう・・・!!!笑
ハードカバーは高いし、学校でバイト禁止の高校生にはキツイ・・・!!
ですが!このシリーズ、ひいては有川浩さんの作品!!コレは全部集めることにしました!!今頑張ってます!!もうホント、それくらいの本なんです!!!笑
ベタ甘とか、そういうのが好みでない方にはオススメできませんが、好みの方には超絶オススメです!!!笑
ストーリーの展開は、前作より落ち着いた感じになってます。バトルらしいバトルはないし、どちらかといえば現実あってもおかしくないような範囲のバトルって感じでした。
小牧教官とその幼なじみ(聴覚障害者)の恋を半メインっぽく描いてあったりします。一番気づかれにくい障害である「聴覚障害」が、作中にそういった人物を混ぜることで、わかりやすくかつ実感の持てる形になっていました。「あー、そっか・・・」となにかしら感慨深く思うところが多かったです。
あと、手塚兄弟の確執について。これがまた規模の大きい確執で・・・(笑)兄弟喧嘩なんて、ぴょーんと一足飛びな感じです・・・(笑)でも手塚(弟)の側から見れば兄弟喧嘩に見えないこともなくて、そこがまたある意味面白いところでもありました(笑)そして、これに主人公である笠原が巻き込まれるのですが、なんというか、ハラハラドキドキじれったいくすぐったいって感じです(笑)緊迫した場面のすぐ後に超ベタ甘なシーン(それも「素」で笑)が来たりして、飽きない!!!ホント、途中でダレたり、嫌~になってきたり、そういうの全然ないです!!
最後に「王子様」の正体が手塚(兄)によって主人公にバラされて、この巻はお終いです(笑)その時の主人公といったら、余裕で想像の範囲の反応なんですが、ここは作者のすごいところでしょうね、笑わずにはいられません(笑)
続きがここまで気になる本っていうのも珍しい気がします(笑)モチロン即読みました(笑)3巻もオススメでしたね☆☆でもやっぱり題にも書いたように、私の一番のオススメは2巻です!!ぜひ、1巻だけで終わっちゃったりせずに、2巻も読んでみてください!!!あ、1巻読まれてない方はそちらもぜひぜひ読んでみてください♪♪
紙の本
だからあなたにあこがれる
2006/09/11 00:47
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
前回よりはバトルシーンが減っているけれど、物語的にはパワーアップ。物語の自然な連続性もバッチリ。肉親との確執、秘めたる恋心。前回は郁と堂上が物語の軸だったけれど、今回は他の面々も主役。
図書館のあり方について真剣に考え、それぞれの人生を織り成していく人々がとても魅力的だ。柴崎の葛藤、小牧と毬江の微妙な関係、手塚と兄の確執…。これだけ色々ストーリーを盛り込むと発散しそうになると思うのに、それぞれが絡み合いながら、柴崎を軸にして収束していくところがにくい。
実は読みながら、各所で出てくる豆知識風の発言に一人ニンマリしていた。どこかで聞いたような話だなと思ったら、やはり巻末に参考文献として一冊の本が載っていた。自分が読んだ本が元ネタとして使われていると、何か嬉しい。
物語は手塚兄の爆弾発言で終了。あまりに露骨な引きに、続編が楽しみでしょうがない。…とりあえず、出版される作中小説でもよも。
紙の本
正しく内乱です。
2008/05/26 20:52
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はぴえだ - この投稿者のレビュー一覧を見る
綺麗なものだけを見て生きていけるほど、世の中そう甘くはない。
良化委員会と図書隊の戦いが中心に、かと思いきやそれだけではない。
図書館という大きな部分で、物語は複雑さを見せてくる。
その他にも親との関係性、男女の関係性、兄弟との関係性と、人との関わり合い、駆け引きがこの巻では描かれている。
よくある身近な人間関係の悩み。誰もが一度は思い悩んだことがあるようなことが多く、共感させられる。
今巻の中で、最も印象深い部分といえば、私的にはやはり女子のみなさん。
何かもう、女は強し!といった感じかな。
毬江も、柴崎も、郁も。
守られているだけじゃないんだから!と主張している。
戦う、女子。←良いですっ。
相変わらず突っ走るヒロインに、微笑ましさを覚える。
そして、今回のラストは大爆笑!
乙女の明日はどっちだ!?
もう続きが気になって、気になって、仕方がない。
ここまで読んだら、次巻も読むしかないでしょ!?的な状況に追いやられる1冊だった。
紙の本
郁、小牧、柴崎、手塚、そして堂上の家族や大切な人との関係が深まっていくシリーズ第2作。
2022/06/30 13:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
郁、小牧、柴崎、手塚、そして堂上の家族や大切な人との関係が深まっていくシリーズ第2作。
巻末の故児玉清さんと作者の対談の「有川さんの本を読むと、心が正されるんですよ」という発言に激しく共感。
紙の本
2作目のむずかしさ
2006/11/28 00:47
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:T.O. - この投稿者のレビュー一覧を見る
「図書館」と「戦闘」との取り合わせ、という意表をつく設定で人気を博した『図書館戦争』の続編です。関東図書隊に入隊し、その中の図書特殊部隊という戦闘職種に抜擢された主人公笠原郁が、彼女の同期生の、手塚光、柴崎麻子、そして上司の堂上教官、小牧教官ともども、本作品でも変わらず元気な姿を見せてくれます。今回は、この5人の中心メンバーそれぞれが、各章でスポットライトをあてられて、その私生活や図書隊入隊までのいきさつなどが紹介され、彼らがより一層近い存在となって描かれます。
前作を面白く堪能し、続きを読みたいと思っておりましたので、すぐさまこの続編も手にしました。
もっとも、前作は、設定がそもそも意表をついたものであり、その設定のもとで、次々と繰り出されるスリリングなストーリー展開に、あれよあれよと目を見張っているうちに終わってしまったところがあります。それだけに一層、続きを読みたい思いは募ったのですが、しかし、今回の続編では、その意表をつく設定は、すでに読む側には所与のものとしてありますから、その上でさらにハイテンションの展開を維持するのは、書く側としては若干難しかったのではないかと思います。意外性や刺激性は、2作目ともなると、どうしても読む側の感覚がマヒしてしまうところがあるだろうからです。本書を読んでいて、堂上教官が郁の頭を「よしよし」といった風にポンポンとたたく、という場面が何度も出てくるのを、ドラマのお決まりのパターンだな、と感じたり、またそれ以外にも、登場人物の言動が少し大仰あるいはワンパターンだと感じる場面が目に付いたのも、若干こちらがこの物語の世界に慣れすぎてしまって、余計なことに目が行ったからかなのでしょうか。そういうあたりが、前作よりは読んでいて気になり、いろんな意味で、この2作目は、前作よりはパワーダウンかな、と感じておりました。
ところが、本書を読み終えて本を閉じたとたん、じんわりと、「ああ、おもしろかったな」という気持ちになったのは、我ながら意外でした。これはおそらく、上にも書いたように、5人の中心人物の人となりが詳しく紹介されていて、前作よりもさらに、距離感を近くして描かれていたため、彼らをより身近に感じ、いつのまにか感情移入して読んでいたからなのではないかと思います。
こういう「設定の特殊性」で読ませる作品は、その緊迫感や疾風怒濤の展開をずっとキープし続けるのは難しいことだろうと思います。本書の最後にTo be continued.とあって、さらにこの話は続くようですが、このあとどのように読者を惹きつけていくのか、作者の力量に期待したいところです。