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紙の本
「グヤジー」と嘆いている人のために
2011/06/08 08:08
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
作家の山口瞳さんには「頑固オヤジ」のイメージがあって、それがまた昭和のオヤジぽくってなかなかあの人を超える文化人はでてこない。
山口瞳さんは「ガンコということは、年齢にも関係」すると「ガンコ爺いの弁」という小文(『山本さんのいいつけ』所載)に書いています。すなわち、人生の終盤に差しかかってくると「開き直って、言いたいことは言ってしまえ、気に食わなきゃどなりつけろというふうになってしまう」。
でも、今の時代山口瞳さんに匹敵するような人いるのかなと考えていたら、いました、いました、ちゃんといました。平成の「頑固オヤジ」がちゃんといました。
それが、本書の著者、東海林さだおさん。
なにしろ東海林さんはこの本のなかでも、桜の咲いていない花見ツアーを嘆き、「お早う」という挨拶を怒り、自分探しの旅をぼやき、世の中のフタを褒めたと思えばけなし、「草食男子許すまじ」と一喝する。
その気合い、その頑固ぶりは、はまさに山口瞳さんの正統な後継者といえる。
それに東海林さんには漫画家としてのユーモアもあって、挿絵のなかでも思う存分からかえてしまうので、山口さんより有利といえる。頑固者に有利不利があるかどうかはともかくとして。
本書は『オール読物』に2009年から2011年の初めまで連載されていた「男の分別学」をまとめたものだが、なるほど、頑固というのもひとつの「男の分別」なのかもしれない。
ところで、この本のなかには東海林さんの謝罪会見についての検証報告? が収められているので、ぜひ政治家の皆さんや大きな電力会社の皆さんや北陸の焼肉屋の皆さんも、勉強してみてはどうだろうか。
国民は、被災者は、焼肉大好きな人は、「グヤジー」と泣いているのですよ。
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