そうそうは振り切れない呪縛
2011/06/28 10:13
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校以前の記憶がない大学一年生の多田万里は、ルックスや能力は完璧なのだけれど相当に妄想癖がある女性、加賀香子にほれる。その彼女は万里の友人となった柳澤光央のことが大好きだったのだが、1巻でキッパリふられてしまった。万里はそんな彼女を慰める友人役として便利に使われてしまっている感があるのがこの2巻だ。
その万里は万里で、実家に帰った際に見たアルバムから、高校時代に今の大学の先輩・林田奈々と同級生だったという事実を知り、彼女が何を考えているのか分からなくなってしまう。
そんな二人の女性の思惑でグラグラになっている所に、同じ一年生の岡千波が幹事をつとめる飲み会に誘われるのだ。千波を光央を奪った敵と見ている香子は、その飲み会に参加することを渋るのだが、万里はそんな彼女を説得して参加させる。
しかし、その飲み会で、表面上は穏やかになったかに見えた様々な人の間での関係が、一気に崩壊してしまうのだ。お酒は恐ろしい。
相変わらず非常にテンポよく物語が展開するし、グダグダにバカみたいに壊れる人間を書かせると面白い。そして、記憶があるないに関わらず、女性に振り回される男という構図は定番だ。
自分のストーリー通りに人生を進めるという呪縛を破ったかのようにふるまう香子は、まだその呪縛にとらわれていた。過去をなかったもののようにふるまうリンダ先輩は、ただ恐れているだけだった。そして、過去を失くした男は、今の時間にも過去の時間にも、振り回されている。
そんな揺らぎに一応の収束がもたらされたかに見える第2巻だが、次はどんな揺らぎが起きるのか?そして、まだ今のところは見えてこない、幽霊というファンタジー要素の役割は見えるようになるのか?
まだまだ青春真っ盛りというイタさとほろ苦さ
2011/06/28 03:15
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投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者自身があとがきで『飲んで酔って飲んで酔って、そればっかり』と称した通りの大学生らしい飲み会三昧。しかし、その時々に少しずつ事態が動いていく第2巻である。
「柳澤光央にフラれた加賀香子にフラれた多田万里」で始まる本巻は、基本的にこのまま最後まで進む。フラれたから赤の他人。フラれたけど親友。今後も同じ場所に居続ける男女が恋仲になり損ねた後にどう折り合いをつけるか。それ以前に、フラれてもなお未練を残す自分の気持ちをどうするのか。持て余すほどに高ぶり、溢れ出てしまいそうな感情を何とか抑制しようとする甘酸っぱくもほろ苦い展開である。馬鹿馬鹿しく騒々しい学生ライフや、こっ恥ずかしかったりイタかったりする勘違いといった諸々の狭間で、平静を装いながらも内心では抑え切れない感情の迸る場所が飲み会という点に何とも言えない青春の息吹きを感じるのだが、ライトノベルらしいデフォルメを随所に散りばめながらも心情はリアルに描かれていて時に切ない。若気の至りとは何も中学2年生の頃だけではないことが示されており、この辺りは読み手の年代によって様々に色を変えて迫ってくるものがあろう。
そして、もう1つの要素は万里の過去であり、過去とは即ちリンダこと林田奈々とのことである。これもまた殊の外事態が動くのだが、酔いに任せて鬱憤を晴らすかのように問いただしてしまう独り善がりから「お互い様」に気付いてさらに自分を責めてしまう切なさとほろ苦さが描かれていた。“現在”も“過去”も女性は最後まで本意を内に秘めて、なかなか露わにしないものであり、それ故に本音と建前がチラチラ見え隠れする、得も言われぬ緊張感も全体に漂っていた。
「柳澤光央にフラれた加賀香子にフラれた多田万里」は、本巻の終わりに状況が変わっている。しかし、現在と過去が分断されている万里には、それぞれが別のモノとして存在しているようでもあり、今のところは“現在”が優勢に見えるのだが、“過去”とも何らかの決着をつけなくてはならない。そんな狭間で揺れに揺れるであろう今後の万里に注目したい。
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投稿者:AIZOU - この投稿者のレビュー一覧を見る
加賀さんと仲良くなり、飲み会したり、楽しく過ごす
青春って感じ
よんでてええなーと思う
唯一不穏なのは主人公の記憶喪失
これが話として、吉と出るか凶とでるか
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1巻のテンポの良さと比較すると、展開的には荒い感じがしなくもないです。
まあ、あとがきにもある通り、飲んで酔って、飲んで酔ってなので、仕方ないかとは思いますが、、、
ちょっと気になったのは、今の大学生ってこんなしゃべり方するのかなあ~とか、こんなギャグとか歌とか歌うかな~???って違和感で、星一つ減点させていただきました。
それでも、十分面白かったし、ここ最近のラノベの中では一番続きが楽しみな作品です。
万里と香子とリンダの関係にも大きな動きがあったし、すでに3巻が待ち遠しい~!
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武宮先生のラブコメらしく、軽快なテンポで読めると思います。あえて言うならば記憶喪失の描写がやや分かり難かったかもしれません。この残念なお嬢様と記憶喪失君の行方を楽しみに待ちたいと思います。
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20ページまで読んで、副タイトル思い出して、うぬぁあああって。
最後のほうでもやっぱりうぬぁああああああ!って。
のたうちまわる。リンダさん…。
香子さんは普段からぶっ飛んでるけれど、酒を飲んだら万里も。
大学生活の細かい描写など、中国語とか、結構最近だったはずなのに懐かしい。
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香子さんがアイデンティティクライシスにとりあえずの決着をつける話。決着付くのがはやい気はする。
物語を構築してみたり、他人に理想の自分を見出してみたりといったところは相変わらずで、
最終的には多少の成長が見られるような、やっぱりあんまり成長していないような。
結局は感情に任せて突っ走ってるわけで成長してないとも言えるし、多少なりとも制御している形跡はあるので成長してるとも言える。
次巻で香子さんとかやなっさんがどんなことになってるのか大いに期待してる。あとドスラフレシアさん。
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リンダ先輩は何も悪いことしてないのに切ない展開。
次巻は恐怖の三角関係が展開したりはしないのでしょうか。
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ドM向き。ラノベのようで全くライトじゃないノベル。ヘヴィでビターな大人味で。酒と吐瀉物のきつい香りで。
主人公万里もヒロイン加賀も不器用で、うまくいかない人間関係は竹宮ワールド真骨頂で。
アニメ声でコミュ充で可愛らしい岡千波ちゃんは、やっぱりアレで。
しかし、ドロドロして目を覆うような展開も、残り10ページで辻褄が合う。
どんなに辛くても、我慢して最後まで読み続けられるなら。
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とらドラ!より展開が早い。
2巻でもう。
つか舞台が大学だと、もやっとしますね。
一人暮らししてたり、外泊も飲酒も別にOKだし
ラノベの舞台としてはやっぱり高校生活特有のあの
息苦しさ、閉塞感がぴったりなのかもしれません。
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物語としては特にアクションも冒険も危機的状況もある訳ではないので、基本会話劇でできている。そしてこの会話劇が微妙だ。上手い下手ではなく話主達の空気がである。「振られた人間と振った人間」「過去の出来事をなかったことにした間柄」で行われる会話はいくらテンションが高くとも中々笑えない。ラノベチックなラブコメよりもリアルな人間関係を描いているのでギャグ要素に笑えるかどうかは読み手を選ぶと思う。これは会話劇というものはリアルに描こうとするほど読み手の経験で印象が変わってしまう所があるからだ。好みに合わなければあまり楽しい物語とは言えないかもしれない。
しかし、モヤモヤを抱えながら進めていくと読者だけではなくキャラクターも爆発する展開が訪れる。
私は竹宮ゆゆこ氏の感情吐露の描写が非常に好きだ。溜めておくのが不可能になった感情は打算のない純粋な言葉になって心を打つ。その描写が特に上手い。なので日常会話partでおもしろいと思えるかは読み手次第だが私の思う「竹宮ゆゆこらしさ」は物語の最後に爆発し、読み手のモヤモヤを吹き飛ばしてくれるはず。すっきりしたはずなのに続きが気になる第2巻でした。
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作者らしい展開といえば展開。
ただ、幽霊の存在がイマイチ薄い。
幽霊なだけにしかたないかもしれないが、もう少し目立たせればなと思わないでも。
ストーリー?実はハーレムものだけど思惑のすれ違いが事態を混沌とさせてる、といったところか。
よくある人間としてありえない鈍感さとかはないのでまだ読める。
・・・うむ。もう少しリハビリが必要なようだ。
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そんな雰囲気は最初からしてたが、サブタイが思いっきりネタバレな件について。
1巻は結構すんなり読めたのだが、2巻からどうも全体的な違和感がぬぐえない。
万里の視点がよく分からないし、台詞回しも勢いだけって感じで読んでてあんまり面白くなかった。。。
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リアルタイムに刊行を待つって、やっぱり特別なうれしさがありますね。
さて、待望の第2巻はイエスとノーが飛び交います。
今回はぐだぐだと呑み続ける、というお話でしたが(笑)
思った以上に早くも物語が大きく動きます。
そしてこの先に更なる人間関係の混迷が待ち受けている事は間違いないのでしょう。
相変わらずやらかし続ける香子、進歩がないのですが一巻とはちょっと違うんですよね。
思わず何度も見返してしまいました。
それにしても竹宮さんのラブとコメは相変わらず冴えています。
特にラストは最高です。
ただとらドラ!10巻ぐらいからの傾向のような気がしますが
全体的に文章が書き込み過ぎになっている気がします。
それ以前のもう少しすっきりとした文体に戻って欲しい。
その辺りがちょっと気がかりなのでなので、星三つ。
でも面白かったです。続きが待ち遠しい。
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かなり首を長くして待ってたシリーズ第2巻。
ノリが特殊、というかこれは90年代ノリ?
ところどころ登場人物がハイテンションすぎて空回ってる(ように見える)けど、
盛り上がりなんて周囲の目から見たらそんなものかもしれない。
完璧超人に見えて不器用全開な香子が以前にも増してかわいかった。
飲み会→泥酔→二日酔いの描写が共感できすぎて怖い。