紙の本
村上春樹らしいユーモアと素直な語り口、「村上ラヂオ2」。
2011/11/07 17:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上エッセイは大好きだ。この人はエッセイもまたうまい。「おおき
なかぶ、むずかしいアボカド」はアンアンの連載をまとめたもので以前
に出た「村上ラヂオ」の2に当たる。肩の力が抜けたリラックスしたエ
ッセイで、これは中でも書いてあるのだけど、ヘンに女性を意識してい
ないのがいい。そして、いつも通りのユーモアと素直な語り口。この素
直さって、エッセイがおもしろいかどうかの大きなポイントだと思う。
ヘンに気取っちゃダメ。時にはこちらが「あややややぁ〜!」と思うよ
うなトンでも発言があるのも楽しい。裸の自分を見せちゃう。そうする
ことで読者も楽しい気分になれるのだ。
いろいろとおもしろい話が出てくるが、終わりの方に印象的な話が多
い。プーシキンの「その一発」という小説に出て来る決闘の最中もサク
ランボを食べ続ける士官の話「決闘とサクランボ」、なぜ日本の書店で
は男女で作家の棚が分かれてるかと問う「男性作家と女性作家」。個人
的につらい時期だった頃に旅したベネチアでずっと聞いていた井上陽水
の「ネガティヴ」とキョンキョンの「バラード・クラシック」の話「ベ
ネチアの小泉今日子」などが好きだ。なんでもないテーマを取り上げな
がら、心の中にストンと落ちてゆく、その感じがいい。1冊目同様、大
橋歩による版画の挿絵。これもまた幸せ。
紙の本
エッセイ
2012/05/18 09:02
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投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る
気楽に肩の力を抜いて読めるエッセイです。
でもそれなりに内容は充実しているというか。
内容空疎ではまったくありません。
村上さんのファンならきっと気に入ると思まいます。
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難しい言い回しなどはいっさいなく、日常のささやかな出来事が、それこそ知人に向かって語りかけているくらいの気さくな感覚で綴られているのですが、それでもそこは春樹さんですから、何ともいえない独特の味わいがあるのです。
自分でも書けるかも、と思うくらいのゆるさ、暖かさ、ほっこりさなのですが、もちろんわかっています。こんな風にかけるのは、春樹さんだからこそ(←あたりまえ)。
春樹さんと同時代にいられたことがうれしいなと、そんなことが素直に思えるエッセイでした。
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久々の村上ラジオ。ananに連載してるのを時々立ち読んでますが、こうやってまとまって出るのを待ってました。
本人もお書きになっている通り、特に中身がどうとかいう話でもないですが。ま、いいじゃないですか。
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実はこの人、小説よりも、未訳の極上小説の発見やエッセイのほうが、実力を発揮してるんじゃないか、と私は思うのです。
(あまたの村上ファンには叱られそうですが。)
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2011年7月26日(月)読了。
このゆるくてくだらない話たちを、春樹さんにずっと隣で喋っていてほしい!
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いつも思っているが、この人のエッセイはプールサイドでぐっちゃりしている時にいい。それぞれが短く、いつでも止められて、それぞれが、日頃考えていなかった視点で語られる(といってもまじめな話ではなく)。いつもそんな時に持っていくので、今回も7月頭に出て今まで読まず、プールサイドで読了。
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世界の村上春樹さんのエッセイに感想を述べるのは難しすぎます。
でも私の知らない「おおきなかぶ」と「むずかしいアボカド」の理由がわかったとき、日常がほんの少し変化したように感じました。
やはりウーロン茶はおいしくなくちゃいけないし、それが日本一なら飛び上がるほど嬉しいです。
マシュマロをひとつずつ口に入れて溶けてなくなるまでじっくり味わうように、ページをめくっていきました。最後のエピソードは殊の外じんわりと胸に響きました。大橋歩さんの銅版画のしおりが挟まっていて(水玉模様の猫ちゃん)思いがけないプレゼントにほっこりしました。それにしてもみんな同じページに挟まっていたのかなぁ。
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アンアンで連載中のエッセイ1年分をコンパイル。
アンアンは流石に読め(ま)ないので、これはうれしい。
内容はいつものようにくだらないものですが、読んでいると、もう少し豊かな日常を暮らせる気になるんですよね。
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村上春樹さんのエッセイ。
実は長編しか読んだことなかったので新鮮だった。
日常のひとこまやそこで感じたことなどが、易しい言葉で語られている。
押し付けがましさが欠片もなくて、むしろ控えめな印象。
雑誌連載のせいだとは思うけど、ページにして3ページくらいの長さ。そこへ大橋歩さんの版画が添えられている。
これがまた素敵。シンプルで暖かい雰囲気。これは全体で一つの作品。
どちらかというと読むのが速いタイプなので、じっくり味わうために意識してゆっくり読んだ。
読むだけならほんと2時間もあれば十分だけど絶対もったない。
時間をおいて、また読み返してみたい。
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村上さんのエッセイは、好きです。村上さん自身はそうでもないようですが・・・(笑
大橋さんのイラストは、昔のピンクハウスを思い出しました。やっぱり好きです。
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村上春樹のエッセイは彼の小説を読む時と違って、身構えずに読むことが出来る。でも、美しく文章がスっと身体に入ってきて、例えていうなら、良質のミネラルウォーターを一息で飲んだような読後感。
村上春樹の考える理想的なパーティーはいいですね。まさに理想的な。
"人数が全部で十人から十五人くらい、人々は物静かな声で語り合い、誰も名刺の交換なんかせず、仕事の話もせず、部屋の向こうでは弦楽四重奏団がモーツァルトを端正に演奏し、人なつっこいシャム猫がソファで気持ちよさそうに眠り、おいしいピノノワールの瓶が開けられ、バルコニーからは夜の海が見渡せ、その上に琥珀色の半月が浮かび、そよ風はどこまでもかぐわしく、シルクシフォンのドレスを着た知的な美しい女性が、僕にダチョウの飼い方について親切に丁寧に教えてくれるーといったようなパーティーだ"
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村上ラヂオ3が出ることを楽しみにしておこう。また10年後かな?そしたら私は●5歳。覚えやすくていいや。
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17の時に著者の本に会って以後現在まで、新作がでるたびに、ジャケ買いしてます。ただ最近は漫然と買って読み返す事がなく、昔のような共感が少なく、なぜ村上春樹の作品が好きなのか、わからくなってました。けど久しぶりに著者のエッセイを読んで、十代の多感な時期に感じた気持ちを思い出した。最後の「ベネチアの小泉今日子」に感動。
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今まではエッセイ読んでも「凄い人なぁ」ととてつもなく遠い人だと思ってたんだけど、今回のエッセイは村上春樹さんが近く感じられる内容だった。
あ、そういうこと、この人も考えるんだ。とか、「挨拶」っていう字、書けないんだ。とか。
なんだか世界を柔らかく捉えてる感じが好きです。