紙の本
ぐっときました
2014/01/18 21:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:namema - この投稿者のレビュー一覧を見る
短歌ってこんなに自由なんだ!
心は静かなのに、ぐっと近付いてきたような、掴まれたような。
学校の授業で習った短歌とは全然違っていて、引き込まれました。
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短歌です。佐賀の夭折した歌人です。
『あんぱんがたべたい人とあんぱんのあいだに物凄い滝がある』
【長崎大学】ペンネーム:ぎゅ
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言葉の持つみずみずしい感性に目が覚めるようです。そして鮮やかに光景が目に浮かびます。音が聴こえ、心が震えます。
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愛に充ちているのに寂しい。
飛ぶ鳥のようにのびのびしているようで、ゆっくりと墜落しているような印象もうける。
切らないでおいたたくあんくるしそう ほんらいのすがたじゃないものね
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「なぜ?」と訊かれても、上手く答えられない。感覚で、としか言いようのないところで、響いているのだろう。久しぶりにこんなに泣いてしまって、ほんとう一体どうしたことか。
もっと生きて、歌を創りつづけてほしかった。
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歌集全三冊読了。
どこか奥深いところから言葉が沸き出る夜のみずうみを眺めているような、とても密やかで、少し所在ない心地になりました。
透明な感性に憧れを抱くと共に、夭折を悔やまずにいられません。
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あぁとても好きだなぁ。
雨のことばかりがのっている辞書を六月のひなたに置いてみる
気の間より漏れてくる光 祖父はさう、このように笑ふひとであつた
つきあかりを鞄にいれてしまいます こんなにもこんなにもひとりで
栓抜きにゆびをとおして星が降るのを待っている翡翠少年
虹がないことに気づいた空がまたいちからやりなおすとのことです
今夜から月がふたつになるような気がしませんか 気がしませんか
どの短歌も心に残ります。
笹井さんがきりとった世界、美しさ、優しいまなざしや垣間見える現実の残酷さ、そのバランスにとても惹かれます。
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奪われてゆくのでしょうね 時とともに強い拙いまばゆいちから
ひぐらしのあらしのなかをゆっくりとわたしはひらがなのあしどりで
ひとりでにりぼんむすびになっていたひもの痛みの、はかりしれない
世界って貝殻ですか 海ですか それとも遠い三叉路ですか
切らないでおいたたくあんくるしそう ほんらいのすがたじゃないものね
よかったら絶望をしてくださいね きちんとあとを追いますからね
さうではない、肥大しすぎた両翼がのしかかり舞へないのだ人は
ことばとふナイフを持ちて切り出だす 太陽よりもあたたかきうた
雨といふごくやはらかき弾丸がわが心象を貫きにけり
葉桜を愛でゆく母がほんのりと少女を生きるひとときがある
あとがきの穂村弘の名前の出てきかたに嬉しくなってしまった
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何故かとても気になって、他にも読まねばならない本も多いのに、割り込ませてしまった。
何故気になってたのか、数首を読んですぐ解った。
私の大好きな詩人、八木重吉に似ている。
心のどこかが共鳴していたのだろう。
清らかで澄み切った詩情がどちらにもある。
そして、詩人と歌人の短い生涯も・・・
素朴な琴
八木重吉
このあかるさのなかへ
ひとつの素朴な琴をおけば
秋の美しさに耐えかねて
琴はしづかに鳴りいだすだらう
笹井宏之
虹がないことに気づいた空がまたいちからやりなおすとのことです
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#笹井宏之 #短歌 ひのきぶろみたいな笑い方をする できるかどうかではなくて、する #返歌 檜風呂見たいな屋上露天風呂生きるかどうかではなくて見る #加藤治郎 監修
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ぱらぱらと中身をめくって手に取り、序の文を読んで重みが増した。
きらきらと光を反射して優しくて、良くも悪くも純粋ささえ。作中よく見られた水のよう。
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偶然、同じ時期に知ったふたりの歌人。
笹井弘之と荻原慎一郎、ふたりとも二十代の若さで夭折。
あぁ、せつない。才能ある若者が難病であるいは自死で命を失うなんて。
でも、短歌という足跡を残せたのがせめてもの救いだ。
・くちぶえのとびきり似合う風が吹き昭和通りはいま
夕ぐれに
・生きてゆく 返しきれないたくさんの恩を鞄に
つめて きちんと
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前作の「ひとさらい」もすごくよかったのだけど、今作はなんだか前作よりも洗練されていて、とりこまれそうなほど、読んでいてきもちよかった。頭のなかで再生される音がとにかく美しい。ピアノを弾く人だからだろうか。耳にここちいい文字列だった。苦しくて、一度に読めなかった。
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●天からのみずに名前をつけている 羽化をしたばかりの妖精は
●私からもっとも遠い駅として初恋の日のあなたはわらう
●うつくしいみずのこぼれる左目と遠くの森を見つめる右目
●ひらがなであったおとこが夕立とともに漢字に戻りはじめる
●気のふれたひとの笑顔がこの世界最後の島であるということ
●本棚の奥に小さな目があってむこうの窓に虹が出ている
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行間が丁度よくて、しんどくならない早さで読み進められた。詩は体験したことと何か重なりがあったときに よく心に残るのだけれど、この歌集は、リズムや響きが美しく言葉の新しい捉え方が、爽やかで、くらい言葉も何故か輝いて聞こえた。陰鬱な言葉はなく、優しい響きが残る歌集だった