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2011/6/10 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2015/11/30〜12/15
佐藤優氏の文藝春秋の連載をまとめたもの。外交官時代の政治家とのかけひきの裏側を披露している。東日本大震災時のことを書いた文庫本のためのあとがきも素晴らしい。
私自身はこういう腹の探り合いなどが苦手なのだが、来年4月からそういうことをやらないといけない立場になりそうなので、今から憂鬱である。が、本書を座右の書として何とか乗り切りたい。
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1990年代から2000年代にかけての北方領土返還交渉をベースに交渉術について述べられた本。交渉術というタイトルに惹かれて買ったけど、当時の外交交渉の裏側に引き込まれ一気に読破。
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国益のぶつかり合う外交は、生き馬の目を抜く世界であること、日本の官僚の能力の高さがわかる。外務省の人間が、(もちろんきちんと仕事をしている人もいるだろうが)組織の内部抗争や私欲に腐心せず、外交をきちんとすれば、もっと日本はよくなるのにと思った。
後半は、北方領土返還に絡む外交交渉の経緯が描かれている。故米原万里さんも登場するので、ファンとしてはうれしい。
前半は、もっと一般的な交渉の話。人間の欲について分析されているので、すごいことが書かれていながら、野次馬的興味で読み進めることもできる。
「一般論として、人間が巨悪を行うのは、自らの行為が正しいと信じているときだ。それに『国益のために正しい』という自己正当化が可能になると、とんでもない悪事をしでかす。」
「官僚の職業的両親は出世することである。出世して、権力を手にすれば、官僚は自らが信じる国益を増進する政策を現実にする可能性が広がる。従って、霞ヶ関官僚の内在的論理では、自らの出世と省益と国益とは一体のものと観念されている。」
「何も見返りを求めず、相手の懐に入ることによって、自己の利益を極大化するのが交渉の弁証法だ。」
「本当の取り引とは、取り引きということを相手に悟らせずに行うものだ。」
「一つは、『過去の歴史をよく勉強しろ。現在起きていること、また、近未来に起きることは、必ず過去によく似た歴史のひな形がある。それを押さえておけば、情勢分析を誤ることはない』ということだった。
二つ目は、『人間研究を怠るな。その人間の心理をよく観察せよ。特に、嫉妬、私怨についての調査を怠るな』ということだった。」
「危機のときに国家は政治最高指導者に人格化される。」
「国家指導者が機能麻痺に陥ったときに危機が拡大する。」
「不確実な情報を出しても、責任追及をされるようなことがないという安心感を持たせないとあの連中は動かない。攻めのときは強くても守りになると弱いんだ。日本のエリートは。それと比べるとロシアやイスラエルのエリートは腹が据わっている。さすが平気で人殺しをする連中だ。」
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著者が狙う通り、交渉術の実用書としても、インテリジェンスの世界を垣間見る読み物としても、北方領土交渉の記録としても面白かった。著者が認める通りこれが「失敗についての記録」であったとしても、親切なことになぜ失敗したかの分析もある。
最初は、インテリジェンスの世界を垣間見る読み物、北方領土交渉の記録として読んでしまった。次は、特に日常・ビジネスの場における交渉術の実用書として読みたいと思う。
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北方領土交渉の裏面が垣間見える貴重なインテリジェンス物として興味深く読みました。結局は失敗譚ですが、外務官僚・政治家が国益のために奔走する姿には感服するところもあります。欲望にどのようにつけこむかが交渉術の要諦であるとする怪人佐藤優の今後の著述が楽しみです。
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いつもながらにぶれない内容で、興味深く読めました。
橋本、小渕、森の政権下で、北方領土交渉の中核を担っていた、
その自負と経験に裏づけされた内容が、非常に面白い。
改めて佐藤さんの"やりたかったこと"を、認識できた気がします。
ん、イロイロと考えさせられた、一冊でした。
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交渉の術について書かれてるのは、最初の方にちょっとだけ。交渉の術について知りたい人は、後は著者の経験談から読み取る他ないが、交渉術と関係なくとも内容はおもしろい。
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北方領土返還交渉と絡めて、交渉技術のポイントについて述べている。
これを読むと鈴木宗夫はロシア・イスラエルに精通した優れた政治家であることが解かる。
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佐藤優氏の著作を初めて読んだ。
外務省の交渉スキル、日本の歴代総理やロシア政府トップの人柄、
そして何だか良く分からないうちに捕まった鈴木宗男氏の人柄、など、
色々なものに触れることができる良書。
人の欲や言動の傾向を把握する能力の必要性を、強く感じた。
外務省って何やってるのかわかんな~い、というレベルでも、確実に外交問題に興味を持てるようになる。オススメ。
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著者の論考は、週一回新聞に掲載されるのを欠かさずに読んでいる。インテリジェンスという切り口で語られる外交のやり取りが非常に面白いからだ。
本書は、よくある啓蒙書としての「交渉術」とは一線を画しており、冒頭で交渉に関する一般論の記述はあるが、多くは著者自身が実際に経験した交渉の記録である。外交官として、その現場の最前線で行われた重要な人脈形成、首脳クラスの人達との交渉などの様子が、臨場感を持って描かれており、引き込まれる。単純に面白いし、政治の裏舞台がどの様になっているのか雰囲気を知ることができた。
時の首相との関わりもあり、報道に現れるのとは違う、生の姿を垣間見えることが出来る。政治家というのは、やはり能力がないとできないものなんだなあということを思い知った。
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立ち読み:2011/9/18
女と性に関する傲慢と偏見に満ちあふれている予感はするが…興味はある。
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佐藤優
4 「酒は人間の本性を暴く」
5 「賢い賄賂の渡し方
9 「恥を棄てる」サバイバルの極意
が非常に面白かった
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交渉術のノウハウ書ではないので、そこに期待して買ってしまうと裏切られます。私もその一人。でも佐藤優らしく、外務省時代の歴代首相の素顔が精緻に描かれていて面白かった。お得意のロシアとの交渉過程も、改めて読むとずんずん引き込まれてしまう。やはり著者の文章が巧みなんでしょうね。米原万里さんの「ロシアは今日も荒れ模様」も思わず購入。
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交渉術といっても、ハウツーが披露されている訳ではなく、著者が外交官として活躍していた時期の外交の現場が生々しく描かれている。そこで知るのは報道で話される外交の内容と、実際の現場では全く見ている方向が違う事。長期的にみて国益となる外交を、報道の仕方によってなし崩しにしている事が多々あることに非常に驚きを覚えた。また鈴木宗男事件に関しても、報道では分からなかったこと多数披露されている。とにかく、政治記事は様々なバイアスがかかっているのだと、強烈に意識させられる。また、映画でしか存在しないと思っていたような、世界のインテリジェンス戦争も衝撃的で刺激的。世の中の見方や洞察がより深くなる一冊だった。
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参考になる記述がいくつもあった。
この佐藤優という人物、実際にあったらどんな印象を持つのだろう。
部下に本当に難しい仕事を指示する場合、命令せずにお願いをする。腹に落とす必要がある。
「恥を捨てる」意味。強行突破。
男同士のキスもインテリジェンスの一つ。
トップとして重要なのは「ここでの主人は自分だ」という認識を徹底すること。
なにも見返りを求めず、相手の懐に入ることによって、自己の利益を極大化するのが交渉の弁証法
「過去の歴史を勉強しろ。現在、近未来に起きることはかならず過去によく似た歴史のひな型がある」
「人間観察を怠るな。特に嫉妬、私怨に関する調査を怠るな。」
ひ弱な日本のエリート
統帥綱領
「10.高級指揮官は・・・難局にあたりては、大全動かず・・・」
「11.たとい能力秀でざる者といえども、必ずこれに任所を得しめ・・・みだりに部下の過誤を責めず・・・その撥刺たる意気を振起せしむるを要す」