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小説 / 戦前の上方文化の素晴らしさが伝わってくる。緻密な描写に加えて、実在の地名や店名が出てくるので、読んでいると映像が浮かんでくる。生活、食事、旅行、…。美しく、そして贅沢。訳注が面白い。
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テレビドラマのような小説で読んでいて楽しいです。登場人物の息づかいがきこえてくるような瑞々しくて親しみ易いお話。人生の暗い面も描かれてはいますが、読むたびに姉妹っていいな、と思います。Setzが昔お誕生日にくれた。ありがとう。
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日本文学は『細雪』に始まり『細雪』に終る、と、言っても良いのではないだろうか?
わたし、Giovanniのブログでも、『細雪』について書いてます。http://aroundtheroundtable.blogspot.com/2006/05/giovanni.html
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ダイアローグ形式に進行していく作品の最終話。当時の伝統文化、四人姉妹の明暗二様。
この作品は一度ならず二度は手にとりたい作品!
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上巻を買ったときは読み通せるかなぁと少し不安でしたが、とてもおもしろく、一気に読んでしまいました。大阪の方の地名はあまり知らないのですが、東京は今もある建物名なども出てきてとても興味深かったです。ああいう終わり方をするとは少し驚きました。関係ないけど、巻末にある解説にはなんとなく納得できないなーと思った。
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親父に借りて読んだ。
要約してしまえば蒔岡家の三女・雪子の縁談についての話だが、細かな描写から昭和10年代当時の彼女らの暮らしぶりが伝わってきて、読んでいて不思議と退屈せず、どんどん続きが読みたくなる作品。
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終わり方に、ガーンと頭をどつかれた気分。
そうか、こういうのが余韻とか広がりなんや、こういうのが小説の終わり方なんや、と。
もうね、冷や水ザッパーンです。
落ち込んだりイーッ!ってなったりホロリとしたりエイヤッ!と突っ走ったり、生活ってそういうもんじゃないですか。この四姉妹も同じで、でも儚くて霞のかかったような美しさ。
純文学好きで良かった。
08.11.07
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下巻読了。
レビューで「終わりかたが…」と賛否両論だったので、どういう終わり方するのか、とても興味があって、一気に読んでしまいました。
確かに…ものすごーく意表をつくラストです。
(最後の一文については、読んでない方のためにあまり書かずにおきますが)
今までこれだけ日常的な事件を細かく、四姉妹の様々な視点からつぶさに心理描写をしていたのに、最終章が若干やっつけ?って思うくらいアッサリしていて、絶対次の章があるのだろうと思ってページを繰ると、谷崎本人の「『細雪』回顧」が…
この終わりのアッサリ感…え、これで終わり?みたいな感じ。何かに似てます。そうです、「源氏物語」です。あれも、意外とアッサリ、余韻を感じさせる間もないくらいアッサリ終わります。やっぱりこの辺にも「源氏物語」の影響は感じられますね。
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日本には、いにしえより四季がある。
この国が長い年月をかけて育んだ文化がある。
そして、その文化の中で
いやおうなく、生活する、穏やかな女性がいる。激しい気性の女性がいる、強く逞しい女性がいる。
大阪船場の失われゆく旧家に生まれた四人姉妹の物語。
谷崎は三女雪子という、老熟した日本文化の化身としての彼女を雛型を軸に繰り広げる。
没落していく古い風習とともに近代日本の絢爛絵巻を完全に具現化したとおもう。
そしてそれは辛くも大成功を収めたといえる。
中庸に生きるということが難しくもあり、大切なことなのだろう。
読後、それに尽きると思い知らされる。
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初めての谷崎作品でしたが、
とても読みやすかったです。
単純な上流階級を舞台にした話なんだけれども、
文章の引力が強かったです。
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鶴子、幸子、雪子、妙子の四姉妹。
もっと読み続けていたい、
まったりとした世界に浸り続けたいと思いつつ、
後半はどんどん話がすすんで若干おいてけぼり。
けど、谷崎先生の世界は美しいです。
大きな災害や病気もたまにありつつ、
しかし描かれる日々はゆるやかに淡々と進む。
幸子を視点にした姉妹同士の思いやりや思い込み、
ひがみや愚痴なんかの細やかな心の機微。
物語に流れる時間のゆるさと細やかな心の描写。
そのコントラストが気持ちいい。
そんな姉妹やその友人たちの悲喜こもごもをはらみながら、
世界は戦争へと着実に向かっていく。
2010.05.25.読了
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話の閉め方に呆然。
おめでたいエンディングを「出物腫れ物ところ構わず」で
うっちゃる作者に脱帽。
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2008.03.08. 最後の怒涛っぷりは、あまり好みじゃなかったけれど、読み終わってしまったのが残念。できることなら、延々とこの姉妹のなんでもないやりとりを読んでいたかった。今のなんでもあり世界に幸子がやってきたら、驚きすぎて卒倒するだろうなぁ。
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おわっちゃったー・・・500ページ読んでもまだ半分の三分の1っていうのにくらくらしながら毎晩遅くまでがんばりましたがおわっちゃってさびしい超。サザエさんみたいにそれはそれで続いていってもよかったよ。4姉妹。何だかもう、わたしはこいさんと同じくらいからスタートしていると思われるけど、姉ちゃんたちがかわいくて、ずっと、ずっとみていたい。そして夜中にあほかーーーーとさんざん叫んでしまったがまあそれはそれでよし、あはははは!ほんとうにかわいい本だったから読み切れなかったところなんてもうよいのです。よきところの女の子たちの様子や、華やかさ、繊細さ、無恥さ、もうでも女が4人いたらこれだけも書くことはあるよねえ。それでもって、わたしはお花見のようすがすごく好き!4人の着物の描写、顔のつくりの描写、わいわい言いあう様子、その全部で心のなかがぱあっと明るくなるし、美しいしかわいらしいし。これからもずっと読みたい。もうちょっと下すぎるとみんなわけがわからないし、もうちょっと上だと、家族の悲哀が増えてきてこの年ごろだからよけいにこれだけかけてたのしいのでしょう。
オリエンタルホテルのグリル、帝国ホテルに宿を、菊五郎がみたい、とかあんまり踏み入れたことないけど当時の豪奢な部分が本の中に生き生きとして、そこも楽しみでした。心の中の描写は都合よく面倒くさくなったり、話をうまくすすまるようにされているけれど、それも人の傲慢さを感じていいし、そういうところが悲しみや哀愁をより高める形で使われていて、仕方ない。全部好き。
市川こんの、細雪のきもの、っていう本もあるみたいです。読んでみたい。
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幸子の視点から大半が書かれていた物語は、最後に雪子の視点に変わって終わる。
こいさんと呼ばれていた炒子は子を死産し、嬢さんと呼ばれていた雪子も嫁ぎ先が決まりこれから先は嬢さんとよばれることもなくなるだろう。いつまでも年をとらず、永遠に娘として生きるかのようにみえた彼女らの時間も実は、動いていることを戦争の気配と共に感じさせる終わり方だった。
谷崎初体験の1冊だが、初体験がこの本でよかったとおもう。