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時間ハンマー みんなのレビュー
- エルンスト・ヴルチェク (著), クルト・マール (著), 五十嵐 洋 (訳)
- 税込価格:638円(5pt)
- 出版社:早川書房
- 発売日:2011/06/10
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文庫
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紙の本
402巻「時間ハンマー」
2018/06/21 23:05
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投稿者:shilvio - この投稿者のレビュー一覧を見る
・803話 : 忘れられた者たちの場所
冒頭、クロイスロン人の目から見た描写が詩的で、1009話「マルディグラの工作員」、1022話「アルキストの英雄」に似ていると思ったら、エルンスト・ヴルチェクの作品だった。回し書きの面白い効果だと思う。“青ざめた美形”のベラミが主体的に動き回るのかと思ったがそうではなかった。
たくさんの異星人が登場し、洋梨型のワセン、石筍のタウテカー、ビーバーの小シャンクなど、それぞれに特徴があって面白かった。
派遣されたラス・ツバイ/ガルト・クォールファート/ロワ・ダントン/ロード・ツヴィーブスの調査で、トロルトゥングには26種族が捕らわれており、割り当てられた居留地の境界を維持するために、絶えず戦い続けていた。その中で、クラゲ状生物のヤウンの市民が代表となり、各種族を小競り合いさせることで、調停しようとするコンプに対抗していた。
最後に調査隊が各種族をかき回したところで、トロルトゥングの防御バリアが崩壊し、ケルセイレーンの影響が届き始めた。テルムの女帝はこのために人類を送り込んだのか。我々には全く理解できなかったとある通り、読む方も意味が分からなかった。それが詩的な描写であるかもしれない。
聖杯の母たちが、ヨクサ=サント星系を去ること、バルディオクとの戦いでテルムの女帝側に立つ必要をローダンに伝えた。《ソル》は出発した。
・804話 : 時間ハンマー
前話から一気に話が展開する。場面も実に多彩で、何度も内容を確認した。799話「テラとの別離」の最後に登場した、ローマ近郊の廃墟で眠りから覚めたグラウス・ボスケッチは、2年くらいかけて北を目指すうちに仲間が増えてナムセン・フィヨルドを越え、古代都市ナムソスに入った。満を持して登場した人物かと思ったら、小陛下に捕らわれて、毎日地球人を呼び戻す唱和をするグループの代表になってしまった。
惑星インテルメッツォで地球を見張っているテラ・パトロール一行では、ワリウ・カウクがローマ皇帝ディオクレティアヌスになったり、する事件が起こった。その現象をサンテ・カヌペが“時間ハンマー”と呼んだ。ドウク・ラングルは、小陛下によりテレパシー性暗示能力を開発された40-60名が地球から呼びかけを行う中で、種族の記憶や人類の知識の断片のインパルスが含まれていると推測した。
グッキーの偵察で、テラニア・シティや各都市は無人であり、ルナからの応答も無かった。
《ソル》では200億人が消えてしまったことに落胆し、調査のためにブリーがゴシュモス・キャッスルの観察ステーションに出かけた。799話「テラとの別離」で神の庇護を失ったイティ・イティ族の最長老ミツィノは、現れたブリーを神と崇めた。ブリーはミツィノから大カタストロフィの後生き延びた者がおり、また1年前に神に逃げられたことを聞き出した。ブリーの聞き出す態度が横柄かつせっかちで面白く、哀れに思ったミツィノに自分のクロノグラフを神の印として与えていた。それにしても直前に神が一人いて消えてしまい、誰だったのだろう。その神はオオバクと呼ばれていて、発見された時に「おお、ばかな!」と言ったことでそう呼ばれたのではとローダン達が推測したのはお笑いの要素なのか。
《ソル》からのもう一つの試みとして、地球に古いコードを発信し、シガ聖人クリアク・ジョンからすぐに返信があった。実際には、ラファエルからで、ネーサンが作った霧になるすごい存在らしい。この応答に期待し、アトラン/ブリー/ジェフリー・アベル・ワリンジャー/グッキーがS=SJ=38でルナに入った。人類の謎が分かるのだろうか。
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