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日本の技術力や文化、精神性など世界に誇れるものをたくさん紹介している。
3.11の後に発行され、情報としての新しさも価値がある。
日本人としての誇りを与えてくれる本。
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よく見るとタイトルがかぶっている。キーワードは「日本の底力」のようだ。
こちらは、先述の歴史ではなく、日本が生んだ発明やシステムの羅列の雑学本だ。正直言って、知らない事象がひとつもない。新しい発見も一つもない。5年前なら誇れるようなことも3.11以後の慰めものとしては、若干物足りない日本賛歌だと思う。それでもなお編集の妙味として、日本が総合力と潜在力をもっているということを教えてくれる。正確には「もっていた」ということを教えてくれる。マンガ・カラオケをはじめ、インスタントラーメンや交番システム、今話題の新幹線の安全性、それらすべては、日本人が真摯に追求したことによって得られた高度の技術とシステムである。偶然や奇跡で作られたものではない。
そもそももう今は底力が必要な時期なのだなと思う。誇る必要はないが、もっと先を行かなければならないね。
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最近、三橋氏の本を読むことが多く、日本の経済状況については諸外国と比較して「危機的ではない」と思えるようになってきました。
ところが、日本の将来の発展を担う製造業やサービス業の強みは具体的に何かと問われた場合、長谷川慶太郎氏は具体例をあげて説明されることも多いのですが、それ以外にはあまり目に留まりませんでした。
勤務しているオフィスビルに入っているコンビニで買い物をすることがあるのですが、書籍コーナーで、この本が目に留まり手に取ってみました。
日本を支えている技術の具体例が示されていて、日本の将来も希望が持てるのではと思い読後感は気持ちよかったです。
以下は気になったポイントです。
・2010年4月に英BBCと読売新聞社が共同実施した33か国対象の世論調査によれば、日本が世界に良い影響を与えているという評価は53%で、ドイツ(59%)に次いで二位であった、米タイム誌によるアンケートでは日本は4年連続1位(p20)
・日本だけ銭湯文化が根付いたかは、日本人が公共マナーを重んじる国民性を持っているから(p29)
・日本国民は、健康保険組合(サラリーマン)、国民健康保険(自営業者)、全国健康保険協会:協会けんぽ(中小企業)などのいずれかへの加入を義務付けられていて、保険料を払っていれば保険診療をうけられる(国民皆保険)制度がある(p36)
・2008年現在、日本の医療費は38兆円だが、GDP比較で約8%、OECDの平均が8.8%なので、日本は非常に質の高いサービスをしているとも言える(p38)
・国民皆保険、フリーアクセス(患者が医療機関を選べる)、低価格で高水準という3つの優れた制度が、平均寿命、乳児死亡率の低さ、先端機器設置数の世界一位を実現できている(38)
・フェラーリが選んだ工作機械は安田工業製である、1台で一気にミクロン単位の加工ができて、長時間稼業により誤差は生じない(p55)
・日本的経営では、買い手のみではなく、社会全体の暮らしが便利になったり豊かになることを「本業を通じて社会貢献している」とみなす、誰かの役に立っているという思いがあるので人々は仕事にいそしむことができる(p60)
・武士の棟梁が皇族を滅亡させることが起きなかった理由として、日本の権力者が「天皇から任命される」というかたちをとってきているから、摂政・関白・太政大臣・征夷大将軍・内閣総理大臣も同様(p62)
・天皇が現在まで続いている理由は、天皇家は祭祀や信仰の対象で、実際の政治の権限を握っていなかったことにある(p63)
・梅干の薬効は、1)疲労回復効果、2)胃腸の働きを活発化して食欲増進、3)胃がんや胃潰瘍を防止、4)腐敗防止と抗菌作用、にある(p74)
・桜は日本以外にもあるが、桜の花見を楽しむ文化は日本独自のもの、そのルーツとして、1)平安時代(812)に嵯峨天皇が宴を催し、梅から桜に代えた、2)農耕儀礼が花見に発展したというもの(p89)
・五重塔が地震で倒壊しなかった秘訣は「心柱」にあ��と言われている、スカイツリーも、直径8メートル、高さ375メートルの階段室を兼用とした心柱が制御装置として設けられている(p99)
・スカイツリーでは、GPSを使って、24時間毎秒ごとにデータととって中心点を割り出して、地球の球面にたいして、まっすぐに建つように補正する(p101)
・バラには、紫色や青色を発現させるために欠かせない「デルフィニジン」という色素が存在しておらず、青いバラは不可能であった、それをサントリーが挑戦して1990年からとりくんで2004年に完成させた(p105)
・有機ELは、ガラス上に有機物を塗布して電気を通すので有機物が画素として発光するので液晶よりもはるかに薄くできる、照明分野において有機ELは「エジソン以来の発明」とされている(p115)
・日本の自動販売機普及の要因は、諸外国に比べて治安が良いから(p119)
・2010年現在、ゲームハードのシェアは、任天堂「Wii」が49%、PS3が31%、マイクロソフトのXbox360:20%であり、日本のゲームが8割を占める(p131)
・カラオケの参加人口は、日本では4430万人で、カラオケ文化は定着している(p142)
・インスタントラーメンは世界中で毎日1億人が食べている、日清食品創設者の安藤氏はアメリカの新聞の社説でも取り上げられた、中国:409、インドネシア:139、ベトナム:43、韓国:35、アメリカ:41、日本54億食(年間)食べられている(p145)
・麺類は2000年以上の歴史があるが、インスタントラーメンとカップヌードルを発明したのは、安藤氏のみ(p146)
・日本が独自に進歩させてきたもので世界標準になりそうものとして、水配給システム・エコカー・ロボットなどがある(p154)
・水配給システム(東京水道)のアピールポイントの最大のものは、漏水率(3.1%@2009)である、アジア主要都市では平均で30%(p157)
・日本の新幹線は、フランスTGV,ドイツ、イタリア、イギリスの競合のなか、地震発生を即座に感知して列車をとめる非常停止ステム「ユレダス」が評価されて日本の新幹線が評価された(p161)
・700系新幹線の最高速度は270キロで初期の0系よりも50キロもアップしているが、電力消費量は3割減少、騒音が少ない点も優れている、無事故、エネルギー効率が少ない点も評価される(162)
・筑波大学発のベンチャー企業である「サイバーダイン社」が開発したロボットスーツ「HAL」は生活支援ロボットとして注目を集めている(p164)
・世界には三大メガネ産地があり、イタリアは「デザイン」、中国は「安さ」を売り物にしているが、鯖江(国内シェア:96、世界シェア:20%)は、「技術」を売り物にしている(p172)
・日本で地熱発電が停滞している理由は、国立公園・温泉・コストが原因で、熱水系資源の82%が国立公園保護地区、特別地域内に入っている(p179)
・2009年4月に北朝鮮は弾頭ミサイル発射実験をおこなったが、気象予測技術により事前に打ち上げを察知していた(p186)
・ヤママユ(日本原産の蛾)にはがん細胞を一時的に眠らせる作用があることが証明された、効果を発するのは激しく増殖している細胞のみ、免疫機能のリンパ細胞には影響を与えない(p192)
2011年9月18日作成
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日本の良い所がたくさん書いてある
。
とにかく日本は素晴らしい国なんだ!って事がかなりアピールされているから、精神的に明るい気持ちにになる本です。
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一瞬、外国人が書いた、外部からの視点による日本の長所が紹介された本かと思いましたが、読んでみるとあまりにも内部的に詳しいため、疑いようがなく内部からの日本人の視点だとわかりました。
著者名ではなく、書籍の企画制作集団とのこと。
あまりに日本のことを褒めすぎているように思え、(短所もないと、手前味噌にしか思えない)と多少閉口しましたが、発刊時の2011年6月は、まだ震災直後で日本全土が失意と衝撃から立ち直れなかった時期。
過剰なほどのエールが必要な時だったことはわかります。
欧米諸国が驚く「チップ無しでも質の高いサービスが提供される」点は、江戸時代に普及した「三方よし」の精神がベースになっていると指摘されていました。
三方よしの精神とは、「売り手」「買い手」「世間」の三方を心地良い状態にすることが良い商売のコツだとする近江商人の経営理念。
自分だけではなく、相手の立場に立った行動を取ることが、今のおもてなしの心につながっているとのことです。
幸せはみんなで分ち合おうという団体的思想も感じます。
その考えに根ざしているのが日本的経営法。
賃金をもらうために働くという西洋の合理的考えが外資系企業の参入などで取り入れたものの、再び日本的経営が見直されているようです。
終身雇用制を敷くことで、従業員は愛社精神を持ち、じっくりと商品開発に取り組むことで品質やサービスの向上を促せるのがその長所だとのこと。
集団行動が得意な日本人の気質に合っているのでしょう。
車では、ハイブリッド、EVどちらのタイプのエコカーにしても、国際的に日本が一歩リードしているそうです。
ハイブリッド車の特許を持たないメーカーは、高級車やEV開発に取り組むという、各会社の方向性が明確になってきているとのこと。
また、日本の新幹線は早さが売りですが、あの早さで無事故であるのことの方が特記すべき点だそうです。
近い将来、さらに高速のリニアモーターカーも取り入れられるため、こちらの安全面にも細心の注意が払われることでしょう。
カレーライスの話題も載っていました。
本場インドのカレーはスパイシーですが、日本のカレーのマイルドなとろみの方が外国人に受けており、海外では「日本のカレーは世界で最も完成されたカレー」と言われているとのこと。
インドのカレーよりも受け入れられているとは、知りませんでした。
カレーライスは世界中にある食べ物だと思いきや、中国では今でもカレーライスに馴染みが薄いのだそうです。
日本アニメは、時に暴力性と性描写の激しさが海外での非難の的になりますが、それは宗教的、社会的な規制をあまり受けないことで、自由に描かれているから。
宗教や社会が、いまだに表現の自由に大きな影響を与えるものだとは、日本にいる限りはあまり感じないものです。
ところで、日本は昔から脳卒中の多い国で、1980年までは死亡原因のトップだったとのこと。
なぜ脳卒中が国民病なのでしょうか。和食が塩分を取りやすい食事だからかもしれません。
医療保険制度は整っており、アメリカの医療保険制度はWHO評価世界37位で、先進諸国最下位だそうです。
理想的な国に思える日本ですが、なんといっても資源が乏しいのが致命的。
かつては資源王国で、江戸時代には銀や銅が豊富に算出し、ヨーロッパの銀の価格を押し下げたほどだったそうです。
あらたな資源が発見されればいいのですが。
いいことばかりが提示され、こそばゆくなりますが、先日、新聞に来日した外国人旅行者の不満が発表されており、
「wi-fi環境が整っていない」「クレジットカードが使えない店が多い」「人々が英語を話せない」などが挙げられていました。
東京オリンピック開催に向けて、まだまだ改善点は多そうです。
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おもしろかった。
こういうのをもっと読みたくなるけど、内容がみな一緒なのが不満だ。
今回は、自分の蔵書の中にもない内容があったから良かったけども。
気に入ったところは
・江戸時代の人が時間に深い関心を持っていた
・日本の交番制度は独自のもの
・新幹線の非常停止システムの名称はそのままの意味なら、もっと言葉をひねって欲しい
・気象予報の広範囲さ
だった。