紙の本
現実とファンタジーの妙をとくと、味わえます
2024/03/16 12:52
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投稿者:nico - この投稿者のレビュー一覧を見る
私たちが生きる現実世界に散りばめられるファンタジーが妙でとても癖になります。
日常にファンタジーが組み込まれると夢がなくなるというか、現実問題の諸所にぶち当たるのが小気味よく、時に切なく、世知辛い、というのを全編通して感じます。
その妙な心地良さがありますね。すごいです。
「竜網ヒリュウ目、ミドリヒリュウ科、ミドリキンメ、ヒリュウ、よし子、4歳」
という、なんともいえないシュールなかんじがたまりません(笑)
九井先生ならではの視点での竜に並々ならぬ愛を感じもしますね。
紙の本
奇妙な話も含まれますが、基本ファンタジーで、WEBサイトと、同人誌と、書き下ろしという、インディーズ作品を集めたもの。
2024/02/06 17:36
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投稿者:L療法 - この投稿者のレビュー一覧を見る
漫画力と画力の高さに呆れる。
これは尋常じゃないよ。
ファンタジーですが、メタ的な視点が常にあり、SFに近い。
この辺、御伽噺のようなファンタジーを求める人にはノイズになるんだろうか。
そう言った視点がむしろ心地いい。
厳密に考えると、破綻するか、非常に奇妙なことになる、ファンタジー世界、そこにリアリティを持ち込みつつ漫画に仕上げてしまうってすごい。
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投稿者:あき - この投稿者のレビュー一覧を見る
もっと緻密な絵柄かと思っていたのですが、意外とゆるい線で読みやすいです。
「リアルなファンタジー」のお話たち。私も飛んでみたい~。
電子書籍
文句無しに良作
2015/08/29 01:16
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投稿者:試行錯誤 - この投稿者のレビュー一覧を見る
同じ作者の「ダンジョン飯」が面白かったので、過去作も買ってみました。
短編集で、それぞれハズレの無い良作。良い買い物でした。
勇者が魔王を倒した後のファンタジー世界から段々現代物になっていく構成も良かったですね。
様々な方向で「切ない」、印象深い話が多い印象です。
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発売当時どこを探しても本屋に置いてなかったのにこのごろ新刊と一緒に平積みされている本。
九井さんは本当に絵が上手いなと思いながら読んでます。
話も斬新な話が多くて面白いです。
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ほんわか読みやすい絵柄でハードに(リアルに?)異種間。竜好きなので、見てるだけでほわほわします。私も無意識に彼らを傷つけるだろうなあとか色々思いつつ、竜や馬人や翼人が隣にいたらそりゃー友達になりたいなあと思うのです。
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使い古されてしまったファンタジーや日常の中にさらりと非日常を放り込む表現を使って、見慣れているけれどちょっと不思議で、だが、都合のよくないことや決まりが悪いことをあぶり出しているところにほれぼれした。
表題になってる短編のように、竜という空想の設定の生き物なんかを扱っていても妙にリアルさを感じさせるところがあるのもいい。
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ファンタジーに現実的な視点をひとつ付加して描くのが得意なようで、たとえば魔王を倒した後の勇者が今度は人々の恐怖の対象になったり、人間同士が争い始めてあきれたりしている世界を舞台に選んでいる。
こうした視点自体は近年よくみるものだけれど、作者特有のふわりとした表現や間の取り方でうまく緩和され(女性ならではというべきか?)、悲惨な話でも読後感は意外とさわやか。ギャグを全面に出した話も面白い。
あとケンタウロスの奥さんがかわいすぎる。
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短編集
作家独特の余韻を持つ漫画が多い
身近にある日常と非日常を混ぜ込むのが非常に上手いと感じた
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ファンタジーと現代がいい感じに混ざり合っており良い。
切ない話が多いのも好み。
作者HPで読める話もあるので、それを読んで面白いと思ったら買って損はないです!
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こういう雰囲気の漫画大好きです!絵もかわいい◎お話も、どれもおもしろかったです。日常の中のメルヘン。
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すごい!!!
この世界観や、ゆるーーーーーい笑い。
(五本指の靴?ソックス?では爆笑しましたけどw)
ほんとに、この魅力にやられました!!
ゆるい絵ばかりじゃなくて、カッコいい&キレイとの差が絶妙☆
こんなに良い漫画に出会えて嬉しいです。(*^▽^*)
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示唆度 ★★★★☆
絵が美しい度 ★★★★☆
非現実度 ★★★★★
9つの短編からなるオムニバス作品集。帯にもあるように「あたりまえのように、そこにある非日常」が、全ての作品に共通して描かれている。ファンタジー調の作品もあれば、現代人を揶揄するかのような作品もあり、全ての作品が、明らかに何かを示唆するような終わり方になっている。こんな世界を心に持っている人がいるんだなぁ…。
収録作品は以下の通り。
【帰郷(20頁)】
勇者として村を出て旅をしていた青年の帰郷の物語。魔王を討伐して帰郷した青年と、幼なじみ(?)と思しき村人を軸に、青年の孤独と、村人の嫉妬が描かれる。
【魔王(12頁)】
ある吹雪の夜、ある吟遊詩人が宿を借りた先で語る、ある物語。「美女と野獣」を彷彿とさせるが、その家主の女性は…。
【魔王城問題(34頁)】
魔王を倒した後に残った巨大な魔王城。その不毛な土地を開拓しに訪れた貴族一家と、魔王を倒した勇者の内の、生き残った一人の男。全てを勇者に投げ、都合よく振り回した人間と、それに翻弄され酒に入り浸る元勇者。その勇者になぜか執着する貴族一家の娘。最後のシーンで、一気に心が暖まる。
【支配(12頁)】
文明の進化が止まった星に、「生き物製造機」を作った異星人。おろかな人々が、完全に地球人と重なる。
【代紺山の嫁探し(38頁)】
一転して舞台は日本。村を豊かにするため、貧乏な村人「権平」の元へ神様を嫁に迎えようとする村長。人間により無下に忘れ去られた過去が豊穣の神により告げられた時、村長とその一人娘「おみつ」、権平のすれ違う心は重なる…?
【現代神話(48頁)】
地球上には二本足の「猿人」と四本足の「馬人」の二種類の人間がいる。勤勉に「しか」過ごせない馬人と、時間を無為に使うことが「出来る」猿人。ところどころの馬人エピソードで笑い、馬人就業規制反対のデモで考えさせられる。
【進学天使(38頁)】
ごく普通の学生たちの中に、羽の生えた子が一人いる。空を飛ぶことができる、でもいつか飛べなくなる。淡い恋を描いているようで、その素材は天使。「あの子」に羽が生えている以外は、ごく普通の日常。「あの子」が空を飛ぶのを見て、何かが変わる。
【竜の学校は山の上(48頁)】
竜学部のある大学「宇ノ宮大学」。この社会では、既に竜は利用価値がない。けれども竜から離れなれない人々がいて、何かを見出そうとする人がいる。竜研究会でのやりとりは、「竜」以外にも当てはまる…?香野橋部長が竜で飛び立つシーンは必見。
【くず(17頁)】
就活に身を入れず、パチンコに明け暮れる「加藤」が参加したアルバイトとは。「おめでとう!君はくずの中のくず!」
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予想より遙かに面白かった。「代紺山の嫁探し」が特に好きだな。あと、「現代神話」のP156 2本目、P157 1本目がすてきだ(笑)
表紙と中身の感じがちょっと違ってて、まあそれはねー。商業製品だしね。
しかし世界観の創造の巧い人だなー。すばらしい。
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2011 7/2読了。有隣堂で購入。
ネットで話題になっていたのを見て気になっていた本。
もっと早く買えばよかったかも。
異世界における魔王退治後の勇者や社会について描いた作品も趣があったけど、秀逸なのはやはり現代日本にファンタジー要素があったら・・・というのを現実的に描いていく後半収録作品だと思う。
ケンタウロスは働き者だし働くのに有利な身体特性を持ってもいるので猿から進化した人類と労働問題が起きたりする。
天使は現代日本の都市環境じゃ自由に飛べない。
龍は現実的に考えて不要。
そんな感じのやたら現実的な問題と、それにまつわる当事者たちの心境とかを描いているのが面白い。