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沖縄から戦後国体の深奥に迫っていきます。米国による支配の現状はおぞましくて気持ちが悪くなるほどです。米国と日本の接点にいて法や密約に携わる官僚は米国の威光を自らの力の源泉としています。日本に従米右翼はいても独立派の右翼は潰されます。記載された事実は共有し、リアルな思想、議論を重ねておかないと、ある日突然嫌米になって、無鉄砲な暴発を起こしかねませんね。
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題名のとおりの本です。
「しかたない」「しょうがない」と思考停止しないためには、本物をみるのが一番なのですが、一般人にとって、沖縄の本物の施設をみようとすること自体が、やっかいな問題の中に自分を投じることになりかねません。
写真で、美しい景色の中に、何があるのかをみる事、そこで考えたことを、今の自分の快適さを壊したくないばかりに停止させないで前に進みたいと考えさせられます。
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なぜ沖縄に米軍基地がいつまでもあるのか。
それは日本の有事には米軍が守ってくれるから…ではない!タダで使える上に、維持費も日本がだしてくれる。しかも、日本の法律より、日米安保条約の方が優先される。そりゃ、ユートピアだ。
唯一の手立ては、日本が自主憲法によりNOと言うことだと筆者は説く。
包み隠されている密約を含め、もっとニュースを深読みしなければ、そして一次ソースに触れなければならないとつくづく感じた。
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「国語教科書の思想」(石原千秋)によると、日本で最も使われている小学校用国語の教科書は、核兵器開発反対運動の写真に、実際に原爆を使用したアメリカの様子でも、ここ日本の様子でもなく、パキスタンの写真を使っています。きっと、何かに細やかな「配慮」を示し、こうした運動は遠い国のできごとだという印象を、子供たちに与えたかったのでしょう。以下は、ある年の千葉県高校入試、英語リスニング問題です。
Jim : Did you have a good time in Okinawa?
Beth : Yes, of course.
Jim : How was the weather there?
これに続く応答として正しいもの(It was sunny and warm.)を選ぶ問題だったのですが、アメリカ人が観光について話す他愛のない会話の舞台が、よりによって、なぜアメリカ軍基地問題に苦しむ沖縄なのでしょう。まるで東京電力の幹部が福島へ行って、喜多方ラーメンを食べながら談笑しているようです。つまりこれも、沖縄=観光地という印象を強化するべく、「選りに選って」作った会話だったのでしょう。
この本は、体裁は写真の豊富な旅行ガイドそのものなのですが、紹介しているのは観光スポットではなく、米軍基地の様子がうかがえる場所です。基地内にはもちろん入れないし、外からであっても、撮影はすぐ止められてしまいますが、この本が載せているのは、そうした状況の中で、地元の人々が見つけて守ってきた、フェンスの向こうが合法的に確認できるポイントです。写真の解説、背景を述べる文章、関連図書の紹介、すべて充実した素晴らしい本です。